アーセナルFCの移籍ビジネスの拙さ
今回大量にシニア選手を整理したのはいいが、それはそうしないよりはだいぶマシというだけで、ビジネス的には悲惨なものになっている。これだけの選手を退団させて移籍金をまったく得られていないのだから。
ラウル・サンレヒがかつて、アーロン・ラムジーの事例の反省から、残り契約が2年となる選手はその時点で売るか残るかを決めるというポリシーについて話していたが、いまはほとんど有耶無耶になってしまっているようだ。オバメヤンはギリギリだったが、ラカゼットはこの夏で残り1年。もはや選手を売るにも残すにも理想的なタイミングではなくなっている。
『The Sun』がアーセナルの2018年以降のフリー退団をまとめていた。
£163.5Mを使って、得たのはゼロ。どえらい散財。これでいつも金がないと云っているのだから片腹痛い。無駄遣いをしているだけ。
仮に売れば£167Mになっていたという計算になっているが、それは実際に退団した時点のMV(マーケットヴァリュ)でのカウントあって、もし売るタイミングを間違えなければ、こんな金額ではなかっただろう。サンチェスとラムジーだけでも余裕で£100Mは超えているし、そのほかの選手だって売りどきはあった。
とくにサンチェスとラムジーの案件はほんとうに経営上・運営上のミスのようにしか見えなかった。サンチェスは契約延長する気がなかったのだからさっさと見切りをつけるべきだったし、ラムジーのときは完全に判断が遅れた。いまさら悔やんでも詮無いことだが。
£100Mの金を失う判断ミスをすれば、責任者が無能とそしられても仕方があるまい。無能というより害悪。仮にその資金があれば、いまどんな選手がいただろうと考えると、まったくやるせない気持ちになる。
以前、RBライプツィグの上手すぎる移籍ビジネスが少し話題になっていたが、世界で最高のビジネス上手のようなクラブまでは期待しない、だが少なくとも最低限のビジネスはキープしてほしいと思う。それがチーム強化にもつながるのは明白なのだから、プロスポーツクラブなら、そこはチームのパフォーマンスと同じくらい重要視すべきだ。
前任者の尻拭い
なんだかんだ、エドゥもアルテタもいまはまだ自分たちのやりたいことをやる以前に、これまでの悪いマネジメントの尻拭いに忙殺されているというのが現実。
今回も大成功と浮かれているが、要はマイナス分を排除しただけである。本来の移籍ウィンドウはプラスの活動がメインであるべきだろう。なんという無駄の多さ。
『The Telegraph』のサム・ディーン。
To be clear, I think Arsenal have had a very good window, given the circumstances. They have done what needed to be done, and probably a little bit more. It’s just the reality of their situation that a big part of this window was about correcting errors of the past.
— Sam Dean (@SamJDean) February 1, 2021
ディーン:これは文字通り、アーセナルがこれまでのエグゼクティヴやマネジャーたちのミステイクスの代償を支払ったウィンドウだ。エジル、ソクラティス、ムスタフィ、すべてみんなクラブから退団させるために支払っている。これは、アルテタとエドゥの下で、安定した整合性のある戦略を持つことがどれだけ重要かを表している。
明らかに、アーセナルにはとてもいいウィンドウだったと思う。この状況を踏まえれば。彼らは必要とされていることをやり、もしかしたらもう少しやった。これが彼らが置かれている状況の現実である。このウィンドウの大きな部分は、つまり過去のエラーズの精算だったのだ。
つまり、彼らはよけいに素晴らしい仕事をした。エドゥとアルテタ。そしてヴィナイやもしかしたらメルテザッカーも。
チームミケルのスクワッドビルディングは少しづつ前に進んでいる。
おまけ
The AFC Bellがリタイヤ
