ペナルティテイカーのサカ。挫折から信念へ

サカも今回輝いていた。

Bukayo Saka for Arsenal vs. Liverpool:

43 touches
15 final third passes
10 touches in opp. box
4 shots
4 duels won
3 passes into the box
3 shots on target
2 crosses
2 fouls won
2 goals

The match winner. 🙌 pic.twitter.com/YU9LIDHLep

— Squawka (@Squawka) October 9, 2022

それでも、ペナルティでサカ登場は、さすがに驚いた。彼はファウルを受けた当事者でもないし、このチームのなかでいちばん信頼できるストライカーというわけでもない。

だが、彼の試合後コメントによれば、ペナルティテイカーをみずから志願した。そして、チームもそれを支持した。

サカといえば、去年のEUROで自分のペナルティ失敗でイングランドチームが敗けるという、超苦い経験をした。あのとき、大きな批判にさらされたこと、またそれを超える大きなサポートがあったこと。あの体験で、きっと彼は世の中を知り、よりいっそう大人になったのだろう。そうしたことを踏まえて。

今回だって、EUROのときに負けないくらいプレッシャーがあったに違いない。だが、彼はそれに打ち勝って、みごとにゴールを決める。あのショットには、覚悟が観えた。

あそこは、なんというシーンだったんだろう。間違いなくこの試合のハイライトのひとつだった。

ところで、あのシーンのTVコメンタリ（Peter Drury）がすばらしいと話題になっていた。エイミー・ロウレンスは「まるで詩のようですらあった」と。

What a piece of commentary Peter Drury has produced for Saka’s penalty 🥲 pic.twitter.com/od3EyVOvun

— 🧑🏽‍🦱 (@Missionelli) October 9, 2022

このtweetのLIKEは40k以上。こういうとき、エモなBGMをつけるのはなんかイヤだけど（笑い）。

ぼくは、このひとの名前を知らなかったが、Peter Druryというスポーツコメンテイター。よくアーセナルの試合コメンタリでも聞いている、かなり好きなコメンタリだ。この声と話し方が、これぞPLリーグ！という感じがする。

そして、おひさしぶりの #YaGunnersYa 。

Just love for my boy @BukayoSaka87 ❤️❤️❤️
Rocking the Premier League … 🔥🔥🔥 #YaGunnersYa #ARSLIV

— Mesut Özil (@M10) October 9, 2022

ガブリエルのハンドボール？

72分のペナルティ判定については、結果的に試合を決めることになったとしても、まあ大きな問題はないとしようか。

リヴァプールのファンと外野は、「あれはソフトなコンタクトだ（ファウルを取るまでもない）」と騒いでいるようであるが、ボックス内で相手選手の足を蹴ってしまえば、十中八九ペナルティだろう。あんなのはどんな選手だって狙っているので、仮にあれがジェズースじゃなくたって、あそこは大げさにぶっ倒れてファウルをアピールするところだ。もちろん、ジェズースはキックされてほんとに痛かったのかもしれないし。

あのシーンは、とにかくリヴァプールのゴール前で、守備側に時間も空間も与えず、パニック状態をつくりだしたアーセナルがうまかった。われわれがいつもやられるやつ。

個人的に、より議論があってもおかしくなさそうと思ったのは、14分のガブリエルのハンボー疑惑。

疑惑というか、たしかにボックス内でちょっと挙がってしまったビッグガビの手にボールは当たっていたので、あれは完全にダメだと即座に思った。だが、レフは流した。VARの確認もあったようだ。そしておとがめなし。

ああいうのは、しばしばペナルティ判定をされるもので（アーセナルではバーンリーでのぺぺのアレを想起するが）、今回それがおとがめなしだったのはなぜか。

当然、r/Gunnersではこの話題はまったく盛り上がっていないが（笑い）、あるファンがシェアしていたところによれば、PLでは昨シーズンからハンドボールのルール改正があって、それの影響ではないかということ。

What’s new in 2021/22: Handball Law

くわしくは、こちらのPLオフィシャルサイトの説明を観ていただきたい。

ざっくり云うと、ハンドボールはそれまでよりも「意図性」がより重視されるようになった。つまり、手が自然な位置にあるかにくわえて、それが故意で（わざと）行われているかどうかを重く観る。今回で云えば、ビッグガビにボールを手で防ごうという意図は観えなかったという判断なんだろう。

ただ、アレを意図性があった、たとえガビが目をそらしていても、ボールを防ごうとしてわざと手を上げたと判断される可能性はゼロではなかったはず。

だとすると、あそこは若干のラッキーがあった。とくに、これまでのアーセナルへのレフの厳しさを考えると。

あそこでペナルティから失点していたら、違う結果になっていたかもしれない。結局、こういうラッキーも味方につけるのが強いチームだなと思うのであった。もしこれがアウェイだったら、レフが冷静な判断ができていたかどうかはわからない。

いずれにせよ助かった。

ペナルティ騒ぎからのヘンダーソンとガブリエルの事案

ビッグガビが激おこ。チーム全体がもみ合いになったあの騒ぎについて、このあとFAが事件の調査に入るという。なんだか深刻そうだ。

FA reviewing incident involving Arsenal and Liverpool players after flare-up https://t.co/ob1U7YvgS5

— Guardian sport (@guardian_sport) October 9, 2022

プレスから質問を受けたアルテタは、あそこで起きた「Incident」についてレフから話があったとだけ述べた。そして、クロップのほうは、試合後のプレス会見で同じ質問に対して回答を避けたらしい。

ひとまず真相は、まだはっきりしないのだが、どうもヘンダーソンがガブリエルが激怒するようなことを彼に云ったという説がある。

r/Gunnerのとあるポスト。

あれは完全にヘンダーソンだ。わたしはノースバンクの席にいて、起きたことを全部観ていた。ガブリエルがヘンダーソンを指さして、マイケル・オリヴァーに何かを訴えていた。そのあとオリヴァーはタッチラインに向かって、クロップとアルテタに話をしていた。ヘンダーソンは震えているようだった。

The look of deep disappointment on Firmino’s face in his captain, Henderson whilst Firmino’s Arsenal compatriot, Gabriel, is very upset. Something is not right here pic.twitter.com/cJKQG549ya

— Rageh Omaar (@ragehomaar) October 9, 2022

フィルミーノが彼のキャプテンであるヘンダーソンを観る表情に、深い失望が観える。フィルミーノの（ブラジル人）仲間でもあるガブリエルはかなり怒っている。なにかまずいことが起きている。

ここから想像できるのは……

リヴァプールのキャプテンは、ついカッとなってやっちまったのかもしれない。

その他試合について

• 今回もファンのノイズすごかった！  TVからもわかった。現地にいたひとが心底うらやましい
• ミケルのジャンピングガッツポーズ
• カウンターからマルティネリA→サカGで、なぜビッグガビがあの位置に。隠れアシスト
• オーデガードのスルーボール。おれはアレでご飯が何杯でもたべれる
• トーマス・ザ・ビースト。世界最高のNo.6のひとり
• サリバとVVD。どうだったか
• ホワイトのオーヴァーラップ
• KTの気持ち
• ジャカ
• ジンチェンコの喜びよう
• Kendrick LamarとBaby Keem

Image of the day. おめでとう。

うっかりだとしても、相手を挑発するようなポーズはいけません。後悔しても、ミームとしてずっと使われていくんだよなあ。

試合については以上。

Related Posts