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ワールドカップ2022フランス戦を前にブカヨ・サカが語る「エンバッペもぼくもひとりしかいない」

日本は敗けちまいましたな。

日本代表は、クロアチアのクオリティと遜色ないくらいすごくいいプレイをしていたから、あの敗けかたは残酷だった。ペナルティを外してしまった選手たちはそうとう落ち込んだだろうが、早く立ち直ってほしいと思う。どんな選手だってやらかすことはあるのだし。

さて、ペナルティ失敗からの立ち直りといえば、おれたちのブカヨ・サカ。

EURO2020ファイナルで(しかもウェンブリー)ペナルティをしくじるというトラウマ級のやらかしをしたあとのドラマは、みんな知っているとおり。その後の活躍を観ても、彼はあの苦い経験をフットボーラーとして成長の糧にすることができたのだと思う。

そして、今回のワールドカップでは、好調なイングランドの選手としてここまで3試合で3ゴールと一躍ワールドカップのスターボーイに。今週末に予定されているフランスとのクウォーターファイナルでも、注目選手のひとりになるはず。

そんなサカが、セネガル戦翌日の記者会見に参加していたので、今回はそれを紹介したい。

無編集の会見映像で、記者が自己紹介してから質問するので、誰がどんな質問をしたのかわかっておもしろい。



ブカヨ・サカのプレスコンファレンス

(あなたは初めてのワールドカップで3試合で3ゴール。ここまではどうですか?……)

サカ:すばらしい経験をしてる。ゴールもしてチームを助けられていることがとてもナイスなフィーリング。これからもチームを助けていきたい。

(イングランドは最多ゴールのチーム。まだ残っている国のなかで自分たちよりいい攻撃ユニットのあるチームは?……)

それはいい質問。間違いないのは、ぼくらのチームにあるクオリティ。すごい攻撃の選手のフロントラインがあって、そのなかに選ばれたらコーチの信頼も感じるしかなり自信になる。

(ワールドチャンピオンのフランス戦ではプレイのやりかたやフォーメイションを変える?……)

ぼくはマネジャーじゃなくて選手だからね。ギャレス(サウスゲイト)やコーチたちがベストなプランを立てていると信じなければならない。ぼくらもいままでのようなプレイが続けられるし、ゴールもできるとわかっている。だから、あまり変更はしないと思う。

(イングランドが今回かなりうまくいっている理由について……)

思うのは、まずこのチームには経験豊富な選手がたくさんいて、ビッグトーナメントも経験していること。クウォーターファイナルだろうがセミファイナルだろうが、これから来るビッグゲイムでも、何をすべきかわかっている選手がたくさんいる。

(エンバッペのような選手をどう止めるか。そしてフランスは彼だけでもない。具体的にイングランドが彼ら相手にどのようなことを起こせますか?……)

まず第一に、ぼくらのここまで4試合を観れば、3つのクリンシーツがあって、バックは初めからずっとソリッド。DFを信頼できるし、GKのピッカーズ(※ピックフォード)もすごくいい。それにぼくらは最多ゴールのチームでもある。

だから、ぼくらはただベストなゲイムプランを立てて、自信を持ってプレイすることだと思う。

(EUROファイナルであなた個人に起きたように、ノックアウトの試合ではペナルティの怖さがあります。今回ペナルティを蹴る機会があったら? あの事案以来、なにか心境が変わったことがあれば……)

あのときから、選手としても人間としてもかなり成熟したと思う。もしペナルティを蹴る自信がなければ、アーセナルでもステップアップはなかった。もしそのときが来たら、ぼくは間違いなく蹴る。喜んでやる。

(ラヒームが家族に起きた事件のため帰国しました。彼とは連絡を取りましたか?……)※ラヒーム・スターリングの自宅に強盗が入った件

昨日、彼には彼と家族の無事を祈るとメッセージを送った。

(ワールドカップのような大舞台ではスターが生まれます。ロシアではキリエンバッペ。あなたはすでにスターですが、今回のワールドカップのキリエンバッペになりますか?……)

(笑)まず褒めてくれてありがとう。でもそれはないかな(会場笑)。キリエンバッペはひとりしかいないし、ぼくもひとりしかいない。ぼくがなりたいのは自分自身であり、ぼくができるベストなやりかたでチームを助けたい。

このトーナメントにはたくさんの若い選手たちがいて、何人も名前を挙げることができる。ぼくらのチームにだって、ジュード・ベリンガムみたいなとんでもなくうまくやってる若い選手もいる。

ぼくは、ぼくらがみんなでここにいて、うまくやれていることがただうれしいんだ。優先はトーナメントに勝つこと。個人賞ではない。

(今回のワールドカップは会場が空調で冷えています。プレイしているときに気づきますか? それとプレイへの影響は?……)

ステディアムはかなり涼しいから、それには気づいた。暑すぎるということがない。

もちろん、暑いよりは涼しいほうがプレイはしやすいから、選手としてそこは助かってる。

(ベリンガムについてはどう思いますか?……)

彼は特別な選手で……どう云えばいいのかわからないけど、彼がこのまま成長をつづけていくことを願ってる。彼には間違いなく、大きな大きな将来があるから。

(QF進出おめでとう。興奮しているファンにはなにを伝えたい?……)

たくさんのファンが喜んでる映像を観て、チームのみんなも喜んでいた。もちろん彼らにはすごく感謝してる。最後までプッシュしてくれて、チームを信じてくれている。

(ワールドチャンピオンを恐れるより、恐れさせたい……)

もちろん、彼らのチームとしてのクオリティや、クオリティある選手がいることも知っているが、自分たちのクオリティもまたわかっている。だから、自信をもって試合にのぞむことだ。試合に勝つためにベストをつくす。

(あなたはあの事案のあとファンの愛情とサポートにかなり助けられたと述べています。そして個人としては今回3ゴール。完璧な挽回になっているし、ファンにも報いている……)

正直、個人として、あのときから立ち直ろうとしてきたと思う。もちろん忘れることなどできないこともわかっているけど、それもいずれ歴史になることだ。でも同時に、ここへ来て3つのゴールを決めたことが、かなり自信になっている。

これまで何度も云ってきたように、ぼくがずっと受けつづけているファンからの愛情にも助けられている。それがぼくに大きな自信を与えてくれる。

(マーカスも同じくペナルティを外していて、いまはすごくよくなっています。お互いに励まし合ってきた?……)

いや、ぼくらふたりというよりは、チーム全体でお互いを支え合っている。そんなところも、ぼくらがいかに親密であるか、一体感があるかの例になっていると思う。それがいい結果にもつながっている。

(イングランドとフランスは今回のトーナメントでもっとも印象的なチームですが、大きな大会ではあまり対戦はない。スポーツにおけるイングランドとフランスのライヴァル関係について……)

今回のワールドカップにおけるライヴァリーは、当然大きい。いまあなたが云ったようにこのふたつの国は、最初の4試合でかなりうまくやっている。

彼らの試合は観ているし、クオリティもある。ぼくらがやっていることと同じ。だから、これは間違いなくワクワクする試合になるはずだし、みんなが楽しみにしていると思う。

(ウィリアム・サリバとは連絡をとってますか? それとハリー・ケインのリーダーシップについても教えてください。ピッチ上はもちろんですが、ドレッシングルームで試合前スピーチなどもしますか?……)

ウィリアム・サリーバからはテキストはもらってないな(笑)。なかったはず。来るかな。

ハリー・ケインについては、彼はリーダーであり、オンでもオフでも両方やる。どの試合前でも更衣室でもっとも声を出すひとり。

(ガブリエル・ジェズースがしばらくアウトになるようですが、連絡はとってますか? またそれはアーセナルにとってどれほどの打撃でしょう?……)

