hotいま読まれているエントリ

Arsenal, Misc

AFCアシスタント・コーチ、イェンス・レーマンのインタビュー。アーセナルの「ドイツ化」

グーナー御用達のアーセナルブログArseblog。何日か前に、現在はアーセナルFCでヴェンゲル監督のもとコーチングスタッフとして働く、元インヴィンシブルズのゴールキーパー、イェンス・レーマンのインタビュー記事が紹介されていた。ここ数試合はヴェンゲル監督のバン中に観客席でヴェンゲルのとなりに佇んでいたのがカメラに抜かれていたように、ちょっとした片腕スタッフとして存在感も増しているように見えた。

本エントリはドイツのSport Bild誌に掲載されたものの英訳版だそうで、これがなかなか興味深かったので、ざっくりと紹介したい。

Arseblog News – the Arsenal news site



レーマン・インタビュー(抜粋)

(いまのうんこみたいなアーセナルをどんなふうに見てますか?)

レーマン:FAカップは若い選手たちにチャンスを与えたのが裏目に出たね。でも4年で3回優勝してるんだ。毎年は無理だよ。スパーズやシティみたいなチームがいまイケてると思われてるけど、彼らが最近何か勝ち取ったわけじゃない。リーグじゃあ期待を下回っているのは認めるよ。チームは成長しなければならない。でもレフェリーのミスジャッジによってたくさんのポイントを落としているということも指摘しておきたい。シーズンが終わるまでには挽回したいよ。

(アーセナルでの典型的な1日は?)

レーマン:7時に起きたらまずメールやなんかの雑務をする。8:30頃にはロンドン・コルニー(※練習場)に向かう。車で35分てとこだね。アーセン・ヴェンゲルのもと、9:30には11人のコーチングスタッフが集まる。それと、たとえば今日なんかはトレーニングの前、10:30に、ランチ後にコーチたちと議論するためリーグ戦をまとめたビデオクリップを用意したり。わたしはだいたい16:00までコルニーにいるよ。

(「ドイツ人グループ」があるんですか?)

レーマン:そうだよ。ドイツ語を話す選手たちだね。エジル、ムスタフィ、コラシナツ、ジャカ、メルテザッカー、彼らはたいてい一緒にトレーニングしているよ。サンチェスもこのなかに入ることがあるね。

(アーセナルはとてもジャーマンなクラブになりつつありますね)

レーマン:アーセナルはかつてないほどとってもジャーマンなクラブだよ! フランスの影響もまだあるけどね。チーフスカウトのスヴェン・ミズリンタットはドイツから来ただろ。ドイツの影響はますます大きくなりつつあるね。

(選手としてのあなたは我が道をいくタイプでした。コーチとして変わったことはありますか?)

レーマン:ここへ来て最初の数ヶ月で変えなきゃならなかったのは、外交的であることさ。選手としてはそういうのは全然必要なかったんだけどね。でもコーチとしてやってくにはそれじゃダメだったんだ。

(あなたのコーチ・キャリアのネクスト・ステップについてはどう考えてますか?)

レーマン:アシスタントはわたしにとっていい仕事だね。ストラクチャー、方法論、仕事の実行についてマネージャーの後ろから観察できる。でも、当然マネージャーになるのがゴールだと思っているよ。何かを学ぶのにそれを実地で行うことは一番いいんだ。

以上。

だいぶはしょったので興味のある人はオリジナル記事を読もう。

レーマン監督の将来

レーマンといえば、非常にオレ様で物怖じせず曲がったことが大嫌いで「忖度(そんたく)」とは正反対の大変に扱いにくい人物という印象があるが(風評)、コーチとなったレーマンはそのような選手時代のパーソナリティで成長するには限界があると思っているようだ。

インタビュー中に何度も出てくる”diplomatic”という単語、とりあえず「外交的」と訳したけど、「人付き合い」みたいなニュアンスかもしれない。もっと他人とうまくコミュニケーションをしていく、そうしないとコーチ/マネージャーは選手とうまくやっていけないということらしい。そりゃそうだ。

しばらくアーセナルでコーチ修行をしたあかつきには、きっと小さなクラブのマネージャーから本格的にキャリアを始めるんだろう。アンリやベルカンプ、ヴィエラやピレスなどインヴィンシブル時代の選手たちが続々と指導者になっていくなかで、レーマンはどんな監督になるのか。興味深い。

ドイツ化するアーセナル

ヴェンゲル・アーセナルといえば、フランス人選手やアフリカ系のフランス語話者も多かったフレンチ・コネクション。それが、近年はどんどんドイツ化しているという話。ここにミキタリアン、そしてオバメヤンが加わってさらにドイツ濃度は高まるばかり。凄腕スカウト部長・ミズリンタットの影響がこれからもますます高まっていくのだろうか。

ただ、フランスが最強だった時代にアンリ・ヴィエラ・ピレスとそのフランス人たちがチームの中心にいたアーセナルと比べると、いまはドイツがとくに強い時代ではあるが、ドイツ語話者が多いというだけで、ドイツの中心選手がアーセナルに集っているわけではない。エジルとムスタフィとメルテザッカーでは、唯一エジルだけがドイツチームのレギュラーである。

将来のドイツを代表するような選手が入ってくるとおもしろいんだけどな。グナブリ?

そういえば過去にはこんなエントリをあげたこともある。

Arsenalにおける言語勢力図



※コメントくださるかたにお願い
プレヴューエントリでは、試合の結果がわかるようなコメントはお控えください
お互いリスペクトしあって楽しく使いましょう

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *