5月になってしまった。5月といえば、フットボールシーズンが終わる月。もうさびしくなってきた。
さて、前回はマンシティとの直接対戦に敗れ、今シーズンのタイトルが絶望的になったアーセナル。※シティは昨日フラムに勝ったので、ついにテーブルでもアーセナルと順位が入れ替わった
このシーズン全体としてはほとんど土壇場での逆転劇に、ライヴァルチームのサポーターたちが待ってましたとばかりにアーセナルを“bottled”(「しくじった」みたいなUKのスラング。GOALの親切な解説)と揶揄したものだが、実際はアーセナルより下位でフィニッシュするほとんどのチームのファンはアーセナルを笑えないのだよね。そんなしくじりをやったアーセナルにポインツでも遠く及ばないのだから、いくらわれらを罵ったとて結局は自分たちのチームの不甲斐なさを思い知ることになる。
トトナムなあ。m9(^Д^)プギャー
そんなわけで、むしろアーセナルのファンのほうがさっさと気持ちを切り替えている感すらあるそんななか、今回のチェルシーである。
チェルシーといえば、新オーナーの下、巨額で選手を買い漁りながら数十年ぶりのバッドフォームの真っ最中という支離滅裂っぷり。
昨日はユルゲン・クロップの「トッププレイヤーを買い漁れば勝てるわけじゃない(彼らがうまくいっていないのはうれしい)」という発言が話題になっていた。なんでも金で買えるわけじゃない。非常に教訓めいているというか、ますます寓話じみてきた。そんなチェルシー。
しかしアーセナルは、こういう調子の悪い相手にこそやられがちな印象がある。しばらく勝てていなかった劣悪なフォームのミッドテーブルチームが、なぜかアーセナルにだけ勝ってしまう的な。
PLで4試合連続で勝てていないアーセナルにとって、これはかならず勝たねばならない試合で、失意のどん底からバウンスバックせねばならない試合。油断はできない。
どんな試合になるのか。試合をプレヴューしてゆこう。
アルテタの試合前コメント「まだ終わっていない」
先ほど行われたアルテタの試合前プレス会見。『football.london』より。
(チームはマンシティと同じ?……)
アルテタ:それはトレイニングセッションのあとに教えられる。これからまだセッションがあるんだ。
(ウィリアム・サリーバの様子は?……)
ほとんど同じ。彼は明日もチームには加わらないだろう。つぎの試合までにどうなるか観ないと。彼は今週まったくよくなっていない。
(週末は試合がなく、マンシティでのパフォーマンスを振り返るいい機会だったのでは?……)
そう思う。もちろん、エティハドで起きたことを確認するのに少し時間がかかったが、われわれはそれを受け入れたくはない。だが、認識せねばならないのは、あの日彼らは別のレヴェルの試合をして、われわれはそのレヴェルになかったこと。彼らのほうがわれわれよりもよかったし、彼らのほうが試合に勝つにふさわしかった。
(今後はどう観る? 残り試合すべてに勝って、何が起きるか?……)
明日勝つこと。それがわれわれがやらねばならないこと。失望がありスピリットがある。ふたつのこと。
まず、CLにチームを戻すためにクラブにいるたくさんのみんながやってきたことを認識すること。なぜなら、それはすでに達成するのが困難なことだったから。シーズンの始まりには、われわれにそれができる能力があると楽観的だったひとは多くなかった。だから、それを達成するためにみんなが行ったすべての取り組みについて認識しよう。
二番めのことは、わたしがいちばん好きなことだ。残り6試合でそれを達成したこと、クラブで10年以上それが起きたことはないと思う。しかし、われわれは満足しているわけじゃない。いまだに困惑していて、もっとほしいと思っている。
だから、われわれは、自分たちがなりたいクラブになりたいのだ。ベストに一貫性を持ちたい。必要としているメンタリティがあり、それこそがわたしがこの最後の日々にもっとも愛するものだ。
(選手のことが誇らしい……)
イェア。なぜなら、われわれが達成したものは、達成するのが難しかったものだから。それにわれわれにはまだPLだって達成する可能性がある。まだ5試合あるし、これからたくさんのことが起きる。われわれに必要なことは、先週に起きたことを忘れることであり、そこから学び、つぎの試合にフルチームで向かうこと。ホームで、みんながいて、ロンドンダービーで、正しいことを行う。
(247日間トップでした。シーズン終了時にどこにいるかが重要……)
何日だって?