そうだね。彼はぼくらにとって、とてもとてもとてもとても重要な選手だから、いいニュースではない。もちろん彼にはメッセージを送った。ドクターが診てどうなるか見守るしかない。そうだね、いいニュースじゃない。

(あなたはゴールセレブレイションでスタンドにいた家族を指さしていましたね。家族以外であなたのキャリアの原動力になっているものは?……)

そう、あそこに家族がいたんだ。家族はどこでも来てくれるし、ぼくがフットボールを始めてから彼らがしてくれたことがある。

ワールドカップでゴールして、こみ上げるものがあった。観客のなかに家族がいて、笑顔で応援してくれているのを見るのはとてもナイスだった。ぼくはいつも家族を探すようにしてるんだ。

(あなたやベリンガム、フォーデンなど世間では世代的タレントと云われています。自分たちが世界のベストヤングプレイヤーだと認めますか?……)

彼らがどう感じてるのかはわからないけど。ぼくらは外で云われていることはあまり知らないし。だって、いいことを云われていることもあれば、悪いことを云われることもあるから。だから(メディアは)あまり読まないようにしてる。

ただ、ぼくら3人が自信を持っているのは確かで、チームを助けられるよう、いまみたいなことを続けていく必要があると思う。

(このあとはビッグマッチ。イングランドはタイトル候補だとも云われているし、あなたのチームメイトたちもそれを目指していると云っている。優勝の可能性あるチームにいる気分は?……)

もちろん、自分たちならできると信じなければならない。いまはつぎのフランス戦に集中していて、すごく難しい試合になるはず。でも、トライして勝ち抜けなければならない。そしてまたそのつぎに集中して、それをつづけていけば勝てるチャンスがある。

(あなたは国内ではアーセナルでかなりうまくやっていますが、それが今回のワールドカップにどれほど役立っていますか?……)

ここまでアーセナルではすばらしいシーズンになっていて、いま云ったようにいまリーグでトップであることが、ぼくだけじゃなくチームのみんなでプレイにかなり自信になっている。だから、もちろんそれはすごく役立ってる。

(オリヴィエ・ジルーはあなたがアーセナルでシニアデビューする前に退団しましたが、彼からなにかアドヴァイスを受けたことはありますか?……)

いいえ。ぼくは彼といっしょにトレイニングしたことは一度もない。ぼくが上がったときには彼はもうコルニーにはいなかったから。

でも、もちろん彼のことはすごくいいフィニッシングがあるとかクオリティある選手だったと聞いてる。

(ウィリアム・サリーバがローンから戻っていきなりチームに定着したことは驚いた?……)

ウィリーは信じられないくらいだ。称賛しきれない。彼にはすばらしい将来があるよ。これから継続して成長していく姿を観るのが楽しみ。彼はとてもいいやつだしね。

(あなたは毎夜聖書を読んでいるとインタヴューで観ました。いまの状況でなにかインスパイヤされるような一節はありますか?……)

その習慣は続けている。それはとてもたいせつなことで、神からの贈り物だ。いつでもぼくに自信を与えてくれる。神の計画は完璧。神がついているとわかっているから、ピッチにも出ていける。

だから、ぼくにとって主なことは信仰をつづけること。神を信じつづけること。そうすれば、結果について不安や心配することがなくなる。これはぼくの最初のワールドカップだから、いろいろなことで不安になってしまう。

(好きな一節は?……)

とくにないかな。すべてが好きだから。(笑)

(デクラン・ライスが、相手はイングランドを恐れるべきだし、イングランドはふさわしい称賛を受けるべきだと云っています。そう思いますか?……)

彼はいいところを突いていると思う。もちろんぼくらはこの4試合でかなりいいプレイをしているし、ハングリーであるべきであり、集中しているべきだと思う。

(ここまでマネジャーはやらねばならない決断をかなりしてきました。選手としてどれほどマネジャーを支持しますか?……)

