ラヤ!? 終わらないアーセナルのGK議論
いい話で終わらないのが、今回の試合。(まあ、最後には勝ったし楽しかったからいいのだけど)
今シーズンのアーセナルがファインフォームであるはずのアウェイ試合で、なんと3失点。そもそも失点がなければ、それほど苦しむこともなかった。
アーセナルは、この試合までPLのアウェイ6試合でたった3失点しかしていなかった(※クリンシーツが4)ので、たった1試合でそれが倍になってしまった。突然に守備が崩壊したみたいなものである。
アーセナルの守備が崩壊したというのは、ちょっと語弊があるか。そこまでは、やられていない。やっぱり、コーナーから2失点しているというのがダメッジが大きかったように思う。セットピースもまた、アーセナルが格段に進歩している部分である。よりによってそこで。それと、バークリーのショットでは、GKがあそこを抜かれたのはショッキング。
それらの失点の主要な原因になっているのは、ダヴィド・ラヤ。
試合後のフースコの選手レイティングでは、ラヤは驚きの「4.07」。SofaScoreでもこの試合でのワースト評価は同じ。いちおう勝ったチームの選手なのだが。。
ちなみに4.07というレイティングは、今シーズンのPL試合の全選手のなかでワーストらしい。
😬 David Raya’s performance against Luton this evening was the lowest rated by any player in a Premier League match this season (4.07) pic.twitter.com/XPVemOjzQr
— WhoScored.com (@WhoScored) December 5, 2023
仮にここまでのPLが全140試合あったとして、プレイした選手を30人@試合とすると、レイティングの対象者は4200人。4200人中でワースト1位。もはや、なにか賞をあげるべきか。
彼には、エラーもしっかりふたつとカウントされている。
47分、コーナーから飛んできたボールに手が届かなかったアレと、56分のバークリーのショットのアレ。失点につながるエラーが2。まあ、最初のコーナーからの失点はGKの過失は低いとして、この2点めと3点めは、どっちもGKが防げる/防ぐべき失点だったろうから、エラー認定もやむなし。
アーセナルでは、以前アレックス・ルナーソンがひとつの試合で2回エラーをやってしまったことがあったが、よりによって議論のあるなかでアルテタがわざわざファーストに抜擢したラヤがやらかすとは。
なんということでしょう。
ちなみに、ラヤのふたつのそれが反映された結果ではあるが、アーセナルはいわゆる“Errors leading to goals”(失点につながるエラー)で、現在PLワーストになっている。守備がベストでエラーがワースト。これいかに。
このまえのラムズデイルも試合中に2回はっきりしたミスをやり、失点にはつながならなったものの、結局こうしてGKふたりがふたりとも不安定になってしまっているのは、かなりやっかいな問題だ。
なにか事件が起きないかぎり、アルテタが、この先ラムズデイルにまともなチャンスを与えるようになるとは思えないが、だとするとラヤはラヤでプレッシャーを感じながらプレイすることになりそうだ。ファンのあいだでも、彼の株はかなり下がってきているというのが現実だろう。
試合のなかでハイプレッシングを受けているときに、自分が無駄に注目されていると感じるのは、やっぱり気が散るはず。
何度も同じことを繰り返し書いているが、アルテタのやったことは、やっぱりなんだか裏目に出ているという気がしてならない。
トロフィを狙うためにスクワッドの完成度を高めたいアーセナルの理想は、AllisonやEdersonのような最高クオリティのGKを持つことだろう。だが、その理想をラヤで実現できるかはどうも雲行きが怪しくなってきた。
そもそも彼は、トップGKとしては186cmと身長がやや足りず(PLのファーストGKで彼より低いのはJordan Pickfordくらい)、今回のパンチ失敗はいわゆるハイクレイム(high claim)の弱点が出てしまったかたち。彼のハイクレイムは、これまでも何度か不安定なところは観た。
また、いくらバックからのプレイや配球に秀でていても、GKとしての基本的なスキルであるショットストップで問題を起こしては、やはり本末転倒だろう。
最近はジンチェンコのことで、ポジティヴ要素/ネガティヴ要素のトレイドオフについて考えることが増えていたが、まさに彼にもまたトレイドオフが発生してしまっているように観える。
