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【マッチレビュー】19/20EPL アーセナル vs リヴァプール(15/Jul/2020)エミレーツの奇跡?

試合の論点

アーセナル vs リヴァプールのトーキングポインツ。

モチヴェイションと集中力

先にも書いたように、この試合で決定的だったのはやはりお互いのモチヴェイションの差だろうと思う。

彼らはもう今シーズンは大きな目標のひとつは達成していて、どうしてもこの試合に勝たねばならないという状況ではなかった。

一方でアーセナルは、この試合に敗ければ、その時点でELすらもほとんど絶望的になるところだった。どちらが勝敗に切実だったかは明白である。

アーセナルはあまりにもイージーに失点したあと(※彼らの最初のシュートだったはず)、前半のうちに相手のふたつの個人エラーから逆転するが、やらかしたVVDもアリソン・ベッカーもワールズベストの選手のひとりであることは疑いなく、ラカやネルソンがプレッシングで相手に強いたエラーだったとはいえ、どちらも試合に集中していればやらなかったプレイだろう。アルテタが試合前に話していた、「世界最高のホールディングMF」ファビーニョもミスをやっていたくらいで。

リヴァプールとアーセナルでは現時点ではチームクオリティに差がありすぎて、序盤はまるで練習試合のように見えたものだが、そういうことも含めて、リヴァプールの面々はとてもリラックスしてのびのびとプレイしていたように見えた。ハイプレッシングがおもいしろいように決まり、格下相手と云わんばかりの自信満々なプレイで、ぼくは随分となめられたものだと思いながら観ていましたよ。

それだけ彼らのメンタリティはゆったりしたものだったのだろう。「バトル」という雰囲気はなかった。

というわけで、ぼくはこんな最高の結果だったけれど、最高にうれしい気持ちを100とすれば、せいぜい75くらいのうれしさであった。まあうれしいのはたしかなんだけども、相手があの調子では手放しでは喜べない。ぼかあ最強チームが絶対に敗けたくない、敗けたら悔しくて涙が出るというくらい本気の状況で勝ってほしい。そんな日がいつくるのかわからないが。。

たぶん先日のNLDで勝ってたらそっちのほうが今回の勝利よりうれしかっただろうと思う。だって相手は死ぬほど敗けたくないんだから。

MFの攻撃関与の少なさは問題なのか?

(今回の試合であまりここが気になったひとは少ないかもしれないが、個人的な関心として)

アーセナルのMFたちの攻撃への貢献度があまりにも低いという議論が話題になっていたので、最近ずっとアーセナルのMF問題のことを考えていたのだけど、今回のリヴァプールを観ていて、あらためて彼らってMFの存在感が薄いチームだなあと。彼らをよくご存知のかたには今さらでしょうが。この試合だとワイナルダムとファビーニョとチェンバレン。

彼らピッチの真ん中をあんまり使わないんだよね。そもそもそこを使おうという意識が低いというか。ビルドアップの局面でも後ろの3人でボールを回して、パスコースがなければロングボールを全然ためらわないし、あるいはFB/WBを使ったサイドからのビルドアップ。手段はともかく前の3人(ワイドの2人)にボールをなるべく早く渡すことがもっとも重要で、MFはそのサポートをするに過ぎない。みたいな。

彼らには超強力なフロント3がいて、両ワイドにはリーグ最強のFBコンビ。そしてバックにはVVDとかアリソンみたいな選手がいる。彼らの攻撃を司るMFって? コウチーニョ?(すでに古い)。すぐに思いつかない。シティで云うところのKDBやシルヴァみたいな選手がいない。

アーセナルはエメリのときからだいぶリヴァプールのやり方を意識していると云われていて、実際にいまアタッカーではほとんど同じようなことをやろうとしている(2ウィンガー+フォルス9)が、MFについてはどうなんだろうか。アルテタは環境が許せばシティ流の4-3-3をやりたがっていると云うが、いまのアーセナルのセットアップは、フロント5といい、まるきりリヴァプールである。

そうであれば、そもそもMFに攻撃への貢献はあまり期待していなくて、彼らの得点関与が少ないという議論そのものが、若干的外れにも思えてくるような。リヴァプールみたいなセットアップだとそこはあまり問題にならないわけでしょう?