ぼくらはみんなマネジャーを支持してる。彼には大きなトーナメントですごい記録を持っているし、ぼくらをかなりのところまで連れてきてくれた。彼がしてくれた決断については、ぼくらももっと信じるようにしなければならないと思う。疑うのはやめるべき。彼を信頼しないと。

(ラヒームに起きた事件でセキュリティに気をつけるようになる……)

それはここで話すことではないかな。なぜなら、昨日それが起きたときぼくも試合に集中していたし。でもそうだね、ラヒームと家族が大丈夫なことを願うしかない。

(キリアンについて教えてください。世界一の選手である彼と対戦するのは不安がある?……)

彼はぼくにとっても世界のベスト選手のひとりで、ほかにもベスト選手たちがいる。もちろんぼくらも彼のクオリティは知っているし、チームで彼を止める必要がある。でもフランスは彼だけじゃないことは知っておく必要がある。

(イングランドはロシアではセットピースからたくさんゴールを決めたましたが、今回はそうでもない。チームはアプローチを変えたのでしょうか?……)

いつも練習はしているし、新しいアイディアもある。コーチと選手で(セットピースから)ゴールをしようとしている。多くの試合や大きな試合でセットピースが決め手になることもあるので、そこは準備をしている。

以上。今回の訳はかなり自信なし。

このテキストは冒頭に貼ったYouTube動画から書き起こしたのだけど、同会見?で別のコメントもあったようで、それも加えておこう。

ヴェンゲル、アンリ、ピレス。アーセナルのなかの「フランス遺産」について語るサカ

『The Athletic』より。

サカ:(かつてのアーセナルにおけるフレンチフットボールのインパクトについて)ぼくの最大の後悔のひとつは、後悔というよりはできなかったことだけど、アーセン・ヴェンゲルに会うことだった。

ぼくの父さんがどれだけ彼のファンか知っているし、クラブのみんなからどれだけ愛されているかも知っている。彼がクラブにしたことも。

それに、もちろんだけど、ぼくらのチームにはたくさんのフランス人選手もいるでしょう。ティエリ・アンリ、ロベール・ピレスがクラブの周辺にいて、ぼくにも話してくれたし、助けてくれた。いまもふたりにはサポートしてもらってる。

だからぼくは感謝してるんだ。それともちろんピッチでは、彼らはアーセナルですごかったし、トロフィももたらした。彼らはまぎれもなく、レジェンズだ。

(EURO2020でペナルティを外したあとのアンリからのサポート)かなり助けられた。彼の人柄を示しているね。わざわざぼくの番号を調べて電話をくれた。

そのときだけじゃない。アーセナルの試合のあとはたいてい連絡をくれる。彼はいまもクラブにかなり情熱を持ってる。彼はすばらしいひとだ。

以上

 

「ヴェンゲルに会うことができなかった」というのは、ワールドカップの会場でという意味? 彼はFIFAのひとだから、カタールにいるようだし。でもそれを後悔というのは大げさな気が。サカもまだしばらくカタールにいるんだし。

それとも、直接会ったことがないってこと? そんなことあるのかな。

たしかに、ヴェンゲルさんは17/18シーズンが最後で、サカのシニアデビューが2018年12月だから、ちょうど入れ替わりではあるが、アカデミーの子どもたちだってファーストチームのボスに会うくらいはふつうにありそうなものだが。

まあ、いずれにせよ今後サカがヴェンゲルさんと会って話す機会などいくらでもあるだろう。

ヴェンゲルさんはこれまでエミレーツへの招待を何度も断っているというエピソードがあるが、今シーズンのアーセナルがPLタイトルを取るなら、エミレーツを訪れるんじゃないかとひそかに期待している。なんだかんだミケルだって、エドゥだってヴェンゲルチルドレンだし。

そして、来シーズンからはOTのサー・アレックスのように毎週スタンドに座っていると。なんか笑える。

 

おわり



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