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【マッチレビュー】24/25 EPL アーセナル vs リヴァプール(27/Oct/2024)二度追いつかれホームで痛恨のドロウ&さらなるケガで泣きっ面に蜂

アルテタの現実主義的アプローチと「モウリーニョになりつつある」という指摘

今回、2-1でリードした後半に、アーセナルの攻撃パフォーマンスが落ちたこともあって、世間ではアルテタのアプローチにやや懐疑的?な声が出ている。

Sky Sportsのパンディットたちの試合後の発言は、非アーセナルファンの声を代弁しているという気もする。

ロイ・キーン:わたしはアーセナルのメンタリティが心配になってきた。彼らは3点めを狙いに行くのではなくシットバックするようになったため、リヴァプールは彼らが望めば前に出られた。

わたしは、彼らの信念が心配だ。彼らはほんとうにマンシティに挑戦できるという信念はあるのかね?

ジェイミー・キャラガー:アーセナルを観ていて興味深いことがある。わたしはそれをもう長いこと観ていて、なぜならアルテタはグアルディオラと仕事しているから。そして、わたしは彼はグアルディオラの弟子だとずっと思っていた。

しかし、もしこの15年でもっとも成功したふたりのマネジャーのことを考えるに、ペップ・グアルディオラというよりは、ジョゼ・モウリーニョが思い出される。

アルテタは、ゆっくりとモウリーニョタイプのマネジャーになりつつある。誰もそんなことが起きるとは思ってもなかったはず。しかし今日は彼らは後半になって引いたんだ。

まあ、たしかに後半のアーセナルはほとんどの時間でリヴァプールにプッシュされており、守備の局面ではいつもやるように、全員がボールのうしろにいるみたいにゴール前にブロックをつくっている時間は長かった。

ただ、当然多くのアーセナルファンは、最近の試合で10人でプレイしたときの攻撃への消極性、あるは時間稼ぎのようなダークアーツ(笑)を批判されたときと同じように、今回の後半のDF危機という特殊なチーム状況が考慮されないこうした言説を不当だと感じているだろう。ガブリエルが後半まるまる、ティンバーが後半の半分はいなかった。したがって、そのご指摘には当たらない。

ぼくももちろんアーセナルのファンとしてそれに共感するし、チームが11人なら、万全なら、違うパフォーマンスになっていたと信じている。

しかしそのいっぽうで、アルテタの現実主義的なやりかたはいまに始まったわけじゃないという気もしているのが正直なところであり。

ウナイ・エメリの時代に、彼がリードしたあとさらなるゴールを狙うより、そのリードを守ろうとする消極的メンタリティの傾向と、それが少なくない機会で裏目に出ていることを、このブログでたいそう批判的に書いた記憶があるのだが、アルテタにもそれと似たメンタリティはけっこうあるようには感じていた。リードした終盤で攻撃の選手に変えて守備の選手を入れることはよくあるし。

少なくとも、クライフイズムとかヴェンゲルイズムみたいな「相手より多くゴールすれば勝てる」「ボールを持っているあいだは攻撃されない」のような、シンプルというか無邪気な攻撃への信奉や原則は彼の辞書にはないという気がする(※この部分のツッコミはご容赦ください)。

だから、アルテタを評して「ペップよりジョゼっぽい」という指摘は、じつは当たらずといえども遠からずというか。ぼくは、少し前に書いたようにどっちの要素も持っているのが、ミケル・アルテタというひとだとは思っているのだが、たしかに最近はチーム状況もあって、パークザバスやダークアーツなどジョゼっぽさが前面に露出しすぎている感は否めない。

ただ、これがおもしろいと思えるのは、アルテタがペップスクール、ヴェンゲルスクールの学徒でもあったからだろう。そして、モイーズスクールも。そのすべてがミックスされて、熟成されて、彼自身の素材としての味が合わさってユニークな戦術家として出力されている。

アーセナルのファンというか、フットボールのファンが「モウリーニョみたい」と云われて腹がたつのは、彼のマネジャーとしての偉大さや功績を考えるとなんだか笑えるが、心配しなくてもアルテタはそれだけじゃない。

彼の理想や目指す完成形は、けして「モウリーニョタイプ」なんてことばで片付けられるものではないはず。近い将来、こうした評論家連中にも、彼が唯一無二のマネジャーとして称賛される日が来るのを楽しみにしておこう。

