試合の論点

サウンサンプトンマンチェスター・シティ vs アーセナルのトーキングポインツ。

アーセナルはこの試合に勝てるチャンスはあったのか？

試合の内容については、もういいよね（どうでも）。正直、思い出したくもないし。アーセナルはこの4試合で11失点。あっはっは（泡を吹いて後ろ向きに倒れる）。

それはいいとして、IFの話として考えたいのは、アーセナルが今回のような状態でなければ、この試合がどうなっていたかということ。チーム的にもメンタリティ的にも、いちおうベストな状態ではなかったから。

この試合前の3試合連続ドロウや、今回の結果も含めて、ウィリアム・サリバの不在を嘆く声が非常に多い。たしかに、その影響が大きいのは間違いないだろう。

だが、アーセナルは今回のスターティング11は、サリバ以外はベストな11人だった。サリバの存在は1/11以上のものという言説にも賛成するが、アーセナル的にはまあ概ねベストに近いチームだった。ジェズースだってジンチェンコだっていた。週1の試合で、チームのフィジカルコンディションも心配はなかったはず（病気あけのジャカはわからんけど）。

仮にサリバがフィットしていたら、アーセナルはあのシティに対してもっといいプレイができたのだろうか？

それと、サブのトミヤスやエルネニーもフィットしていて、バックアップも含めてチームが全員揃っていたとしたらどうだったか。

メンタリティもベストじゃなかっただろう。3連続ドロウのようなバッドフォームがあった。そのような気持ちの落ち込みがなく、連勝の勢いをキープしたままこの日を迎えていたらどうだったんだろう。

やはり、今回は悪い流れを引きずっていたと思う。この試合のアーセナルのメンタリティは正直、落ちているという印象はあった。最初からアウェイの雰囲気に飲み込まれている感じは観られたし、単純に緊張していて、ハイプレスをぎりぎりのパスでかいくぐるような自信レヴェルが足りないみたいな、すくなくともベストなメンタルコンディションには観えなかった。

アーセナルがベストなチームとベストなメンタリティが揃った状態だったら、どうだったか。

おそらく、それでも難しかったのだろう。

もちろん、もうすこしマシな試合になった可能性はあるだろうが、それでも勝てる確信は持てない。それほどの相手だった。KDBとハーランドとかほとんどチートであり、そのほかの選手も全員がトップオブトップレヴェル。あの敵対的な雰囲気のなかで、彼らを上回るのはただごとではない。

だから、多くのチームがあそこでは最初からシットバックして、ワンチャンスに賭けるみたいな戦いかたを選ぶ。試合前にもすこし書いたように今シーズンのエティハドでポイントを奪ったチームの多くが守備的なバック5でプレイしているという。

しかし、アーセナルは予想どおりそういうことはしなかった。これまでやってきたハイプレス＆ハイラインのような自分たちのやりかたを愚直に継続した。それがわかっていたから、誰もが3失点の予想をした。

アルテタも「おそらくベスト」と評価するようなあのシティのクオリティを観れば、いまのアーセナルのチームが彼らとアウェイで対等に戦うには、チームもメンタリティも100％かそれ以上で、それにくわえて、ラッキーもいくつか起きるみたいなことがなければ厳しかった。

いまのアーセナルにとり、この結果はやはり不可避だったというのが、試合後の正直な感想である。

これからのアーセナルへの希望

この結果で、タイトルはシティ次第になったため、アーセナルの19年ぶりのPLタイトルの望みはほとんど絶たれただろう。そこは認めねばならない。

この試合については、選手たちも自分たち自身のパフォーマンスにショックを受けたかもしれないし（ジェズースの残念そうなまゆげの角度が印象的だった）、タイトル争いの緊張の糸が切れてしまって、今後の試合も悪い結果がつづくなどということだって想像できる。

ただ、今シーズンがこのあとどうなろうとも、アーセナルはこれからについて悲観する必要はまったくない。

リーグでもっとも若いチーム、マネジャーで、それでもここまでやり、誰もを驚かせた。今シーズンの本来の目標だったCLだって決めた。CLマネーでライスもカイセドも来るし（来るし）、今後に向けて伸びしろしかない。そこは、いまが絶頂のシティみたいなチームとはまったく違うところだ。

ファンとしてチームが目標達成した日に、こんなに悔しい思いをしているのも、そもそも自分たちがいまいる場所にいるからだし、それもチームがここまでがんばってくれたからである。感謝しないと。

それに、今シーズンを2位でフィニッシュしたら、それも云うほど悪くない。シーズン前にそんな評価だったら、アーセナルのファンだってかなり高評価されていると喜んだだろう。

何度も云うように、アーセナルのプロジェクトはおそらく計画よりもだいぶ先行している。それがネガティヴなわけがない。

来年はぜったいにもっと強くなっている。もっと安定して、もっと一貫性を保てるようになる。シティがいまの強さをキープしたとしても、アーセナルは彼らに対し、いまよりももっといいプレイができるはず。そこは信じられる。それがプライスレス。

これ、マンガだったら、今回アーセナルが奇跡的にシティに勝ってPLタイトルを取ったらストーリーが終わっちゃうしな！ 続編のCL編とか超つまらないの（笑い）。

いつまでも終わらないアーセナルを楽しみつづけられるよろこびに乾杯だ！

 

試合については以上。

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