ほぼ2ヶ月も勝っていない失意のズンドコにあるチームが、ここで結果を出すとは。さすがに驚いた。お恥ずかしいことに、この結末をぼくはまったく想像も期待もしていなかった。ほとんど快勝といってもいい内容だったのではないか。
そして、結果よりもわれらファンが熱狂すべきポイントは内容のほうだろう。ちゃんとこのチームが攻守でワークしたということだと思う。やっとPLという本番でチームプレイを見せてくれたことが最高。
結果だけの試合だったなら、つぎがどうなるかわからない。でもこの試合の彼らのパフォーマンスは、これならきっとつぎもいい試合になるはずという期待を持たせてくれるような、非常にポジティヴなものだった。やっとギアが噛み合ったというのか。淀んでいた水が流れ出し、風景がぐるりと転回するような。ほら、あのアニメのOPのイントロが聴こえてくるようじゃないか……。このチームに欠けていたもの、それをようやく見つけたかもしれない。そんな晴れやかな気分にさせられた。
アルテタが今回、重大なプレッシャーにさらされているなかで、リスクをかけてチャレンジをしてくれたことを称賛したい。そしてその期待に応えた選手たちも。誰もがチームメイツを気にして、お互いに助けあう姿を見せてくれた。なんと美しいのか。
とにかく長く苦しんできたからこその解放感。これは極上の物語ですなあ。決して終わらないシリーズもの。
昨日はあたまのなかでこのレヴューエントリで何を書こうか、ずっとイメージトレイニングをしていて、逆に全然まとまっていないのだけど、がんばって書いてみよう。アーセナルについて、ポジティヴなことで書きたいことがありすぎるというのも、久しくなかったことだ。うれしい。
Arsenal beat Chelsea to end winless run
アルテタの試合後コメント「シニアとヤングのいいミックスがあった」
試合直後のインタヴュー。『BBC Sports』より。
アルテタ:結果が一番だ。それこそがわれわれに必要だった。われわれはずっとアンラッキーでこの8週間はずっとフラストレイテッドだった。だから今日はビッグデイだ。
最初のホイッスルからチームが勝とうとしている、エナジーと意志が観られただろう。
試合前のスピリットはとてもポジティヴだった。彼らはとても渇望していた。選手たち、サポーターたちにも喜ばしい。ここ数週間はずっとがっかりさせてきた。だから喜べることをもたらすことができてよい日になった。
試合後のプレス会見。オフィシャルサイトより。
(この勝利はスクワッドの強さ……)
アルテタ:これはみんなのおかげだと思う。なぜならシニア選手たちもいろいろなかたちで貢献した。ピッチの上で、あるいはピッチの外でも。われわれがバスで来たとき、エナジーと彼らがどれだけ欲しているかわかった。ボクシングデイのPL、しかもロンドンダービーでプレイするのにそれ以上のものはないね。
わたしが云ったのは、これまで結果が出ていなかったときから、今日こそパフォーマンスを出す機会にせねばならないということ。あのチームを相手に勝つならビッグパフォーマンスが必要だった。そして思うに、ボーイズは最初から正しかった。とてもよかったよ。
(グラニト・ジャカのパフォーマンス……)
わたしが来てから彼はいつだってそれを見せてきた。だからわたしはずっと彼にサポーティヴだったのだ。彼はミステイクをやるし、それはみんなと同じ。だが、彼のコミットメントとキャラクター、どれだけこのクラブのためにファイトしたがっているか。このチームにどれだけ疑問を持っていないか。彼はそのことを今日も示したと思う。
(結果の重大さ……)
これはわれわれにとりほんとうに重要な週だ。以前に云ったように、パフォーマンスのいくらかは試合で十分じゃなく、そしてそれがどんどん対処を難しくさせていった。
われわれにはポインツが必要。それは間違いない。そして今日われわれはこのリーグのベストチームスのひとつに勝った。とても納得できるやり方で。これが示していることは、われわれがベストを出せばやることができるということだ。それが3日おきにできるのか? それがわれわれがここからの週で問うていかねばならないことだ。
今日はリフトが必要だった。ポインツで試合から得られる自信。選手たちはとても喜んでいるし、わたしもとてもうれしい。もちろんファンにも。ずっと難しい週だったから。
(若い選手たちのパフォーマンスについて……)
イエス。今日はシニア選手、経験ある選手、若いタレントのとてもいいミクスチャがあったと思う。彼らはこの数週間で、試合でスタートできる選手であることをずっと見せてきており、今日彼らが反応することに疑いはなかった。彼らはとてもとてもよかったと思う。
(ガブリエルの不在……)
われわれはCovidのガイドラインと手続きに従う必要がある。ドクターがそれに対処しているよ。どれくらいか? 100%確かではないが、彼は感染者と接触があったので、数試合は出られないだろう。
(陽性だったガブリエル・ジェズースとの接触があったのか?……)
ノー。PLのほかの選手だった。彼と親しい選手だった。
(ダヴィド・ルイスとウィリアンの不在とも関係が?……)
ノー。それはまた別の理由だ。彼らはちょっとした症状があって、それについてとても注意しなければならない。手続きでは彼らは隔離せねばならない。検査では陰性だが(they have to test negative)、それでも彼らが100%そうじゃないとわかるまでは、とても注意深くしていなければならない。
(ガブリエルは陽性ではなく、ただ濃厚接触があっただけ……)
イエス。
(マルティネリとティエニーについて……)
ふたりともとてもよかったと思う。とてもいい相互理解があり、たっぷりエナジーがあり、とてもいいコミュニケイションと勇気もあった。攻撃のときは彼らが毎回とてもよかった。ランがあり、前へプレイし、たくさんのいい攻撃アクションに絡んだ。とても満足している。
(トーマス・パーティはブライトンやウェスト・ブロムで出られる?……)
まだだ。彼はまだチームと一緒にトレインも始めていない。まだ数日は先だろう。
以上。
意外にあっさりな。実際の会見ではもっといろんなやりとりがあったんだろうか。この勝利にボスがもっと饒舌になってもおかしくはない。
ルイスとウィリアン?
さて、この試合のスクワッドに加わらずファンを驚かせたのは、ガブリエル、ダヴィド・ルイス、ウィリアンのブラジリアン3人。ガブリエルはCovidの疑いがあるので隔離というのはまあいいとして、ルイスとウィリアンについては若干不思議な感じがする。
オフィシャルサイトのトランスクリプトでは彼らの不在についてそう書いていなかったが、ソーシャルメディアなどでシェアされていたアルテタの説明では、彼らの状態について、たしか「unwell(具合が悪い)」と発言していたはず。だとすると、Covidの疑いなのか、そのほかの病気なのか、あるいは単に身体の調子が悪いのか、いまいちよくわからない。Covidではないとすると、ふたり揃ってというのもなんだか奇妙だ。
最近報じられていた、ルイスとアルテタの不仲、あるいはウィリアンの超低フォーム。このあたりと合わせて考えると、エジルが試合直前に突然ケガが発覚したり病気になったりしたことを思い出したり。まあ、深読みかもしれないが。
それにしても、彼らがいないときに、このチームが蘇ってしまったのは、なんだかとっても皮肉に思える。
キーラン・ティアニーのコメント「これはスタートに過ぎない」
スーパーウルトラアルティメット大活躍。未来のキャプテン、KTの試合後コメント。オフィシャルサイトより。
(この勝利の重要性……)
KT:これはスタート。そうでしょ? 今日はこれが必要だったし、ファンにポジティヴになれるものを与える必要があった。今シーズンは悪い結果もある。だからこれはスタートだ。
(今日のパフォーマンスで違いになったことは?……)
今日はスタートがよかったと思う。1-0になるまでプレイを待つようなことはしなかった。1-0になればいつだってキツくなるしね。でも、今日は優勢に始めることができた。これは、この数週間やってきたトレイニングでのメッセージなんだ。それをやった。
(あれはペナルティだったので?……)
ぼくが倒れたときに接触は感じたよ。でも観たわけじゃないけど。
(スタートした若い選手たちの数……)
ここにいる若い選手たちの全員がプレイすることに飢えている。そしてここはビッグクラブだ。今日はプレイするプラットフォームを得て、スタートし、とてもよかった。
(ハーフタイムでのミケルのメッセージは?……)
続けろ!(Keep going!)この数週間ではいろんなHTでの状況があった。だから少しばかりポジティヴにやれたんだ。彼はぼくらにただ続けろと云って、それはつまりハードワークということだった。だから何よりもまずぼくらはそれを続ける必要があるんだ。
(試合の終わりはナーヴァスに……)
イェア。レノが救ってくれた。アレが入っていれば、別の5分になっていた。だからレノのフェアプレイさ。彼はチームのすごいキーパーで、今日は彼が救ってくれた。
(この勝利がチームにもたらすもの……)
云ったように、これは築くためのスタートになる。この最初の勝利を得ること、3ポインツを得ることを狙ってきた。しかしこれはただの始まりに過ぎない。
チェルシーはいいチームだし、テーブルではぼくらよりだいぶ上だ。タフになるだろうことはわかっていたので、今日の3ポインツはだからこそ重要なんだ。
試合があと残り10分になろうかというくらいの時間で、試合が途切れたとき、ピッチに座り込んだKTがカメラに抜かれたのをおぼえているだろうか?
あんなふうに試合中に座り込んでしまう選手はあまりいないが、彼があの試合でどれほど走ったか、どれほどハードワークしたか、そのことを何よりも物語るシーンだったと思う。
フランク・ランパードのコメント「たくさんの間違いをした」
勝ったので。『BBC Sports』より。
ランパード:こちらもセカンドハーフに切迫したところを見せたが、とき既に遅し。ファーストハーフで相手に与えすぎて、われわれは非常にプアだったよ。PLでエナジーを欠くことも渇望を欠くことも禁じ手だが、それをやってしまった。
やりたいだけ準備もすることはできる。だが、あんなふうになってしまえば、それはもう別のことだ。そう思っている。
基準を下回るパフォームをやれば、サカのゴールのようなものも生まれる。それが人生だ。別の日だったらペナルティを決められただろうし、カムバックもした。だが今日はそうじゃなかった。
2-3年前に勝っていなかったチームが勝ちに勝ちを重ねている。われわれはまだそこにない。それは明快だ。われわれが無敗を続けていたときもそう感じたし、いまもそう。われわれは今日たくさんの間違いをやってしまった。
ぼくはこのチームはもっと強いものだと思いこんでいたのだが、そうでもなかった。
まるで彼らは(最近の)アーセナルのようだった。
この結果には動じちゃいましたね。
おれたちのガビは、まごうことなきネクストメッシ。早く10番あげたい。
最初から雰囲気が違ってましたよね。なんなんでしょう。
あのマウントのフリーキックが入ってたらまた違う展開だったかもしれませんが、それでも勝ってたと思えるパフォーマンスでした。
このフォームならツヅケラレルはず。
COYG
まさにKTは未来のキャプテンですね。いい奴過ぎて心配になるほどです。こりゃお母さんも自慢の息子でしょう。インタビューの内容がいつもまっすぐで、おじさんは涙腺弛みっぱなしです。
あと、シュート入らなかった後のロブホのいつものニヤケ顔もなんか好き。いつかゴールをぶちこんで、マイクが拾うほどの雄叫びを上げて欲しいもんです。
ジャカのFKとサカの一撃には変な声が出た。え?入った?的な。