しかも、現状をみるに、GKにもっとも必要な安定性がこのグダグダのなかで毀損されてしまっているみたいだ。
ラヤとラムズデイルのふたりともにパフォーマンスに問題が生じているのは、偶然ではないのではないか。ふたりとも、本来はトップGKではあるのだから。
まあ、今回のラヤはラムズデイルと違って精神的なものの影響というよりは、単純なGKの能力に起因したものかもしれないが。しかし、だとすれば、なお悪い。
今後、ラヤが不安定なパフォーマンスをつづけるようなら、いったい何が起きるのだろうか。
アルテタは、早急にラヤに自信回復をさせねばならないし、彼になにかあったときのためにもラムズデイルにも、もっとまともなチャンスを与えるべきかもしれない。GKをロテイションするアイディアはどこへ行ったんだだろう。
David Raya or Aaron Ramsdale?🧤
Who should be Arsenal’s number one? 👀👇 pic.twitter.com/tVc6WisOX9
— Sky Sports Premier League (@SkySportsPL) December 6, 2023
今回のライスのゴールに誰よりも感謝しているのはラヤに違いない。フルタイムでアウェイファンと勝利を喜ぶチームのなかで、ラヤはやはりちょっとバツが悪そうに観えたのは、気のせいではあるまい。
ブカヨ・サカがアーセナルFCで200試合達成
マルティネリの久しぶりのPLでのゴールをさっそくアシストして、好調を維持しつづける22才。
そして、この試合は、スターボーイことブカヨ・サカの200試合めだった。
At just 22 years old, Bukayo Saka will make his 200th Arsenal appearance against Luton this evening! 🔥
200 games 🏟
46 goals ⚽️
50 assists 🪄Starboy ⭐️ pic.twitter.com/8Qy9kT5lS1
— Football on TNT Sports (@footballontnt) December 5, 2023
すごい生産性。
今回は、ルートンでアシストしたことでPLで対戦した25チームすべてでゴール/アシストを記録することにも成功。先日はアルテタが似たような記録を達成したばかり。ふたりとも、毎試合でなにかしらの記録をつくっているように感じる。
出場200試合めに関しては、アーセナルの歴代ヤングスターで、サカより早かった選手がまだ3人もいた。
トップはセスク・ファブレガス氏。これは当然か。彼は17才のときにはほとんどチームのレギュラーで、すでにアンリやベルカンプといっしょにプレイしていたのだから。
でも、サカはゴールではウォルヴズの時点で、すでにセスクの記録(PLでG35)を抜いているという。ポジションは違えど、これもどえらい。
Bukayo Saka (36) has now scored more goals in the Premier League for Arsenal than Cesc Fàbregas (35) ⚽ 👏 pic.twitter.com/DVQxhI3I9Z
— ESPN UK (@ESPNUK) December 2, 2023
サカの節目ということで、彼のシニアチームでのデビュー戦のスクワッドも話題になっていた。
18/19シーズン、UEL Vorskla Poltava(A)。ヘッドコーチはもちろん、ウーナイ。サカはアーロン・ラムジーにかわり、68分から登場。試合は、アーセナルが3-0で勝っている。
18/19ってそんな昔に感じないけど、これを観ると……。さては、このチームは弱いな?
本日のVAR事案
76分、アーセナルのコーナー。ボックス内でガブリエルが相手DFに腕をひっぱられる事案発生。VARでレヴュー後、即おとがめなしとなる。
こりゃダメだろ。スチルだとわかりにくいけど、動画だと腕が完全に引っ張られてることがわかる。これがファウルじゃないなんて、理解できない。
ていうかまたビッグガビ。ビッグガビならボックス内でファウルしてもOKな風潮ある。
VARルームの音声の公開が待たれる。
「ガブリエルは自分の身体をすでにうしろに傾けていた。われわれには、彼が引っ張られたというclear & obviousな証拠がない」
そんな感じで終わりそう。なんて世の中だ!
アルテタが喜びすぎ?でイエローカード。つぎのPLヴィラはサスペンションに
冗談かと思ったらマジだった。
Mikel Arteta picked up his third yellow card of the season for over-celebrating and will now be in the stands at Villa Park.
He tells @CarrieBrownTV “I could not be seated in my seat. It was pure emotion. If that’s a yellow… that’s a yellow.”#beINPL #LUTARS #AFC #Arsenal pic.twitter.com/Dv2W4ViIcz
— beIN SPORTS (@beINSPORTS_EN) December 5, 2023
しかも、マネジャーでシーズン3枚めってどういうこと(笑い)。
しかし、ミケルのどの程度の振る舞いが違反認定されたのかよくわからないが、あんな勝ち方で試合を終えて、喜びをあらわすマネジャーを罰するってPLはいったいどうなってんだろう。腕組みでもして微笑んでろっていうのかね? つまらないことだ。
Arteta barely even left his technical area by the looks of the celebration footage. Incredible that he got booked for celebrating an injury time winner for that (and will now be in the stands for the Villa game), unless he did something else that wasn’t on camera.
— Charles Watts (@charles_watts) December 6, 2023
これは、彼がいつも「これぞフットボール」「これぞプレミアリーグ」と云っているものでしょう? それを否定するのだろうか。
アルテタ「座ってられなかった。純粋にエモウションだよ。もしそれがイエロウだというのなら…… イエロウなんだろう」。
ニューカッスルのアレがまだなのに、先にこっちでバンとは。
De Zerbi ran across the pitch to celebrate a couple weeks ago at the City Ground. No yellow card.
Mikel Arteta celebrates a last minute winner while just coming outside his technical area. Yellow card and ban.
Stupid, corrupt organisation. @FA_PGMOL. pic.twitter.com/LPWO6NNNjY
— now.arsenal (@now_arsenaI) December 6, 2023
De Zerbiは、試合後に喜んでピッチを走り回ってもおとがめなし。アルテタはテクニカルエリアを出たというだけでカードとバン。
陰謀では?
この試合については以上。無駄に長くてごめん!
いつも楽しく拝見しているのですが、最近ちょっと気になるので書かせてください。
今回のラヤ、以前のハヴァーツやアーセナル全体の攻撃が不調な時もそうでしたが、ちょっと批判が安直じゃないですか?
そもそも能力の問題だとか、夏に移籍してきたばかりで、しかも良いプレーもたくさん見せてるのに、また簡単に批判して良くなったら手のひら返しですか?
これだけ長い事アーセナルのブログを書かれているんだから、もう少しチームを信頼してもいいんじゃないでしょうか。
ともにアーセナルの優勝を夢見る者として、あまり気分が良くなかったため書かせていただきました。気分を害してしまって申し訳ないです。
これからも応援しています。
いつも楽しく拝見しております。
ラヤですけど、素人目ながら、パンチングとキャッチングはラムズデールよりも安定感があると思ってます。
ラムズデールなら弾いてたな、みたいなボールをキャッチしたり、パンチングの距離が出ているような。
足元とかロングフィードはたしかに出色ですが、現状だと「ちょっと珍しい動き」をするGKという感じで、優位な戦術的な上積みとして機能しているというと、まだまだかと思います。
サカのデビュー戦のスカッドは懐かしいですね。
ウーナイは混乱のうちに辞めてしまいましたが、若手の登用に積極的だった点は評価できると思います。
彼に比べてアルテタは、なんというか、サブや若手を使う「勇敢さ」みたいなものに欠ける印象です。
ルートン戦は結果としてとんでもない試合になり、レギュラー陣が必要でしたが、ネルソンなどの起用が見たかったところです。
昨シーズンのシティも、年明け前は本調子でない、みたいなこと言われて、後半は無双しましたし、われわれも、ラヤとハヴァーツ、サブなど、年明けの勝負所に完成度を上げてくることを期待しています。
長文失礼しました。