ELグループステイジの2試合目。先週はアウェイでラピッド・ヴィエナに順当に勝利、今回はホームにアイルランドのダンダークを迎える。
アーセナルは、先日のPLレスターでダヴィド・ルイスを失い目下CB危機に陥っている。チームには8人もCBがいるというのに、そのうち6人が離脱している。ソクラティスやサリバ(※ELのみ登録外)をスクワッド登録しておけばよかったといまになり後悔するなんて、なんともアーセナルらしい。
試合をプレヴューしてゆこう。
アルテタの試合前コメント「CBをさらに失うようなことがあればビッグトラブル」
昨日行われた試合前記者会見。オフィシャルサイトのトランスクリプトより。
レスター戦について
(レスター戦のパフォーマンス……)
アルテタ:ふたつのとても違うハーフがあったかなと。ファーストハーフはよく試合の要求を理解し、支配的だった。とてもアグレッシヴで、いいエリアでボールを奪い返した。危険なエリアでボールを失うこともなかった。先行できる得点チャンスを十分につくれたわけではなく、それができなかった、得点も認められず。
セカンドハーフはおそらく疲労もあり、難しいエリアでミステイクスをやるようになり、それまでできていたような脅威になれなかった。われわれがオープンスペイスをつくったとき、彼らはいいアクションを行い、失点した。とてもわずかな差で敗けたし、失望している。もっといい結果が得られただろうから。
(オーバとラカのゴール不足……)
彼らだけではない。ホームで得点できなければそれは心配だ。わたしの懸念はセカンドハーフにもっとうまくやるべきだったことで、ヘクターにチャンスがあっただけだった。云うても相手は75-80分くらいまで何もできなかったが、それでもわれわれはファイナルサードで進歩する必要がある。もっとよい攻撃をする解決策を得ないと。継続性をもって、長期で攻撃を維持できるようにしないと。もっとボックスにボールを入れることだ。それについてはずっと取り組んでいて、進歩できるといい。
(勝利を期待されるプレッシャー……)
このクラブなら毎試合で勝たねばならないプレッシャーがある。マンシティとレスターにそれぞれ1-0と僅差で敗けた。われわれにかかっているみんなからの要求もわかっている。それは素晴らしいことだ。なぜならわれわれがわれわれであるからだし、決して変わらないものだから。
(得点への懸念とエンケティアの役割……)
役割は全員にある。まずわたしには彼らに解決策ともっといい攻撃をするストラクチャを与えること。もちろんあのブロックと彼らのセットアップはイージーなものではまったくなかった。しかしファーストハーフにはわれわれはそんな彼らを5-6回はオープンにしたし、そこでゴールを取るべきだった。
それはわれわれがあまり慣れていないことだ。なぜならわれわれはああいったチームと対戦することはそれほど頻繁ではない。だが、思うにあれはとてもいいサインだったと思う。レスターがわれわれのホームに来てああいったプレイをしたこと。あれはつまりわれわれをリスペクトしたからだろうし、彼らがビビっていたからだ(concerned)。われわれはそれをとてもポジティヴでアドヴァンテッジと受け止めなければならない。なぜならもしああいうスタートをするチームがあれば、わたしはたくさんの試合に勝てると云うよ。
(PLの強さ……)
この8-10ヶ月で、このチームのクオリティ、オーガナイゼイション、競争力には進歩があり…… それはわたしがここ数年で見たなかでも最大のものだ。だから大勝で勝つようなことが難しくなったのだろう。わたしの意見ではこれは偶然ではないのだと思う。どのPLの試合を見てもそうだから。このリーグはいまグレイトな場所になっていると思う。
ダンダーク戦について
(ダンダークについて……)
ここには何人かのアイリッシュのスタッフがいて、彼らについてはみなとてもポジティヴだった。わたしが見たなかでは、とても決意あるコーチがいて、チームにはとてもいい団結がある。試合のときはどのリアクションにも、いかに彼らが団結しているかがわかる。とてもよくオーガナイズされているし、それが彼らとの対戦をとても難しくする。大いにパッションをもってここに来るだろうね。
彼らはアンダードッグではあるし、それが彼らにエナジーを与え、明日は満タンのガスで来ると思う。ここで倒さないと。
(試合前にBarry Solanとは話したので?……)※アーセナルのアイリッシュのコーチ
イエス。彼らの何人かと。
(ダンダークのFilippo Giovagnoliのマネージャー就任の背景について……)
グレイトなストーリーだと思うし、異なるバックグラウンド、異なる国が歴史とリンクしていることはいいことだ。彼のロングインタヴューを見たが、わたしは彼のことを知りたかったんだ。彼が何をやろうとして、選手に何を表現させようとしているか。そこで何が起きているか知った。彼は選手たちが自分たちがやっていることを信じていると感じられると話していて、それこそコーチが望むものだと。彼らはとてもいいケミストリをつくりだしており、昨シーズンからビッグブーストがあった。彼らの取り組みにはビッグメリットがある。
(明日番狂わせが起こる可能性……)
わからない。これはフットボールで、試合のなかでそういうことはたびたび見てきた。だからわたしは何も当たり前だとは思わない。わたしがいつも想定しているのは、相手がベストな状態で来るということだ。そしてわたしは自分たちが試合に勝つためにやらねばならないことを選手たちに納得させ、可能か限りベストなやり方で実行させる。それだけさ。明日何が起きるか見てみよう。
(ダンダークの強みと弱点……)
云ったように、彼らの強みはチームの団結とハードワーク、そしてどれだけオーガナイズされているか。ある状況ではとても危険になるところもいくつかある。われわれに対してそういった状況になるときは、少し複雑なことになるが、イエス、どんなチームにだって時間とスペイスを与えれば、相手は問題をつくり出す。彼らのセットピースはまじつよで、明日はよく準備してくるはず。だからわれわれは毎週やっている通常通りにコントロールしなければならない。
(好きなタイプの選手はいる?……)
わたしは彼らのチームとスピリットに注目する。彼らがどれだけ競えるか。そしてモルデとの試合でも、彼らがどれだけ自分たちのやっていることに信頼を置いているか観ることができる。
(この試合に週末のユナイテッド戦が影響を与える……)
試合ごとにトライをしていく。だがもちろんこの10日間でセントラルDFたちに問題が発生した。注意しなければならないし、ポジションをとても注意深くやりくりせねばならない。もしまた誰か失うようなことがあればビッグトラブルに陥る。だからもちろん、この2-3試合はスクワッドをどうマネジしていくか見ていなければならない。
ムスタフィについて
(ダヴィド・ルイスの離脱と、ムスタフィに新契約をオファーしたという件について……)
まずダヴィド・ルイスはまだ具合がよくない。ムスタフィは完全にフィットしている。そして内部の契約状況については内部だけで議論するものだ。
(ムスタフィにはどれだけ満足している?……)
わたしはここに来てからムスタフィと彼のパフォーマンスには、ずっと満足している。彼がケガで長期離脱していたのは事実で、いまのポジションに戻るためにとてもハードにワークしてきた。彼にはわれわれが彼に抱いている信頼を示してほしいだけだ。彼をプレイさせ以前の彼のようなパフォーマンスを出してほしい。
(ムスタフィへの信頼……)
そのポジションはわたしが来たときにはいくつかの懸案があったと思う。われわれがやろうとしたのは、できるだけ選手を助け自信を持ってプレイできるよう勇気づけることだった。正しい解決策を与えようとしていた。そしてそこからは彼らのパフォーマンス次第だ。
リース・ネルソンについて
(リース・ネルソンにもっとゲイムタイムを与えたい……)
われわれは大きなスクワッドでウィンドウを終えた。いくつかあるプランのなかで、リースについては試合に出るためにローンに出すつもりだった。なぜならアップフロントの競争があるから。実際、彼はトレイニングでもとてもいいし、彼はここに残ってポジションを争いたがった。それが彼の状況で、ときが来ればチャンスをつかむだろう。
わたしが彼に満足しているところは、最初の数週間、彼がプレイタイムがない状況でもそれを受け入れようとしているところだ。だが誰でもわかるように、ものごとはとても早く変わっていく。このスケジュールだからけが人もたくさん出ている。彼は機会を得るだろうし、そうなればあとは彼次第になる。それを掴むか掴まないかだ。
(リースはなぜ自分がスターティンじゃないか理解している?……)
トライしている。もちろん8-9ヶ月前のことと比べるのは難しい。ポジティヴにもネガティヴにも。しかしわたしはいつだって選手とはとてもオープンなコミュニケイションをしようとしている。彼らが何を考えているか知ろうとしているし、プレイしようがしまいが、その理由を説明しようとしている。そして多くの場合は彼らには何の悪いところはないんだ。そのポジションには多くの競争があり、現時点でほかの選手を選んでいるというだけ。
(リースはなぜローンに出さなかったので……)
イエス。いくつかのことが重なったんだ。リースはここで戦いたいと考えていた。そしてその意志と情熱を見たとき、もし機会が制限されたとしても彼をキープしたいと感じることになる。しかしものごとはすぐに変わる。もし彼がいいプレイをして、やれることをやった場合。なぜ出さない? もっとプレイするに決まってる。
チームニュース
(ダヴィド・ルイスはダンダークでプレイできる……)
ダンダークでは無理。週末もかなり怪しい。
(ウィリアンはセレクションに入る……)
ウィリアンはこの2日間チームとトレイニングしている。明日はどこかのタイミングで試合に入るかもしれない。
(ブカヨ・サカは準備できている……)
ブカヨはノックがあったが、問題なくトレイニングしている。
その他
(メスト・エジルの試合中のソーシャルメディア活動……)
わたしはソーシャルメディアはフォロウしていないんだ。でもこのクラブに関わっている全員が、試合のときはいつでもチームをサポートしてくれることを期待しているよ。
(FAの「Leadership Diversity Code」について……)
(※訳注:Leadership Diversity Codeは、新たに雇用するクラブのコーチやスタッフらに一定の割合でブラックやエイジャン、女性を含めるなどを求める取り組み。AFCを含め英国の40クラブが参加。https://www.thefa.com/news/2020/oct/27/football-leadership-diversity-code-launched-271020)
われわれはそれをサポートする。社会の全員に機会均等をもたらすものだ。ダンダークのコーチについても話していたのだが、門戸は誰にでも開かれていていい。この業界では、これは必要なことだったと思う。10-15年前よりは確実によくなっている。だがこれで進歩や進化ができなくなったというわけではない。こういったことはわれわれの環境にとりとてもポジティヴなことだ。
オフィシャルサイトで伝えられているのは以上。
ムスティはやはりツッコまれているな。。
以下、なぜかオフィシャルのトランスクリプトから漏れている?話題。
ウィリアム・サリバについてアルテタ「彼には申し訳なかった」
アルテタ:(EL登録から漏れた件)ウィリアム・サリバにはほんとうに申し訳なかったと思う。なぜならチームはたくさんのセントラルDFがいたから。わたしも心苦しかったが、彼をスクワッドから外す決断をした。
パブロが2週間で戻ってくると思っていたのだが、彼はセットバックを起こしてしまい使えず。ウィリアムはフィットして準備もできているにも関わらず使うことができない。しかしそうした決定をするとき、いつも先のことがわかるわけではない。
(サリバの進捗)イエス。彼はよりよくなっている。彼はここでより自信を感じるようになってきた。彼のことばも進歩していてい、フィジカリーな要求にも理解をしだすようになっている。
彼がU-23で数試合プレイしたのは、それが必要だったからだ。彼はこの7-8ヶ月はプレイしていなかった。彼はどんどんよくなっているよ。
オバメヤンについてアルテタ「彼をCFでプレイさせる可能性は多いにある」
こっちはトランスクリプトが見つからない。プレスカンファレンスでのアルテタコメントを伝えたジェイムス・ベンジのtweet。
Arteta has indicated there’s a “very strong possibility” that he will move Aubameyang to centre forward. He adds that he feels “really bad” to have left out Saliba from the squad, particularly after Mari suffered a setback.
Saliba is, however, in a “much better” place.
— James Benge (@jamesbenge) October 28, 2020
アルテタはオバメヤンをセンター・フォワードにすることについて「とても可能性がある」と示唆した。
まじか!! ついに。
ムスタフィのコメント「こんなディーテイルなトレイニングはやったことがない」
今朝『Mirror』のtweetで彼のことを“come back king”と書いてあって思わず笑ってしまった。何度やらかしても何度もカムバックする漢(そしてまたやらかす&以下ループ)。
今回の会見はボスと同席していた。アルテタについて語っているぞ。オフィシャルサイトより。
ムスタフィ:初日から、彼がピッチでぼくらにやらせようとしていることをみんなが信頼していたよ。チームをどんなふうにプレイさせたがっていたか。
思うにチームのひとりひとりみんなにとって、イージーになったんだ。だって自分がやらなきゃならないことがわかれば、ピッチで何が起きているのか完全に理解できるし、チームを強化するために自分のパートをどうプレイしなきゃならないかもわかる。それがすごく助けになる。
ぼくはピッチで自分がやらなきゃいけないことはわかっている。コーチから求められていることも完全にわかっているし、それでだいぶ楽になっている。
これは云わなきゃならないが、こんなディーテイルなトレイニングセッションはやったことがないよ。何にでもどえらいディーテイルに取り組んでいる。もちろんまずは自分たちのフットボールをしようとすることさ。でもそのつぎには相手を分析し、自分たちの強みをもって相手のどこを倒せるか見ていくんだ。
彼にはつぎの試合でどうプレイしたいかのアイディアがつねにあり、どの試合も同じではない。彼はトレイニングピッチに出る前にチームをとてもよく分析していて、何をやらせたいか、トレインしなければならないこともわかっている。そうして週末の準備もしていくんだろう。
それはポジティヴなことだ。試合になれば、トレイニングセッションでやったことをもっていく。だから試合とトレイニングで同じ絵がある。それがすごく助けになる。
最近よく思うのだが、アルテタとエメリ氏の違いはなんなのだろうと。エメリもよくすごく細かいトレイニングをやるコーチと云われていたような。
エメリにフェアになれば、彼らがやっていること/やろうとしていることに、そこまで相違はないように思えてきた。
やはりコミュニケイションとかカリスマなんですかねえ。