まあ何を云いたいのかといえば、いまのアーセナルでMF(CM)の攻撃関与が少ないのは、このチームの構造を築くときに、ある程度想定済みの部分もあるのかなと。少なくともラムジーのような選手がいると、バランスが崩れるリスクのほうが高いみたいな。

うーん、よくわかんないね。(ここまで書いてものすごい周回遅れの議論をしているような気がしてきた笑)

週末のFAカップはそのへんを意識して見てみよう。

 

なんかこんな試合だったし、いろいろほかにも書くべきことがありそうな気がするが、ラカとかエミとかネルソンとか。ロブホとかトレイラとか。ペペとか。KTとか。ジャカとか。このへんで終わっておこう。みんなよくがんばったということで。

試合については以上。

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6 Comments on “【マッチレビュー】19/20EPL アーセナル vs リヴァプール(15/Jul/2020)エミレーツの奇跡?

  1. 朝起きて結果見て驚愕しました(笑)
    ポゼッションでやられようともスキをついて勝ち逃げという、前節スペシャルワンさんから学んだ事を早速生かしたわけですね。さすがアルテタ監督。
    それにしてもレノが復帰したらGKどうするんでしょう。
    スタメンを争う力を証明し続けるエミマルと、レギュラークラスを二人抱える事になるのか。
    どちらかが移籍を志願したり、もしくはお金ないアーセナルはどっちか売るとかないんですかね。比較的高く売れそうなレノを、とか。考えすぎかな。

  2. 1Hで綺麗にマネにぶちこまれてから、”こりゃー、4、5点は覚悟だな・・・”と失望しして席外して戻ってきたら2点入れててびっくり。2Hは正座して観戦しました・・・。エミマルは勿論、ティアニーとホールディングが良かった!ムスティとコラシナツだったら、多分無理だったと思う。右も今は、ペジェリンよりもスアレスのほうが安定しているし、AMNが必殺仕事人みたいに登場するのもしびれました。なんか、2HはCL決勝トーナメントのような意気込みでしたが、世界最強チームもプライドかけてきたし、なんだかんだ結果を出したことはチームに自信をつけたと思います。返す返す、レスターとNLDの5ポイントが痛い・・・が、週末シティ、全力で応援しましょう!COYG

  3. 序盤のやられ方から、先取点後は一気に大差になっちゃうんではないかと、寝る準備をしてましたよ。
    2点は取りましたが、相手コートに運べない湘南・山王戦みたいな嫌な感じ。
    終盤のウィロック、決めて欲しかった。アーセナルって、あーいった勝負を決める場面でよく外しますね。
    そして、追いつかれる・・・
    来季こそは改善して欲しいです。
    あと4戦(facup込み)頑張れ!
    COYG!

    1. リーグ中断時にDAZNで4ー4リバプール戦見てたから、この支配のされ方は結構堪えました。なぜ、どうしてこうなった…と自問自答する後半の45分間。それでも前を向いて勝利を掴み取った選手やアルテタはさすがですね。私とは違う。

  4. でもこれ、ベンゲルだったら正面切って試合を支配しに行って玉砕してたよね。。。
    ここまでスタッツが悪くても、勝ったんだから何が悪い?って割り切れるところにアルテタの凄みがあると思う。

    実際これしか勝つ方法はなかったはずで、ここまでみっともない試合でなければ勝てなかったはず。
    過去の栄光に浸ってたら出来ないことだし、そういう意味でも価値ある勝利だと思う。
    選手はすごく戦ってた。それが嬉しい。

  5. よく勝てたというのが正直なところなのかもしれないけど、守り切ったというのは良かったですね。
    交代が早かったのも良かった。ウォルヴズ戦に続き中2日で試合が続く時であらかじめ試合前から予定されていた交代プランのようなときは決断早く交代してる印象受けますねぇ。

    意図的なのかどうなのか前半3-4-3ではなく3-4-1(ラカ)-2のようになってることが多く、
    ビルドアップでもサイドの守備という点でもかなり負担になっていた印象を受けました。
    あれがネルソンの言うハイプレスによるものなのか…個人的には単純に守備に戻っていない、ビルドアップ時に受けに来ないだけのように見えたんだけど。。最近の3-4-3でのビルドアップ~ファイルサード付近までの前線の両サイドの選手の決められたような動きもなかったのでどうだったんかな。後半は守備に戻るようになってたけど。
    意図的なのだったとしたらそれはそれで興味深いかもしれない。

    個人的にはナイルズがアルテタ以降初と言っていいくらいポジショニングミスがなかったと思うのでよかった。
    この試合は攻める時間がなかったのもあるから何とも言えないけどアルテタの信頼を勝ち取れたらいいなと期待。

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