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カイ・ハヴァーツのレフトバック

どうも。

フットボール世界は、インターナショナルブレイクでひきつづき静かであるが、ナショナルチームの試合は行われている。

そんななかで昨日は、驚きのニュースが。

われらがカイ・ハヴァーツが、ジャーマニーNTの一員として、ターキーとのフレンドリーマッチで、なんとレフトバックでプレイしたというのですな。そして開始5分でゴール。

もっとも、ドイツは試合には敗けてしまい、勝負の決め手となったペナルティはハヴァーツのハンドボールがトルコに与えてしまったものらしいが。それは、それとして。

もちろん、彼はアーセナルに来てから3ヶ月以上たっても、いまだにベストポジションを探っているような状況であり、アルテタにとっても、これは興味深い試合になったに違いなく。



カイ・ハヴァーツがレフトバックでプレイする

昨日2023/11/18のインターナショナルフレンドリー。※EURO2024はドイツが開催国で予選がない?

ジャーマニーは、こういうスターティングラインナップだった。

ハヴァーツのレフトバックは、ジャーマニーNTのヘッドコーチであるJulian Nagelsmannによって、試合前には伝えられたという。てか、このひとがドイツ代表のマネジャーになってたとか、今回はじめて知ったわ。

Julian Nagelsmann:われわれにはいろいろなフォーメイションがある。カイは、いつもそのポジションにいるわけではないよ。わたしには、彼のためにとてもいい考えがあるのだ。彼は、素晴らしく優秀なフットボーラーであるから。

これは非常によいオプションだ。彼は、つねにクラシックなレフトバックとしてプレイするわけじゃない。

とある試合リポートによると、チームは基本的にバック3でプレイしていて、ハヴァーツは“inverted winger”のようにプレイしていたとのこと。FüllkrugとLeroy Sanéがかなり右サイドに寄っていたので、左サイドでバランスを取るために高い位置をとっていた。

守備的にも大きな問題はなく(前半のイージーな2失点はどちらも逆サイドから)、レフトバックでプレイしたことで、クリエイトするためのスペイスがあるなど、彼自身にとってもよい効果もあったようだ。

この映像はいずれ消えるかも。ゴールは弱足。わりとちゃんとLBっぽい位置にはいる。

これまでハヴァーツは、ナショナルチームではほとんどCFとしてプレイしてきたが、いまはBVBのFüllkrugが好調でCFポジションをキープしており、Nagelsmannとしてはハヴァーツをどこで使うかは、いまのアーセナルやかつてのチェルシー同様、頭を悩ませる問題であったようだ。

しかし、だからといっていきなりLBとは。誰も想像しなかった。アルテタもびっくり。

アルテタは、このコンヴァートをどう観ただろうか。

ハヴァーツLBのアーセナルへの影響

アーセナルでもハヴァーツのLBで起用する可能性はあるだろうか? これはファンとしても非常に興味深いと思う。

まず、現状ではアーセナルはレフトバックには困っていない。

ジンチェンコとトミヤスがポジションを競っている状況で、ふたりともフィットしていて、それぞれのキャラクタリスティクスからして試合によって選手を選べる多様性もある。ジュリティンが長期離脱から復帰すれば、3人でスターティングを競うような状況すらありえる。バックアップには、キヴィオールさえいる。

かつて、アルテタがジャカをLBに配置したときとは、違う状況だろう。アルテタが現在のオプションに不満を持っているとも思えず。

だから、いまハヴァーツをわざわざLBでプレイさせる必要性はない。

必要性はないが、もし彼がLBでプレイするほうがチームに貢献できるとなれば、もちろん話はべつ。

アルテタは、オーデガード離脱後は彼をR8でプレイさせていることからもわかるように、いまだに彼のベストポジションを探しているように観える。アルテタは、よくハヴァーツのヴァーサティリティを称賛しているが、裏を返せば、選手のポジションを固定しないのは、どこで使えば活躍してくれるのかいまだに実験をつづけているようなもの。そういうのは、ウィリアンのときにも観た。

