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アーセナル夏の補強プランについて。50Mポンドの予算で乗り切るには?

本日5/17木曜日、イングランドでもトランスファー・マーケットがオープンするそうで。

昨シーズン、プレミアリーグでは過去最高となる1.4Bポンド(=1400Mポンド、日本円で約2100億円)という巨額が移籍市場で遣われ、今回もそれに近い額かそれ以上の額が行き交うのではないかと予想されている。

ヴェンゲル監督が退任し、後任監督が誰になるか依然としてメディアを騒がせているアーセナルも、2シーズン連続でチャンピオンズリーグを逃すという失態を挽回すべく夏の補強に注目が集まっている。

しかしながら「今夏補強予算50Mポンド」という噂は、その後もとくにそれを否定する報道もなく、アーセナルFCはどうも本気でその予算で狂騒的な移籍市場に勝負を挑もうとしているらしい。

New Arsenal manager restricted to £50m summer transfer budget

呆れてものがいえないというか(いってる)、まず極端に予算を制限する意味も理由もわからないが、とにかく補強予算「50Mポンド+売却益」だけで戦うということを前提に、アーセナルがどのような獲得・放出を行うつもりなのか考えてみたい。



アーセナルの補強ポイント

アーセナルのファンにはいまさらながら、アーセナルの補強は、GKCBCM/DMが最重要ポイントで、フルバックやAMF(ウインガーなど)は優先順位が一段下がる。もちろんストライカーの補強はまったく完全にこれっぽっちも必要ないことはいうまでもない。

ありがたいことに、これまで噂になっている獲得候補はほぼこの優先順位の高い選手たちばかりとなっている。

去年までのアーセナルなら、いまのような状況でもゲームメイカータイプの選手たちばかり噂になっていたことを考えると、このクラブがここまでまともになったということに目頭が熱くなる。

アーセナル2018夏、ここまでの補強の噂

ソクラティス・パパスタソプーロス(CB)

いま現在もっとも騒がれているのは、BVBのディフェンダー、ソクラティス・パパスタソプーロス。29才。アーセナルが20Mユーロでの獲得にかなり近づいているといわれている。

この選手についてはBVBに5シーズンいるベテラン選手ということもあり、どのような選手か知っている人も多いかもしれない。ぼくはほとんど知らない。

redditのBVBフォーラムでは大挙押し寄せたグーナーに丁寧にパパスタソプーロスについて説明してくれる人がいた。ついたレスによると、BVBのサポーター的にもこの評価はなかなか的を得ているらしい。

彼はストロングなディフェンダーだ。しかし同時にとても弱い。彼はアタッカーをぶっ壊すが、少しの接触でもし自分が先にボールに届かないとわかると落ちてしまう。

彼はまたディフェンスラインを急いで離れたがる。そして後ろにギャップをつくってしまう。それが指示なのかどうかわからないが、それは問題だと思う。

ボックス内で選手を押したり、引っ張ったりもよくする。今季VARがあったけど、それがペナルティになるとか大きな問題になったような記憶はないけどね。

全体的に、彼はいいディフェンダーだよ。しかしピークは過ぎようとしている。彼はちょっと間抜けなところもあるし、ピッチで頭に血がのぼりやすいタイプだ(1枚イエローをもらっているのにレフをはねつけようとして2枚めをもらうとか)。

微妙だな……。たしかにメルテザッカーとコシエルニがいなくなりCBにベテランが必要になっているとはいえ、彼は適任なんだろうか?

彼の獲得にかかる移籍金は、20Mユーロとか15Mポンドとかいわれているので、即戦力級で比較的安価なオプションには違いないが、もうひとりのムスタフィにならないか少し心配である。

シャラー・ソユンチュ(CB)

パパスタソプーロスが即戦力のベテランCBなら、ソユンチュ(21)は即戦力+未来への投資半分といったところだろう。パパスタソプーロスに比べれば、こちらはそれなりにワクワクできる。

年齢的には一足先にガナーズに入団しているマヴロパノスに近い補強ながら、彼にはすでにフライブルクでの実績もあり人気物件である。ソユンチュについては以前にこのブログでも紹介したことがある。彼のプロファイルなどはこちらをご覧あれ。

