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「英プレミアリーグのクラブ運営モデル」ディック・ロウ2017年のプレゼンより

現在/過去のアーセナルFCのマネジメントモデル

読んでいて途中で気づいたひとも多いと思うが、現在のアーセナルのマネジメントモデルはバッチリ「エグゼクティヴ・ディレクター」モデルとなっている。

これは今からおよそ2年前のプレゼンで、当時はヴェンゲルさんもロウ本人もまだクラブにおり、将来クラブがどうなるかの予測はそれほど簡単ではなかったはずだが、いみじくも現在のアーセナルの姿を予言的に云い当てていたことになる。

チェアマンの下に、コマーシャルとファイナンスを統括するヴィナイ・ヴェンカテシャン、スポーツサイドを統括するラウル・サンレヒのふたりが並列に並び、ディック・ロウ風に云えば「ふたりのCEO」がクラブ運営を協力して統括している。

スライドで云うと、サウサンプトンのくだり。

たった2年くらい前までの、CEOからマネージャーの下にスポーツの各責任部門がずらりと並ぶ旧式な体制が、モダンな体制にガラリと変わったわけだ。大変革と云っていい。

こうして見ると、現代的な価値観からしてあらためてヴェンゲル体制のいびつさが浮き彫りになったとも云えるし、一方でヴェンゲルさんというマネージャーの優秀さもまた類まれなものだったと思える。ひとりでなんでもやって、なおかつあれだけのことをやってきたのだから。

一説によると2007年にディーンがクラブを去ってから彼の責任範囲もヴェンゲルさんが担うようになり、結果的にあのような<独裁体制>のようなかたちになったというが、ヴェンゲルさんにとってこの範囲での権限を持つことが自分のなかでのスタンダードになっていたとするなら、彼がマネージャーをやる新しいクラブをなかなか見つけられないのも道理かもしれない。

このプレゼンでも指摘されているように、このような規模のクラブでひとりに何事も任せるような、かつてのユナイテッドやアーセナルのようなストラクチャのクラブはもうフットボール世界に存在しないのだから。

以上



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3 Comments on “「英プレミアリーグのクラブ運営モデル」ディック・ロウ2017年のプレゼンより

  1. 今はエグゼクティブディレクター方式ですが、ガジディスやミズリンタートがいたときはコミッティ方式だったんですかね?

    1. お、鋭い。。

      また別で書こうと思って書かなかったんだけど、おっしゃるとおりガジディスとミズリンタットがかぶってる短い期間に、アーセナルはコミッティ方式を模索していた可能性があるようっす。

      メンツはガジーディス、サンレヒ、ミズリンタット、エメリ、ファーミー(弁護士・契約担当)、ローゼンフェルド(StatDNAのCEO)、あとはヴェンカテシャン? そのあたりらしいっす。

      1. ガジディスはともかくとして、ミズリンタートはコミッティ方式に移行する際の煽りを受けた可能性がありそうですね。コミッティ方式でいけば、ミズリンタートのポジションはサンジェイの下になりますからね。あれだけ補強を成功させたミズリンタートに役職を与えないとは考えづらかったのですが…あの退任劇の裏が何となく見えてきた気がしますね。

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