したがって、この実験はとくにアルテタにとって興味深かったかもしれない。

この件で、ひとつおもしろいと思ったのが、最近のアーセナル界隈でジンチェンコの8についての議論がされていたこと。

こういうやつ。「アーセナルには<レフトエイト>に問題アリ、ジンチェンコで解決できる」

Arsenal have a ‘left eight’ problem – and Zinchenko can solve it

ジンチェンコは、ウクライナNTではL8でプレイしていて、以前からアーセナルでも彼をLBではなく、MF(8)でプレイさせるオプションについては、しばしば話題になっていたこと。これまでのところアルテタは一度もそれをやったことがないが、これからもやらないとは限らない。

最近の試合ではトミヤスがLBでかなり活躍していて(先月はクラブのPOTMにも選出)、より競争力ある相手の試合では、LBはジンチェンコより守備を期待できるトミーが優先されることも少なくなかった。

また、近い将来ティンバーが戻れば、LBは選手があまりかねない。彼は、予定よりも早い復帰スケジュールになるという説もある。

だから、ハヴァーツのことがなくても、アルテタは、ジンチェンコのMFへのコンヴァートは真剣に検討をしているのではないかと想像される。彼のクオリティはベンチにおいておくにはあまりに惜しいし、ちょうどL8がジャカのリプレイスメントに苦しんでいたことを考えれば、ジンチェンコがポジションを上げるオプションは、検討しないほうがむしろ不自然ですらある。

ジンチェンコの8とハヴァーツのLB。今後どうなるか注目しよう。

ところで、Nagelsmannとアルテタは、個人的なつながりはあるんだろうか。ちょっとググってもわからなかった。もし電話で話せるような仲なら、当然このことについて議論をしたいだろう。お互いに。ふたりとも、自分のチームのなかで、どうにかしてハヴァーツの本来のクオリティをアンロックしたいのだから。

ひとまずは、あさってのオーストリー戦で、ハヴァーツがもう一度LBでプレイするか。

ハヴァーツは心優しきBFG

そういえば、話は全然かわるけど、『アオアシ』というアニメを観ていて、ストライカーの主人公がフルバックにコンヴァートされてめちゃくちゃ落ち込むというエピソードがあったのを思い出した。なんか死にそうに絶望してたけど、今回のハヴァーツとだいたい同じだなと(違うか)。

この少年。超能力者でもある

あの絶望具合はちょっと違和感あった。主人公の少年は往年のプロ選手の名前とかをけっこうよく知っていて(ちょっと古めの)、フットボールの知識もある設定なんだろうけど、だったらそんなに落ち込まないんじゃないかと。CBとかGKへのコンヴァートならともかく、むしろフルバックは攻撃のキーマンだったりするのが現代フットボールで、彼のようなサッカーファンがそれを知らないのは設定上ちとおかしく思えたのだよね。まあ、あのあと「フルバックはモダンフットボールでは花形、ロベカルを見ろ」みたいな説得があるのかもしれないけど。

その点、ハヴァーツはLBでもなんか全然不満とか持ってなさそうなのがすごい。彼はどこでプレイしようが構わない。いやしらんけど。

最近ぼくは、ハヴァーツがクラスにひとりいるでかくて優しいひとみたいに思えてきた。でかくてケンカしたら絶対強いんだけど、怒らないし、いばらない。心が広い。BFG。

 

おわり



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One Commnet on “カイ・ハヴァーツのレフトバック

  1. もしかしたらアオアシは2015年から開始しているようなので、当時はフルバックが攻撃のキーマンになってきつつも、いまほど攻撃のキーマンではなかったとかでしょうか。
    自分はあまり戦術とかはわからないので、ジンチェンコロールで、ここまでフルバックが攻撃のキーマンになるんだーと思い知ったところでした。

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