最近のアーセナルニュース(2018.5.4)トルコ人CB、Çağlar Söyüncüの獲得が決まりか

決まりか?なんて煽っている。無責任でゴメン。

彼の移籍金はアラウンド35Mポンド。決まりそうな気が全然しない。パパスタソプーロスとソユンチュでもう50Mポンドに。

ベルント・レノ(GK)

レノについても以前にアーセナルのGK獲得候補エントリで言及した。

ペトル・チェフの後任は誰だ? アーセナルが獲得すべき7人のGKを比較【前半】

ぼくは、7人のGKを紹介したなかでアーセナルが獲得する現実味がある4人のなかに彼を入れた(バトランド、ポープ、レノ、グラーチ)。

アトレチコ・マドリッドとの競争があるといわれているので、彼がアーセナルに来るかどうかは不明ながら、アーセナルが彼を望んでいることは複数のメディアが報じている。

移籍金は25Mポンドとも。

ジャン・ミッシェル・セリ(CM)

昨日あたりから急に騒がれて始めたのが、昨シーズンから何度かアーセナルともリンクされているニースのセリ。彼が改めてアーセナルのターゲットであると注目されている。このブログでも以前、セリをカソルラの代わりにしようぜというエントリを書いたことがある。

What would Nice midfielder Jean Michael Seri bring to Arsenal?

ただ、彼はアーセナルがいま優先すべき補強ポイントの選手なのかどうかは疑問がある。

彼はCMといっても、DM寄りというよりはAM寄りの選手で、彼が来るとアーセナルの中盤の攻撃力が格段に高まるとSKYは説明しているが、アーセナルがいま改善したいのはどちらかといえば、中盤の守備バランスだろう。

要するにセリを現在のアーセナルの中盤に組み込むとすると、交代する選手はラムジーあたりになるはずだ。ラムジーとセリの後ろにジャカを置くみたいなフォーメーションはかなりヤバいことになりそうだ。

もしかすると、ラムジーの契約更新交渉がうまくいっていないとか。あると思います。

ラムジーはアーセナルにとって、17/18シーズンのプレイヤーオブザイヤー級の中心選手だ。アーセナルが彼を進んで手放すわけはないが、残り契約1年で契約更新を渋っているいま、本人が移籍を望む可能性がないとはいえない。

セリの移籍金は40Mポンド程度と見られている。

これで4人合わせて115Mポンド。オバメヤンとラカゼットでそれくらいだから、驚くほど大きい金額というわけでもないが、50円しかないといっているのに、115円分のお菓子をおばちゃんのところに持ってきてしまった的な場違い感はある。

さてそうなると、はみ出した65円を選手売約で賄わなければならなくなる。

新監督が決まる前に補強に動いている件

ところで少し脱線すると、これ次のマネージャーが決まる前にいろいろ補強選手を決めてるのって、よく考えるとおかしくないですかね?

ふつうは、どんな選手を使ってどんなチームにするかというのは、その多くをマネージャーが主導するものだと思っていたのだけど、これじゃあ新監督は、ほとんど買っておいた材料で味付けや調理だけお願いされることになる。「冷蔵庫に入ってるから使ってね」みたいな。「ジャーのごはんあっためて食べてね」みたいな(生活感)。※追記:もっというなら、ふつうにチンジャオロースをつくるつもりだったのに、その材料が揃ってないみたいな。玉ねぎもじゃがいものないくせになぜか神戸牛とか松阪牛が入ってるというアンバランス。

クラブによっていろんな形態があるだろうが、少なくともアーセナルはマネージャーの権限はかなり大きかったはず。

アレグリやエンリケといった大物が、そこに懸念を抱いているという説がある。つまりマネージャーとしての権限がだいぶ小さくて、フットボール・ディレクターやチーフ・スカウトがめちゃくちゃ口を出すと。なんなら彼らに決定権があると。

『マネー・ボール』というアメリカのメジャーリーグを題材にした本を読んだとき、ジェネラル・マネージャーの権限があまりに強くて(ほとんど何でも決める)、監督(コーチ)というのがもうお飾りみたいな存在に描かれているのを見て、へえと思ったものだが、どうもアーセナルはそっち方面に向かって進んでいるのかもしれない。

