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もっとも商売上手なフットボールクラブはどこだ(過去5年)

今回は、以前から興味があった「ヨーロッパのフットボールクラブの移籍収支バランス」について。

移籍市場をいつも観ていて、アーセナルはあまりに商売が下手なように思えるのだが、ほかのクラブは移籍ビジネスをどれほどうまくやっているのか知りたい。

選手を安く買って、高く売れば、収支がプラスになり、それをまた選手補強(投資)に回せるという好循環が生まれるのは自明で、どんなクラブもそういったサイクルを歓迎しているだろうと思う。

いっぽうでアーセナルは毎度、選手を高く買って、安く売らされているような印象がある。気のせいなのか。そうとも思えない。

世の中のほかのフットボールクラブはどれだけ移籍ビジネスをうまくやっているのか、ざっくり調べてみたので共有したい。



移籍収支バランスのしらべかた

ここで「移籍収支バランス」といっているのは、夏と冬の移籍市場で選手を買った金/売った金の差額。

たとえばアーセナルは、グラニト・ジャカを2016年に£40.5mで買って、この夏に£17.5mで売るので(しらんけど)差額は「-£23m」になる。もちろん5年という在籍期間の減価償却という考え方もあるけど、ここではカウントしない。

ヨーローパのフットボールクラブでもっとも商売上手なクラブはどこか? ぼくはそれが知りたくて“european football clubs most profitable transfets”とかなんとか、いろいろなワードでググってみたけど、それをばっちり説明しているところは見つけられず。

そうこうしているうちに、おなじみのTransfermarktでふつうに検索できることを知った。早く教えてほしかった。。いや、そういえば前からあったような気も。

TRANSFER INCOME AND EXPENDITURE

ここで検索してみた結果を紹介しよう。

「商売上手クラブ」ランキング(15/16~20/21)

期間は15/16シーズンから20/21シーズンまでの5年間。10年間より直近の傾向がつかみやすいと思ったので。

PLだけとかリーグアンだけとかトップディヴィジョンに限定して検索はできなかったので、下位ディヴィジョンやユース含む国全体になってしまっているのがちょっと惜しい。

以下、イングランド、フランス、ジャーマニー、イタリー、スペインとそれぞれを調べてみた(「ヨーロッパ5メジャーリーグス」みたいにも絞れなかった)。トップ25になっているのはTMのUIがそうなっていたからというだけである。

表のいちばん右の「Balance」で降順にソートしてある。金額の単位はすべて€に統一。

ではHere we go.

イングランドの商売上手クラブス

21-22シーズンからPLに昇格するブレントフォードが、2位の2倍程度の収支とわりとダントツでトップ(+€117.58m)。

彼らの移籍履歴を見ると、毎年コンスタントに選手売却で利益を出していることがわかる。20-21シーズンに、ワトキンスとベンラーマをふたり合わせて57mで売ったのも大きい。

ランキングにはチェルシー、マンシティ、リヴァプールなどU-23が上位に含まれている。アーセナルのU-23も20位に入っている。

トップ25にはビッグ6どころか、PLの常連クラブはひとつも入っていない。PLは、稼いだ以上に選手に投資しないと戦えないリーグということか。移籍収支で利益を出してる場合じゃない。

👑イングランドのナンバー1商売上手クラブは、ブレントフォードFC

 

フランスの商売上手クラブス

リールがトップ(+174.85m)で。OL、ボルドーとつづく。

上位にリーグアンクラブが多数入っている。

リールはもちろん近年にアーセナルにぺぺやガブリエルといった選手を売却。ぺぺでは62m(18mで買って80mで売却)ガブリエルでは23m(3mで買って26mで売却)という巨額の利益を得ている。ナポリに70mで売ったオシメンでも大きな利益(47.6m)。

リヨンもけっこうすごい。そしてアーセナルはここでもラカゼットのお買い上げで貢献している。

アーセナルはフレンチクラブにせっせと貢いでいる。

👑フランスのナンバー1商売上手クラブは、LOSCリール

 

ジャーマニーの商売上手クラブス

1位はボルシア・ドルトムント。優秀だろうとは思っていたがトップとは思っていなかった。

現在のヨーロッパのトップ5リーグスで、移籍ビジネスで大きな利益を出しつつ、スポーツ面での競争力もあるという希少なクラブのひとつ。それがドルトムント(現在のUEFA Club coefficientsで14位)。

いまもサンチョやハーランドのような宝を抱えていて、彼らの売却でこれから巨額の利益を得るのは必至という。なんという優等生。フットボールクラブの鑑。ファンがうらやましい。

ドルトムントはなによりインカムが圧倒的(+667.95m)。使っている金も多いが、それ以上に稼いでいる。

👑ジャーマニーのナンバー1商売上手クラブは、ボルシア・ドルトムント

 

イタリーの商売上手クラブス

トップはジェノア(+€106.47m)。

イタリアも、上位にトップディヴィジョンクラブが多数。

8位のASローマも、BVBほどではないにせよ、ビジネスとスポーツを両立させているクラブと評価できそうだ(現在のUEFA Club coefficientsで13位)。

👑イタリーのナンバー1商売上手クラブは、ジェノアCFC

 

スペインの商売上手クラブス

最後にスペイン。トップはマラガ(+€81.26m)。トップはほかのリーグよりも若干収支が悪い。

スペインも上位にラ・リーガでプレイするクラブが多く含まれている。

8位のレアル・ソシエダも、20-21リーガでも5位フィニッシュしているのだから、かなり優秀である。

👑スペインのナンバー1商売上手クラブは、マラガCF

 

