今週ミドウィークは、アーセナルにとって今シーズン最大のビッグマッチのひとつ、PLマンシティがある。
シーズン前半の対戦が延期されたことで、彼らとはシーズン後半にホーム・アウェイの2試合を残しており、今回はそのファーストレグ。エミレーツでの試合となる。
現時点で、21試合消化して51ポインツのアーセナルがリーグトップ、22試合消化で48ポインツのシティが2位と、両者のあいだには3ポインツ差しかなく、今回の結果によっては(GDで)トップが入れ替わるという6ポインター。しびれるような対戦になっている。
いつもなら試合プレヴューエントリで書く内容だが(※明日書くつもり)、今回はさすがにビッグマッチなので、より突っ込んだところを書いておきたい。
というか、おなじみの『The Athletic』にジェイムズ・マクニコラスがリヴァプール担当のライターに、シティとのタイトル争いの心がまえを訊くという企画記事があって、それを読んでいたらつい書きたくなったのである。
22-23シーズンここまでのマンシティはやや不調?
現時点で、リーグ2位でトップを脅かす位置にいながら不調とはこれいかに。
だが、それはほんとうだ。まあ、近年の彼らがそれだけ規格外だったということでもある。トップでないというだけで、いつもと違うという。
まず、敗けがすでに4つもある。
これは現在リーグで3位の数字で、8位のブレントフォードと同じ。トップがニューカッスルの1、2位がアーセナルの2である。
彼らは今シーズン「6.9」敗するペイスで、グアルディオラの7シーズンのなかでこれより悪いのは、2位に終わった19/20(9)のみ。
また、PPG(試合ごとポインツ)は以下となっている。気まぐれでグラフもつくってみた。
右端が今シーズンの数字で、22試合消化した時点でのPPGが「2.18」。最悪ではないものの、この7シーズンで優勝した(4)どのシーズンよりも低い。
リーグにおけるゴール数は、ここまで「56」は2位のアーセナルに10の差をつけてダントツのトップ。だが、失点は「22」で3位タイ。
彼ら自身の過去シーズンとの比較では、ここまでの試合平均ゴール「2.55」は悪くはない。だが平均失点「1.00」は初年度の16/17(1.03)に次いでワースト。
今シーズンの攻撃は、その前の6シーズン平均ゴール「2.48/game」よりもいいくらいだが、守備のほうは、6シーズンの平均失点「0.80/game」よりだいぶ悪い。平均失点1.00というのは、つまり毎試合で1失点しているのと同じである。
上のグラフはGD。現時点の「+34」は7シーズンでワースト。
つまり、今シーズンのシティは守備面が悪化していると云える。
ちなみに、Understat.comによれば、現時点のデータで、彼らのxGA(被xG)は「19.65」でリーグベスト。それなのに失点数が3位ということは、つくられたチャンスに対して、実際の失点がそれよりも多いということ。
PLでシティがポインツを落とした試合
ところで、今シーズン、彼らがポインツを落とした7試合の相手を観ると興味深い発見がある。さっき、気づいた。
ここまでで、彼らがポインツを落とした試合は以下。
- ニューカッスル(A)D: 3-3
- アストン・ヴィラ(A)D: 1-1
- リヴァプール(A)L: 3-1
- ブレントフォード(H)L: 1-2
- エヴァトン(H)D: 1-1
- マンU(A)L: 2-1
- ToT(A)L: 1-0
お気づきだろうか。
なんと、アーセナルがポインツを落としたここまでの5試合の相手とだいぶかぶるのだ。
ニューカッスル、エヴァトンとのドロウ。ブレントフォード、マンUでの敗け。ホーム・アウェイやスコアラインは異なるにせよ、同じ相手と同じ結果が4つもある。
アーセナルが先日ブレントフォードに敗けたあと、シティだってエヴァトンやシティにポインツを落としているという指摘はあったが、ここまで似たような相手にやられているとは思わなんだ。
さすが師弟関係のコーチが率いる兄弟チームで、似たような戦術に苦労するということなのか。
相手が強いチームだけなら、そこまで不思議でもないのだろうが、エヴァトンのようなチームに両者がやられているのが興味深い。われらはアウェイで、彼らはホームで、それぞれやられている。まあ、エヴァトンはコーチも違うし、偶然かも?