クラブが選手を買っておくというのは、マネージャーがチームづくりの主導権を握っていないというひとつの証拠だろう。

あるいは、秘密裏にすでに新監督は決まっていて、彼が補強選手にアドヴァイスしているという可能性もあるが……。なんかそっちであってほしいな。

話しを戻そう。

金がない。そうだ選手を売ろう

まあ今回も当然放出する選手はいるだろう。明らかに放出候補だという選手のほかに、もしかしたら積極的に売りたくはないが、ファイナンス上の理由で手放すという選手も出てくる可能性はある。

どのような選手が売却候補になるか確認してみよう。()内はTransferMarktによる評価額ポンド。

オスピナ(4.5M)

まず、ファーストチームからは、オスピナ。ここ数シーズン毎回のように売却対象といわれながら残ってきたが、今度こそ出るだろう。新GKがNo.1でチェフがセカンド。

チェフがファーストGKを退くからといって、彼がセカンドから昇格するという話しがまったく出ないのも奇妙なことだ。

カール・ジェンキンソン(3.15M)、ジョエル・キャンベル(2.7M)、ルーカス・ペレス(6.75M)

ローン中の彼ら。キャンベルとペレスは退団を希望していたはず。ルーカ・スペレスはラツィオへの移籍に近づいているとか。彼は17Mポンドとかで獲得しているはずなので、わりとアーセナル史に残る失敗案件となりそうだ。

そんなところか。アカデミーの選手も放出される選手が何人もいるようだが、彼らをいくら売っても足しにはならないのでここでは省こう。

さてここで問題にしたいのは、売る必要はないが売ればそれなりのお金になる選手だ。

売ればお金になるが……

ベレリン(36Mポンド)

現在のアーセナルのスコッドのなかで、かなり高額で売れる可能性があるのがヘクター・ベレリンである。36MポンドはTransferMarktでの評価額だが、アーセナルは彼を売るなら50Mポンドを要求するというし、実際それ以上出すクラブはあるかもしれない。

彼はすでに来シーズンもアーセナルにいると残留宣言をしており、今後もチームに残るであろうことは間違いないが、アーセナルにとってはもしかしたら彼を売って代わりを取るという選択肢がまったくないとはいえないかもしれない。

というのも、以前にredditで彼とほかのRBのスタッツの比較が話題になっていたが、じつはわたしたちが信じているほど、ベレリンのスタッツというのはほかのライトバックに比べてかなり高いというわけではない。

以前に、ベレリンを高額で売っても同等のクオリティの選手は同じ金額で買えないと発言したパンディットだかOBがいたが、それはたぶん誤りである。市場に出ているかはともかく、このスタッツデータを見る限り、コストパフォーマンスの高い魅力的な選手が何人もいる。そして、そういうデータもアーセナルのチーフ・スカウトが把握していないはずがない。

「なぜか」評価額は彼が断トツということで、ジリ貧のアーセナルが彼を売って補強資金を工面する可能性が皆無だとはいえない。かもしれない。

ウェルベック(13.5M)

個人的にベレリンと同程度わずかには放出の可能性があるかなと思うのはダニー・ウェルベックだ。

もちろん、彼はシーズン終盤でどんどんフォームを取り戻し、結局今シーズンは10得点とアーセナルに来てから初めて二桁得点した。イングランドのワールドカップスクオッドにも選ばれたし、彼もまたもしアーセナルが放出する気なら、残り契約はあと1年ながら、13.5Mポンド以上の値はつくだろう。

彼の場合、放出するとなれば移籍金目当てというよりは補強選手あるいは昇格選手のためかもしれない。彼を手放せば、レギュラーのアタッカーの席がひとつ空く。

多くのファンが望んでいるようなウインガータイプの選手を新たに獲得するには、現在のアタッカー陣は数だけは揃っている。

またエンケティアやネルソンといった来シーズンのファーストチーム昇格が期待されるアタッカーの選手たちも、ウェルベックの空けた席の恩恵を受けるだろう。

個人的にはウェルベックは愛すべき選手だが、優勝チームにふさわしいクオリティがあるとはいえないと思う。彼が来シーズン化ける可能性をどれだけ信じられるだろうか? 素晴らしい素質を持った選手には違いない。しかしFWに必要な決定力などが圧倒的に欠けている。

まとめ

ぼくもベレリンやウェルベックがほんとに売られるなんて、べつに信じているわけじゃない。ただ、それが100%ノーチャンスというわけでもないことも知っておくべきだとは思う。とくにベレリン。彼はいまが最高値かもしれないしね。

移籍市場は今日始まったばかり。注視していこう。

また新しい移籍ニュースがあり次第お伝えします。



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4 Comments on “アーセナル夏の補強プランについて。50Mポンドの予算で乗り切るには?