(247日間です……)
なら明日は248。それがわたしの望むものだ。明日勝って、トップに行く。
(この国で起きる批判について、彼らはマンシティがどれだけいいかを見過ごしている?……)
それがアンフェアだとは思わない。それがフットボール。われわれはアーセナルフットボールクラブであり、われわれはすべてのトロフィを勝つために、ここにいなければならない。それが要求。この15年の現実は、それは現実ではない、だが要求はそこになければならない。
わたしがもっとも好きなことは、自分自身にも繰り返すように、われわれがCLに参加していること、そして誰もがこの状況に満足していないこと。これこそが、われわれがクラブとして、チームとして前進するために必要なことだ。
(以前ポインツを落としたあとには、グレイトなランがあった。いまそれこそが必要なもの?……)
イエス。結局、勝つ方法を見つけることだ。しかし、われわれの勝ちかたはずっと安定していたし、シーズン全体ではいいプレイをしてきた。相手よりいいプレイをして、支配した。われわれは明日チェルシーとプレイするために、それをやらねばならない。
(アーセナルウィミンが今晩満席の観客の前でプレイする件。それはどれほど誇らしい?……)
それが団結をあらわしている。すべてがいっしょに進化しているし、この国における女子フットボールの重要性を示している。とくにイングランドの女子チームがやっていること、われわれがクラブとしてやっていることは、もしかしたら男子フットボールよりもいいかもしれない。
彼女たちが勝ったすべてのトロフィ、それが現実。だから、それをやった彼女たちが素晴らしく誇らしいし、彼女たちが得ているものは完全にふさわしい。今夜6万人の前でプレイすることは、素晴らしい。
(マンシティでの敗戦のあと選手たちをどうやって集中させる?……)
難しいが、スポーツでは現実を受け入れる必要がある。ひとつのチームが違うレヴェルの試合にすることができるとき、そこに踏み入れることができないなら、まだワークする余地があるということだ。混乱してはいけないし、とても謙虚になり、もっとよくなるために自分たちの強みと弱みがなにかを認識すること。
現実は、247日間彼らといっしょに戦ってきて、まだ5試合残っている。だから、この10ヶ月われわれはとてもいいことをたくさんやってきたのだと、わたしは思う。
(選手たちのムードを上げる必要があった?……)
ムードではなく、明日に向けては野心をもちつづけることだ。
(最近のベストではないチェルシーからなにを予想する?……)
彼らはトライするし、われわれを倒すためにエミレーツに来る。彼らにはグレイトなマネジャーがいて、際立つ選手たちがいて、彼らがなにをしてくるか予想するのは非常に難しい。なぜなら、彼らはいろいろな選手でさまざまなプレイができるから。われわれは試合に勝つために準備をするつもりだ。
(シティのあとプレッシャーに変化はある?……)
いまや、われわれ次第ではなくなった。そして、われわれ次第なのは、自分たちの試合に勝つことだけ。それこそわれわれがトライすることであり、その他のことはシティ次第だ。
(それはある意味、リーグはもう自分たち次第ではなく、2位で落ち着いてしまっている?……)
ノー。それはすでに述べた。
(あなたはシティがスリップすることを期待している。先週プレイしたときに彼らのアキレス腱はあった?……)
毎試合で勝つことがいかにタフか。それはわたしが先週観たものではなく、わたしが9ヶ月間観てきたものだ。もし彼らがすべてのPL試合で勝たなくてもだ。
(振り返ると、サリバを失ったことがどれほど痛かったか……)
わからない。彼は重要な選手だが、可能性がどの程度かというのはわからない。ガブリエル・ジェズースが4ヶ月いなかったときだって、エンケティアが3ヶ月、スミス・ロウが4ヶ月半、ティアニーが数週間、トミヤスが3ヶ月半、いまや半年かもしれないが、それもわからない。これがフットボール。
(チェルシーの最近のフォームをどう観る?……)
そのことについてはすでに話した。これはとても違う試合になる。これはロンドンダービーであり、彼らには証明するものがあり、われわれにもそれがある。このステディアムでプレイするのはすごいことになるだろうし、われわれはあらためてベストにならねばならない。
(もし水曜に戻れるとして、なにか違うことをやるとしたらなに?……)
勝つこと。
(シティの敗戦後の最初のトレイニングセッションでの選手たちの様子は?……)
彼らは多くを必要としていなかった。彼らもわかっていた。クラブにも、みんなにも失望があった。われわれのサポーター、スタッフ、選手たち。大きな夜だったし、自分たちが望むパフォーマンスをすることもなかった。われわれが試合に敗けるにふさわしかった。
