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【マッチレビュー】23/24 EPL ブレントフォード vs アーセナル(25/Nov/2023)Top of the league

ラムズデイルの深刻な自信喪失

そのいっぽうで、ひさびさ登場のラムズデイルは、ちょっと観ていられないほど痛々しかった。傷心でも無難にプレイするものとばかり思っていた予想は、まったく裏切られた。

ぼくは試合のときはブログのためにメモをしているのだけど、最初からやや不安定に観えた彼について、「11分ラムナーバス?」と殴り書いた直後、12分にあのエラーをやった! けっこうびっくりなやつ。ボールの出しどころに迷って、パスを出せず、足元のボールを相手にかっさらわれるという。ライスのクリアで九死に一生を得たものの、はっきりした相手のビッグチャンスで、致命傷になるには十分なエラーだった。

そしてさらに36分のアレ。今度はスロウでボールが手に引っかかってしまうという、こちらも通常ならありえないようなミス。

世界最高のリーグでほとんどトップクラスの評価であるGKが、間隔をおかずにたてつづけにあんなエラーをやらかすとは。しかもこういう状況で、ただでさえ「大丈夫か?」と心配されているなかで。

なにか、信じがたいものを観たという気がした。

後半は、おそらくそう決めたのだろう、バックからのプレイは半分あきらめてロングボールを選択し、だいぶ落ち着きを取り戻した。だが、前半はほとんどパニック状態みたいだった。サリバやビッグガビらもラムズデイルにパスすることを躊躇していたほど。つぎはなにをやらかすかわからない怖さがあった。

ああいうものを観てしまうと、GKというポジションがいかに日々、精神的プレッシャーと戦っているかということを思い知らされる。揺るぎないと見られた自信だって、簡単に失うバランスのうえに築かれている。

またアルテタがやったことの責任(ということばが適切かはともかく)についても、あらためて考えることになった。極論、No.1 GKからごっそり自信を奪い取った結果でああなったみたいなものである。自信喪失したGKはあんなふうになってしまうというメンタルヘルスの超恐ろしい事例。もはや、怖い話である。ラムズデイルの本人の心中を察するに、こっちまで背筋が凍りそう。

今回ラムズデイルの精神的な弱さを指摘するひとがいたとしてもおかしくはないとは思う。No.1がNo.2になるなんて、フットボールで珍しいことでもないのだし。

が、それと同時に、ここに至ったマネジメントやハンドリングのほうも見過ごせない。ラムズデイルとラヤの問題について、初期にコメントしたピーター・シュマイケルの「GKは特殊なポジションで安定や安心が必要」が、いま証明されているようなものだ。少なくともラムズデイルには当てはまったみたいだ。

この試合前にあった、ラヤのパーマネント契約のニュースもまったくよけいなタイミングだったと思わずにいられない。AFCはオーンステインならコントロールできたのかもしれないが、ロマーノは無理だったか。それぞれAFCとの距離感は違うのだろう。

アルテタ(アーセナル)は、ラヤの獲得という、ラムズデイルにとりだいぶ厳しい判断をしたことになるが、そこまでして得たものは果たして期待どおりのものだったのか。よりハイクオリティのGKを手に入れることには成功したかもしれないが、ふたりのトップGKがポジションを競って切磋琢磨するというほうは、期待どころか、ひとりは心が折れかけているという。そんなふうに観えた。

もちろん、ラムズデイルはつぎに試合でプレイするときは、ふつうに戻っていると思うし、さすがにそこまで深刻な事態に陥った/取り返しがつかないとまでは思わないが、いずれにせよいまの「状況」がラムズデイルにかなり悪い影響を与えているのは事実だろうと思う。あんなプレイを目の当たりにすれば誰だってそう思うはず。それにしても今回われらは、なんというショッキングなものを観させられたのか。

ラムズデイルを正常な状態に戻すためにも、ぜひつぎのCL Lens(H)でも彼を起用してもらいたい。おそらく今シーズンいっぱいは、彼にもNo.2として仕事をしてもらわねばならないのだから、このショックを引きずったままベンチに座りつづけるのは、いいことではない。

すぐにでも、彼のあの人懐っこい笑顔を取り戻さないと。

チームメイトたちもそれを望んでいる。

サカの一貫性

この試合は、サカとネリのふたりの超ハイスペックなウィンガーが、ほぼ完全に封じられたという印象がある。

もちろん、サカはアシストしたし、ネリもチャンスはつくったけど、この試合のふたりのドリブルは、それぞれ0/1に、2/3。この試合の前にマンシティの試合を観ていたから、よけいに落差があった。彼らのLWはあの試合でドリブル記録をつくったとか。

まあロウブロックのチームとガンガン攻撃してくるトップチームでは使えるスペイスにもだいぶ違いがあるから、一概には比べられないが、やはり今回はそこもアーセナルの攻撃が停滞した理由のひとつだったように思える。ブレントフォードはかなりうまくやった。

もっとも、そんな試合でも結果をひねり出すのがトッププレイヤー。ハヴァーツのアシストになったサカのクロスはほんとうに素晴らしかった。軌道が絶妙にカーヴしてGKとDFのあいだへ。

サカは、これでPLチームのなかではアシストがトップタイに(全コンペティションで9)。PL試合に限定すると3位タイ(5)。

そして。

まいどすごい。

ひさびさのオーデガードはどうだった?

ひさしぶりに登場のキャプテン。どうだっただろう?

まあ最高ではなかったかな。前半は彼らしい動きもあったりして、思ったより足取りも軽そうで調子もよさそうには観えたものの、ああいう試合展開でチームで全体的にDFの裏を抜けるような、あるいは3人めの動きみたいなものも乏しく、彼のスルーボールが炸裂するようなことはなかった。

そして後半は、疲労もあったのか試合からはやや消えてしまい。

ブランクもあるので、しかたないか。

ひとまずは今後に期待しよう。

 

この試合については以上

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