  1. これ新監督次第でもあるんですよね~
    誰が見ても補強必要なDF1枚、GKの序列変更はすぐにでも動ける話ですが、あとのポジションの補強は難しい
    オーバメヤン、ラカゼット、エジル、ムヒタリアンを同時起用するのが理想であり、新監督に求められてそうですが
    そうなれば中盤の構成をどうするのか?ラムジー、ジャカでは攻撃陣を支えられなそうで。。

    実際サブでも働いてくれるエルネニー、ウェルベックは残しやすいかもしれなくて
    中盤補強するならラムジーかジャカを売却するのが一番妥当なのかも?とも思えますね

    こんなバランス悪めのスカッド構成、CL出場権を強大な相手と争うクラブにくる新監督、、、尊敬しかない
    それがルーキーなら尚更 笑

    1. ラムジーはどんな監督でも評価は変わらないかなあと思うんですが、ジャカをどう評価するかは人によって割れそうな気はしますね。

      ジャカはプレイスタイルが独特すぎて、ある意味ではエジルみたいかも。

      彼らをうまく使うには、彼らにシステムを合わせる必要があるという。

  2. 初めてコメントさせてもらいます。いつも楽しく拝見しています。

    どうやらベンゲルの後釜はアルテタみたいですね。驚きでしかないですが・・・本当に就任すれば応援するだけです。

    補強費に関しては現在フロントが動いている案件とは別に『アルテタ枠』としての5000万ポンドでしょう。クラブ全体の今夏の補強予算が5000万ポンド+売却費ではさすがに笑うしかありません。数々の候補者がアーセナルから離れていったのも恐らくは権限の問題でしょう。この補強予算で私の枠が5000万ポンド?・・・辞退させて頂きます。ではないかと。

    補強の噂が本当だとすればムスタフィも放出候補でしょう。マヴロパノス・チェンバース・ホールディングが既に控えているにも関わらず実績のあるコシェルニーの穴埋めだと思われるソクラティスだけでなく若手有望株であるソユンチュを狙うという事はそういうことだと思います。首尾よく2名を確保出来ればムスタフィを売却して若手にELを任せた上で年明けのコシェルニー復帰を待つことになるのではないでしょうか?

    GKはレノなのかどうかは分かりません。仮に何としてもレノを獲得したいのならW杯前に全てを終わらせるべきですね。W杯後ではレノ自身の評価が現在を遥かに上回っている可能性がありますから。

    セリに関してはそもそも必要なの?という候補ですね。セントラルMFに既存選手を放出してまであえて補強をするのなら守備的な選手でしょう。ジャカ・エルネニー・ナイルズ・ラムゼイの陣容でいかに中盤のバランスを向上させるかこそが新監督が担うべき重要なミッションだと思いますが・・・セントラルMFで私が最も気になるのはカソルラです。

    ウェルベックは微妙なラインですね。最大のポイントは新監督が若手に対してどんな評価を下すかです。W杯メンバーに選ばれたウェルベックはチームへの合流が遅れるでしょう。そこで若手がアピールすれば首脳陣辺りからウェルベックの換金という発想が出てくると思っています。

    1. どもども。

      50Mはどうもそれが総予算だといわれてますね。。

      これだと最低限必要な補強をするだけで軽く予算オーバーなので、超えた分をどうするか。

      本文に書きませんでしたけど、じつはぼくはマヴロパノスみたいな誰も予想してない補強というのが、また出てくるんじゃないかと予想していますね。「誰?」とみんな目が点になるような。それでいて使ってみればAクラス。

      トランスファー・グールーですから。

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