だが、わたしはあれはいいリアリティチェックになったと思う。相手がステップアップしたレヴェルに、われわれはついていけなかったが、10ヶ月で踏み入れねばならないレヴェルのリアリティチェックになった。自分たちのやることを信じることだ。なぜなら、とてもよくやってきたのだから。
(リーグを勝てなくても誇らしい?……)
イエス。わたしが云い始めたことは、わたしはとてつもなく誇らしいし、まだ5-6試合を残しているのに、CLフットボールをこのクラブにもたらしたみんなの貢献に感謝していること。それはこのクラブで10年以上なかったこと。だから、おめでとうだしありがとうだ。それに貢献してくれたみんな、CLでは十分じゃない、もっとだといまでも困惑していることへ感謝する。このスクワッドは、自分たちが望む場所にいることを要求するから。
(チェルシーの投資、彼らの落ち込み、マネジメントを観て、いまの場所にとどまらねばならないと思った?……)
わたしは自分たちにできることを観ている。自分たちが前進するためにはなにがベストな戦略なのか。自分たちが到達したいレヴェルまで上がるため、夏のウィンドウではとても競争力を持てるようになるつもりだ。なぜなら、われわれは大きな成長の余地がある8-10のクラブになるつもりだから。
(247日間、落ち着きはアーセナルがうまくやっていたこと。それがこの数日でなくなってしまった。どうやってそれを取り戻す?……)
その落ち着きは、多くの時間で一瞬一瞬にかかわることだった。そして一瞬は変えられる。落ち着きを使おうが、失おうが、プレッシャーには対処できないし、われわれにはとても重要な瞬間があり、それで3ポインツを得て、またほかのときには、たとえばウェストハムで3-1で試合が終わったのに、そうしない。あるいは、アンフィールドで、あるいはホームで、失点をしてしまう。
しかしそれもまたフットボールだ。このスポーツはその一部。これが、結局は決め手になるキーモウメンツであり、勝とうが勝たなかろうが、先週のわれわれはそれを失った。
(それは個人のことか、それとも集団でのこと?……)
どちらもあると思う。
(チェルシーを分析すると、なにがうまくいっていないのか、どこが彼らのチームの弱点なのか?……)
それは彼らが分析することで、わたしではない。
(金を使うときにしばしば云われることは、選手を買えばすべてが解決されるかのよう。しかし彼らに起きたことからすると、もっと使う必要がある?……)
とても重要なことがある。まず第一に、正しいひとたちがいること。わたしが思うにわれわれには正しいひとたちがいる。そして正しい選手がいて、彼らは競えるし、チャレンジできるし、チームのなかでの役割を理解する。
クオリティが必要。ゴール脅威が必要。フィジカリティが必要。だが、既存の選手たちとのバランスを見つけるのは極めて難しい。リクルーティングでは、ベストな意向があっても、選手がここに来なければならないし、フィットしなければならないし、マネジャーやチームメイツ、スタッフ、この国とケミストリがなければならない。それはまったく簡単なことではない。そうした決断をするひとたちを信頼しなければならない。
(チェルシーと競っていないことは、より危険なのか、あるいは危険じゃないのか?……)
どうなるかはわからない。彼らはとても危険だ。なぜなら、彼らがフィールドに入れられる個人を観れば、大いに脅威になるし、そのことは気づいていなければならない。
(チェルシーが巨額を投じてフォームを欠いていることは、この国で成功するために金を使うプレッシャーを減らしている?……)
わからない。来シーズンに、彼らが100ポインツ取らないとは誰にも云えない。われわれもわからない、なぜなら彼らには特別なタレントがあるから。もし彼らがワークするなら、彼らはなんでもできるだろう。彼らには選手がいて、インフラがある。だから、わからない。わたしには、それが正しいのか、それが間違っているのか評価できない。そうした変更をしてから2ヶ月で評価するのは、フェアでもない。
(Giannis Antetokounmpoが、Milwaukee BucksがNBAのプレイオフから敗退したあとに成功と失敗について語っています。あなたは成功するためにアーセナルがやってきた、どこを観ている?……)
マネジャーとして、そうしたことばは使いたくない。わたしは、われわれがやろうとしてきたことをわかっている。なにが目標で、なにをやってきたか、そしてわれわれにはまだシーズン最良の部分である5試合が残っている。
だが、わたしがそれを観ているとき、それはまだ終わりではないのだ。わたしはいま、このポジションにまたいられるなら来シーズンに向けてたくさんの金を払おう。信じてほしい。だから、わたしはいまこの瞬間にあるものを最大化し、それに向かっていきたいのだ。
以上
サリバはシーズン終わったら結局手術して、開幕間に合わないとかいうお決まりのパターンあると思います。