ルイスとウィリアンがいなかったからのメンバーだったのかもしれませんが、結果的に最高でした。これがアルテタのチョイスに大きな影響を与える事を祈ります。
次の試合のスタメンを見るのが楽しみなような、怖いような…
マルティネリ、スミス・ロウがチームに良い影響を与えていたと思います。
中央で受けれるとやっぱり相手を崩しやすいですよね。
今回のを踏まえてトップ下の起用をどうするかがアルテタの課題になってくると思います。
あとは相手の前線のクオリティも影響していたと思います。こちらも危険なパスミスはいくつかあったので
ESRに関してはまったく同感。
ボールプレーの真価はこれからかも知れないけど、とにかくポケットで受けてたし、奪われても直後のチェイシングが素晴らしかった。
奪われた時に10番があれだけ敵の選択肢を極小化してくれるから、DMFがカウンターを気にせず前に出れるんだと思う。
しかし、たまげた。
走れて戦える10番。この発見は大きい。
前回のエントリに書かれていたように、ホントに世論も影響を与えるのなら声高に言いたいです。
KTをキャプテンに、スミスロウにNEXT No.10を。
ガビ推しの私はガビが11とかになったらユニ買いますわ。(確認できる範囲では14希望者が多いですが)
筆がなめらか!でもそりゃそうなりますよね。ちょっと信じられないものを見た感じです。
ティアニーサカマルティネリ。他のチームと闘える素晴らしい若手がようやく出てきた。ESRも期待充分。個人的に当落線上はロブホウィロックエンケティアですが、マルディーニならロブホは問題ないでしょう笑
難しいのは、これ1月にNO.10ロールの選手とるかですね。あるいは夏にアワールにトライアゲイン?
433やるつもりなら、もう1人NO.8ロール(ラムジーロール?)が必要でしょうか。パーティまだほとんど見れてないので、入った時が楽しみで仕方ないです。
攻撃の停滞の原因とも言われてたウィリアン、ぺぺを修正して結果出ましたから
ガビーとスミスロウにはもっとチャンス与えて欲しい
相手のFKが決まっていたら・・・こちらのPKがVARで取り消されていたら・・・たらればは色々ありましたが、素直に嬉しい!の一言ですね。わたしは相手よりも、選手のコンディションも良かったのかな、と思いました。ティアニーやベレリン、サカやジャカはしっかり休養があった、体のキレがあったというか。やっぱり今のPLだと3日の休養ではコンディション整えずらいのでは?もう、ガビとESRのプレスだけでも、見ていて感動します。ファンが一番見たい、気持ちの入ったプレーですよね。COYG
相手の前線が孤立気味になった上にいざ前線にボールが入っても一本調子で無理やり突っ込む感じだった印象ありますね。そういう状況を作ったのはアーセナルのプレスや攻撃でリズムを作れたこと、マルティネッリの守備(なんならESRを追い抜いてPAまで戻ったのもある)や要所でのESRのボール奪取にもあるように感じます。チェンさんも言ってますがCBのラインの高さも。
心配なのはESRが抜けた後のパフォーマンスですね。ウィロックになってから色々上手くいかなかった。なのでペペの評価もすごく難しい。
上に書いたような相手に上手くいかせない要因を作っていた部分がなくなってしまって立場が逆転したようなそんな印象を受けます。
まぁでもこの勝利は普通に嬉しいですね。
ジャカは相手ペナ付近まで上がったりミドル狙ったり良い意識見られましたね。全体としては心配な場面もあったのでなんともですが。
ティアニーも以前まではサイドまで持ち上がったら必ず同じようなタイミングでクロスを上げるしかなかったのが少し変わりつつあるのはいいですね。
ラカが受けに下りてきた時に周りが裏狙うのが決まりごとのようにも感じるくらい。
個人の意識で変わっていっている部分なのかアルテタの要求なのかは分からないですけど、そしてどっちがいいのかというのも難しいかもしれないですけど次の試合でこの辺りも注目したいですね。