まとめ:ヨーロッパの5メジャーリーグスの商売上手クラブス トップ20(15/16~20/21)

TMでは直接検索できないので、リーグのデータをそれぞれExcelにコピペ&マージ&ソートしてみた。

ClubBalance (€)
1LOSC Lille174.85m
2Olympique Lyon134.72m
3Borussia Dortmund130.02m
4TSG 1899 Hoffenheim127.78m
5Brentford FC117.58m
6Genoa CFC106.47m
7Udinese Calcio93.1m
8Palermo FC85.54m
9UC Sampdoria82.98m
10Málaga CF81.26m
11FC Girondins Bordeaux79.57m
12Atalanta BC79.54m
13AS Saint-Étienne69.4m
141.FSV Mainz 0561.25m
15SCO Angers58.55m
16Norwich City58.31m
17Athletic Bilbao58.1m
18Empoli FC56.14m
19Hull City55.35m
20Montpellier HSC51.33m

トップはアーセナルのお得意さまのリールになった。

世界の商売上手クラブス(15/16~20/21)

ではヨーロッパだけじゃなく、地域を限定せずグローバルで見るとどうか。これはTMで簡単に検索できる。

ヨーロッパのトップ5リーグスのクラブはいっきに減る。ポルトガルやオランダといったその他ヨーロッパ地域だけでなく、南米クラブやチャイナクラブも。

トップ3は、ベンフィカアヤックスザルツブルク。←TMのAll transfersにリンク貼っておいた。

このなかではとくにベンフィカ(+€467.06m)はすごい。利益は2位のアヤックスの倍くらいある。

こうしてみると、トップ10にポルトガルのクラブが4つも入っている。

あれだけタレンツを輩出したASモナコはもっと上位かと思ったが8位。インカムはグローバルでユヴェントスにつぐ2位ながら(+€825.48m)、選手の獲得にそれなりに資金を使っているため。

 

いかがでしたか。クラブの移籍活動をくわしく観ていくともっといろいろなことが書けそうなので、また機会があれば突っ込んでみよう。

おまけ:世界の「商売下手クラブス」トップ25(15/16~20/21)

商売ベタは語弊がある。

移籍収支のマイナスはビジネスの観点から見れば「商売ベタ」だが、それでスポーツで成功していれば「選手補強にどれだけリスクをかけているか」ということ。成功するならそれも正解。

したがって、ここで上位にいるクラブはスポーツ面で大きな成功を収めていなければいけない。

Balanceで昇順ソート。

グローバルで検索しても上位はほぼヨーロッパのトップクラブに限定される(トップ25のなかにはチャイナクラブっぽい名前もいくつかある)。

アーセナルはなんと5位\(^o^)/ この5年間の移籍の収支はマイナス€366.89m。これはリスクを賭けた結果なのか、あるいは単なる商売ベタなのか。。

周囲のほかのクラブを観ても、収入を大きく超えた散財をして、うまくいっているところとそうでないところがあるが、アーセナルはあきらかにうまくいっていないほうだろう。あのチェルシーよりもよほど金をつかっているという事実がショッキング。

 

おわり



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6 Comments on “もっとも商売上手なフットボールクラブはどこだ(過去5年)

  1. 最後の表のarrivalsとdeparturesは選手の出入りの数だと思いますが、
    イタリアクラブの数字を見ると信じがたいですね。
    アーセナルの3倍以上のペースで選手が入れ替わるというのはちょっと想像できません。

    1. ほんとだ。ぜんぜん気づかなかった。。

      インテルを確認してみたら、Loanのやりとりが半端なく多い。半分以上がLoanとEnd of loan。
      https://www.transfermarkt.com/inter-mailand/alletransfers/verein/46

      ロカテッリでいま話題のサッスオーロも似たような感じ。
      https://www.transfermarkt.com/us-sassuolo/alletransfers/verein/6574

      どういうことでしょう。イタリアのレギュレイションはほかのリーグと違うとか?

  2. フランスリーグのランキングにモナコいないのに、全体のランキングだと出てくるの、なんでですかね、、?
    自分何か勘違いしてますかね?

    1. モナコはフランスのクラブではない(モナコ王国のクラブ)からですね!
      国をモナコで調べると出てくるので!!

  3. イタリアは今ラツィオ会長が物議かもしてる、古くはウディネーゼが常套手段でやってたオーナーが別に保有してるクラブとか関係あるクラブに大量レンタルをやる印象ですねー
    選手の保有権分けたり(今はできるんだっけ??)ヨーロッパのなかでは独自な印象です

    こう改めてみるとアーセナルはどうしたいのかホント謎。
    ミスリンタット招聘のときはベンゲル路線継続というかドルトムントを目指す(青田買いしつつ育成しつつ商売しつつリーグ戦で競争力をキープ。)
    な感じだったのに、今や補強補強の一手。
    でもオーナーがどこまで乗り気なのかわからんという。。
    赤字覚悟で選手をピーク時に獲得して競技面での成功を企んだのならいいんだけど。。結果として。。

    チェルシーみたいに最強下部組織もってて大量に人材いて、かつ補強に積極的
    シティみたいにトップレベルをピンポイント補強
    リバプールみたいにクロップに合いそうな選手をデータ重視(アメリカ流?)で獲得

    どれがアーセナルの進む道になるのだろうか。。
    とりあえずウィロック、ナイルズ、エンケティア、リースネルソンも? 売却がありそうなんで下部組織からの売上は今移籍市場凄そうですね。

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