シティとアーセナルのこれまで。アーセナルはシティに近づいているか?
16/17シーズン以降のアーセナルとマンシティの対戦成績が以下である。11v11.comより。
直近7シーズンで、アーセナルのP17 W2 D1 L14。ほぼ敗け。これは、いとひどし。
アーセナルがPLで最後に彼らに勝ったのは、2015年12月エミレーツ。あのいまだに語り草のカソルラの試合か。アウェイで最後に勝ったのは、2015年1月。いずれにせよ、プリペップの時代まで遡らねばならないという。
ちなみに、彼らがオイルマニーで潤いビッグクラブのように振る舞うようになってからも、プリペップ時代の対戦成績はそこまで悪くはないし、なんならもっと前の90-00年代前半のアーセナルとシティの関係性は、この期間とほとんど逆だった。1992年から2006年までアーセナルはシティに19試合敗けなし。16勝している。
というような、両者における近年の歴史があり。
そして、ここ数年はどうかというと、結果こそまだ出ていないものの、とくにここ数試合ではアーセナルのパフォーマンスにはわりとポジティヴな印象があるんじゃないか。去年から今年。
今シーズンはすでに先月、FAカップで対戦しているが、アーセナルは思いのほかロテイションしたにも関わらず、後半に失点するまではかなり競争力あるパフォーマンスを繰り広げていた。アウェイだったにもかかわらず。この試合はまだ記憶に新しいものだ。
また去年の元日も、PLホームで1-2と敗けてしまったが(失点はペナルティと93分のアディショナルタイムでウィナー)、あの試合もわれらのパフォーマンスからすれば違う結果になっていた可能性が十分にあった。その試合はグアルディオラでさえ試合後に「アーセナルのほうがよかった」と認めていたほど。
【マッチレビュー】21/22EPL アーセナル vs マンチェスター・シティ(1/Jan/2022)たしかな進歩を見た | ARSENAL CHANGE EVERYTHING
それ以前のことは思い出すのはやめておこうか。つらくなるから…… なかには1-0みたいな僅差の結果もあるっちゃあるが、まあだいたいは敗けるべくして敗けている。両者のクオリティ差ははっきりあった。
それがとくに今年は、シティが多少フォームを落とし、アーセナルは何年ぶりかわからないほどファインフォーム。アルテタが来てからはもちろん最高フォームで、クラブの新しい記録をつくりつづけているような勢いもある。
グアルディオラの時代以降では、両チームのクオリティは、いまがもっとも近づいていると云えるだろう。
強いチームとの対戦は、いつも「ビッグテスト」のように云っている。そして今回はほんとうにビッグテストという気がする。このだんだんとトップチームに近づいている感覚があるこの流れのなかで、ついにアーセナルが、ミケルが、彼らをキャッチアップできるかどうか。PLの頂点に立つ資格があるのかどうかが試される。
正直ここまでは出来すぎなくらいですが、シティやリバプールなどのライバルが異次元の強さでない今シーズンは願ってもない大チャンス。
来シーズン以降に同じチャンスが訪れるとは限らないので、なんとかがんばってほしい。
ユナイテッド戦を超えるいいゲームを期待したい。
ただ、今シーズンがどんな結果になっても誇らしいシーズンであることは間違いない。
序盤の天王山。出し切ってほしい(週末にはまた試合あるけど)。COYG!
シティのGDグラフ、過去シーズンは全試合消化時のスコアなのに対して、 22-23は22試合までです
現状のGD期待値でシーズンを終えると、スコアは59
優勝した20-21シーズンより高い値です
先日のアストンヴィラ戦はベルナルドの左サイドバック、久しぶりのディアス、ラポルトがかなり良くて、調子を上げてきてはいました。カンセロがいなくなって戦術が大分整理された感はあります。
天王山ですね。最強ヤマオーはオレが倒す!!、なヌーノ花道はいませんが、倒してくれると信じています。COYG❤️????