アーセナルファンのあいだではカルトヒーローと化していた、アラビア語でスクープ連発の謎ニュースカウント「TheAFCBell」。先月末、クルーの解散を表明していた。
بيان وداعي من طاقم #جرس_أرسنال
للقراءة: https://t.co/gzzIcDa4vi pic.twitter.com/lwbzedXXCX
— TheAFCBell🔔 (@TheAFCBeII) January 31, 2021
この衝撃のニュース(笑い)はさまざま憶測を呼んでいたが、アルテタが云っていた内部リーク元を特定した件とは関係があるんだろうか。時期的には近いものがある。
なぜか英語での発信を頑なに拒んでいたBell氏。トマス・パーティ情報に異様に詳しかったBell氏。知らないことは知らないと云う謙虚なBell氏。好きだったな。日本語の直訳もなんか毎度笑えたし。
こうして個性的なアカウントが突然消えてしまうなんて、だんだかさびしいものだ。
おわり
ラストサムライ。
チームを去ってもなお愛される選手たちとは、やっぱ違いますね。アルテタも最初は使ってましたからね。口には出せないことがあったのでしょう。
そして、これからが大事ですね。
グーナーとしては、ネルソン、ウィロック、エディ、ナイルズを中心としたチームを期待して、アルテタもそうしようとしてるふしはありましたが、結果が出なかった。
そこにさっそうと現れたのが次の世代。
スミスロー、サカ、ガビ、ここにもしかしてバロガンも。ローとサカはすでに絶対的な存在にまでなってますよね。
嬉しいことですが、エディたちもまだあきらめないで、アーセナルでチャンスをつかんでほしいっすね。
わたしはある意味、アーセナルは選手の最終目的地で、一番脂がのっているシーズンをあまねく、ここで過ごしてほしいので、外で実績積んでいるプレイヤーの売却益はそこまで狙わなくてもいいのかな、と思います。まあ、コロナ禍でクラブ運営に支障がきたすようでは本末転倒なんですが・・・。でも、コッシーとか、プレーしているときは銅像あってもいいレベルだと思ったんですが、終わり方とか、晩年の過ごし方、って本当に難しいですね。お金を置いて行ってくれたイウォビとか考えると、アカデミー選手で核になる可能性が低ければ、むしろいいタイミングで外にだしてあげるほうがアカデミーにいい選手が入るサイクルができるし(お金も得れるし)。いまはじっくり、エジルが来てくれた興奮の余韻を楽しもうと思います。サンチェス、エジルが一番脂のっていて、最も輝いていた時代、本当に我ら幸せをくれたように思います。で、ヴィラ戦から、また新たな一章ですね。
ロビンから続いた左のNo.10、次は誰が付けるのか。
そのうち、1回まるまるメスト・エジルについてのエントリを執筆されるかと思ってました。笑
サリバはパスを出す能力が問題なんじゃないかと思う。
自分でボールを運べるけど、運んだ先で手詰まりになるケースも多い。
ホールディングは最近ああいう詰まり方をしないから、違いはそのへんかも。
サリバを獲得した時点ではエメリだったから、評価されるポイントが変わってきてるのも気の毒だ。
速いし強いし守備は満点だと思うんだけど。
ただホールディングだってロングパスの才能があるわけではないし、足元のつなぎもアルテタが満足してベンチに呼ぶまでにずいぶん時間がかかった。
もしホールディングに近いレベルの球出しができれば、ボールを運べる分サリバが有利だと思う。
僕は今でも、サリバはそこまでスタメンから遠くないと思ってる。
アーセナルを買うクラブにするか売るクラブにするかのビジョンがまちまちなように思う。
(それはクラブ関係者だけでなくてファンもね)
バルサもマンUもマンCもPSGもチェルシーだって、買うクラブは売るのはヘタ。
ポルトやアヤックスは売るのも育てるのもうまいけど本当にスーパーな選手はKeepできるクラブじゃない。
ってことはプレミアリーグにいるアーセナルの場合は、売るクラブ路線の場合CL出場権はほぼ諦めつつ、サウサンプトンやレスター位のポジションを目指すことになる。
アヤックスやライプツィヒ、ポルトやセルティックとかとは国のリーグの競争力が違うから、
「育てながら買って、売る」は今のプレミアではムリかも。まじで。