そういえば、ジョゼといえば彼はPLに復帰したく震えているようだ。先日のニュースによれば「ヨーロッパがなくてもいい」とミッドテーブルクラブにすら秋波を送っているという。彼のような扱いの難しい、しかも安くもないマネジャーがそのようなクラブに歓迎されるようには思えないが、みている分にはおもしろいのでそのうち戻ってきてほしい気がしないではない。

今回も議論な判定

恒例の。いくつかある。

ひとつは、試合が始まってすぐのハヴァーツとVVDの事案。ハヴァーツのマークにそうとう苛ついたのか、後ろ足であきらかに蹴りを入れている。馬かな? しかも2回も。どう観ても暴力行為でカード事案にしか見えないが、もちろんおとがめなし。

こりゃダメでしょ。

それとこれ。ライスとトロサールが退場になったことで、リスタートの妨害は毎週の各試合でチェックされているが、どうもアーセナルほど厳しい処分がくだされるケイスは稀なようで。

このシーンについて、すでにレフを引退しているマイク・ディーンが「アーセナルはフリーキックを急いでいなかったから(カードじゃない)」と述べたとか。だったら、トロサールのときもシティの選手はフリーキックを急いでなかったんだが。そのときどきによって都合の良いいい訳をするから、結局は矛盾になる。

それと試合後は随分と注目されているこれ。マルティネリがボックス内でKonateにふっとばされてる。ただ、これは違うアングルからだとKonateはボールに触れているっぽいので、おとがめなしはしょうがないのかも。ただ、ネリが倒されていなければボールは近くにあってチャンスになった可能性はあるため、仮にペナルティでもおれは許す。

そして最後の例のやつ。89分。この映像はおま国。

これは、最後にジェズースがゴールする前にホイッスルが鳴っているので、いずれにせよノーゴールは覆せないのだろうが、そもそも何がファウルだったのかがわからないという。

別アングル。

レフリーのAnthony Taylorがホイッスルを吹いた瞬間が下のタイミング。ハヴァーツがDFを出し抜いてGKと1 v 1になったところ。

このあとハヴァーツはGKをかわしてゴール前へ、ショットはポストにヒットしてこぼれたところをジェズースが押し込んだ。ハヴァーツがGKをかわした時点でリヴァプールはプレイを止めてしまっているので、レフリーも後戻りできなくなっている。

この一連のプレイでファウルが考えられるとしたら、キヴィオールがヘッダーで勝つところくらいしかないように思えるのだが、それのどこがファウルかわからない。

ハヴァーツがGKと1 v 1になったところで、レフが急いでプレイを止めようとしているみたいに観えて、今回もまた陰謀論が捗ることに。「アーセナルはなぜか不利な判定をされる」。

それを支持するとどめが終了間際の幻コーナーキック。ジェズースが相手DFとボールを奪い合って、相手選手がラストタッチに観えたが、なぜかゴールキックの判定。今シーズンPLでも何度かあったラストミニッツのゴールの可能性を、いかにも阻止したみたいなレフリーの判断。アーセナルはなぜか(以下略

ミケル・メリーノの片鱗をみた

ホームで初スタート。G1。彼はよかったんじゃないか。前も書いたように、さすが現役のスペイン代表という感じのプレス耐性と気の利いたパス。あの高く足を上げたタッチもすごかった。キヴィオールにあれがあればリヴァプールの2点めもなかったかもしれない。

今回はとくにセットプレイからゴールを決めてくれたのもよかった。もともとの彼の強みをちゃんと活かした。彼はあのゴールの前にも同じようなフリーキックに飛び込んでのショットがあり。

この試合ではチームプレイへの関与も増えているように観えて、徐々にチームの一員になっていっている。これからもっとチームに慣れていくのが楽しみである。

 

試合については以上

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2 Comments on “【マッチレビュー】24/25 EPL アーセナル vs リヴァプール(27/Oct/2024)二度追いつかれホームで痛恨のドロウ&さらなるケガで泣きっ面に蜂

  1. これも大きくはアルテタのターンオーバー不足が招いたことかなぁとも思います。
    主力を絶対的な主力として、控えは絶対的な控えとして扱っていたら、それはこうなりますって!って感じます…

  2. 守備はよく頑張ってますがマルティネッリがイマイチかなと思います。左のクォリティが上がれば怖いチームになれそうですが右のサカがスゴすぎるのを割り引いても左は少し弱いです

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