アーセナルの2024年最初の試合は、FAカップのサードラウンド、リヴァプール。
アーセナルとリヴァプールは、3ヶ月連続試合の2試合め。
先月に行われた1試合めのPL@アンフィールドは、もちろんまだ記憶に新しい。PLでも、あんなにハイインテンシティな試合もないというほど激しくエキサイティングで、1-1ドロウの結果はアーセナルとしては悪くなかった。
しかし、それ以降アーセナルはWHUやフラムのようなチームにも連敗。PLの直近5試合で11ポインツを落とすという(W1 D1 L3)というミニスランプに突入している。トップを競うどころか、いつのまにか4位に転落し、トップのリヴァプールには5ポインツ差がついている。
そのようなこともあり、ニューイヤーウィークのアーセナル界隈のムードは、やはりネガティヴなものだっただろう。建設的な議論もあるいっぽうで、多くのファンが不満を感じているし、フラストレイションをためている。
したがって、アルテタはマネジャーとして、いまだいぶ難しい舵取りを強いられているが、このようなムードを打破するためにも、今回のFAカップをうまく利用したい。
ホームとはいえ、リヴァプールに勝つのはかんたんではない。アルテタがいかにしてこのチームのメンタリティを持ち上げて、ベストを引き出せるか。フラムでのショッキングなパフォーマンスから、どれだけ立ち直っているか。限られたスクワッドで挑む。
日曜の試合をプレヴューしてゆこう。
アルテタの試合前コメント「顕微鏡ではなく望遠鏡でみるべき」
昨日のアルテタの試合前プレスコンファレンス。AFCオフィシャルサイトより。
(ジンチェンコのケガとほかの離脱者について……)
アルテタ:彼はよく回復している。明日にトレイニングセッションがあるので、そこで彼が起用できるかいなか、スタートできるかどうかを観るつもりだ。あとは、とくにニュースはない。
(トマス・パーティがAFCONに行かなかった件……)
それが共通認識だった。彼は長期のケガをしていて、彼もリハブをがんばりたがっていた。彼もNTにはとても行きたがっていたが、チームとトレイニングするにも程遠いので、彼がそこへ行く妥当性はなかった。
(ジュリアン・ティンバーの様子?……)
残念ながら、あれも長期のケガだ。彼はよくやっているが、彼もチームとトレインするとか、チームで競えるほどフィットした状態には程遠い。だから、彼がすぐ戻ってくるということはない。
それがいまのわれわれだ。それがいまの状況で、トミも去った。われわれはそれに対処しなければ。
(移籍ウィンドウではLBがプライオリティ?……)
われわれは移籍市場にオープンだ。しかし、繰り返すようにまずは選手たちからベストを引き出すこと。
われわれも、そこに可能性があるのかどうか、いいオプションがあるのかどうか、クラブといっしょに取り組むつもりだ。だが、まずは、いまいる選手たちに集中する。
(まったくノービジネスかも?……)
可能性はある。
(ブカヨ・サカの扱いについてクラブがPGMOLと議論しているといううわさについて……)
それはデイリーとかウィークリーのやりとりの一部。われわれにも自分たちのトピックはあるが、その件で具体的な話はない。
(試合の早い時間のタックルにレフリーがあまりに寛大だと思う?……)
レフリーは相手の戦術もわかっているし、相手のプレイで何人かターゲットになっている選手がいることもわかっていると思う。もちろん、彼らは多くのタックルをやるが、彼らはそれに気づいていると思うよ。
(ブカヨに関して、レフリーになにか具体的な要求はある?……)
ない。
(あのコメンタリーが引き起こしたことには驚かされた?……)
もうあれから2年にもなるのか! われわれには、多くのファウルや注目を引き付けるウィンガーがいるのだから、それもふつうのことだ。
(あなたが選手・マネジャーとして勝ったFAカップに思い入れがある?……)
リアルなフィーリングだ。最初のタイトルをわれわれがやったやりかたで勝った経験はグレイトだった。そして、このコンペティションとクラブには大きな歴史がある。
われわれには、あらためてスタートする、そして美しい旅をする大きな機会がある。
(両チームともAFCONとAsian Cupで選手を欠いている……)
とても重要な選手たちだね。それはわかっていたことだ。われわれは、それに適応しなければならないし、それでもパフォームし試合に勝たねばならない。
(No More Redキャンペインの重要性……)
これはクラブの素晴らしいイニシアティヴだと思う。安全な環境をつくり出しサポートすること、力とキャパシティを利用してロンドンを安全なエリアに変え、ひとびとを助けねばならない。
これは3年前に始まった運動であり、すでに多くのひとたちを助けてきて、多くの注目も集めてきた。だから、もしわれわれが街の周囲のストリートをより安全にできるなら、とくに子どもがいるひとにとって、われわれも寝覚めがよい。
(いまはリヴァプールとプレイする理想的なタイミング?……)
これがドロウだから。われわれは2週間前にもプレイし、あれはすごい試合だった。今回もとてもいい試合になるはず。
(相手のレヴェルについて……)
われわれに選択肢はない。もし両チームに訊けば、おそらくは違うドロウを期待しただろう。だが、われわれはこのラウンドでこのすごいクラッシュがある。それに向かっていなければ。
(WHUとフラムでは何が悪かったので?……)
われわれは、そのレヴェルになかった。十分じゃなかった。わたしは、試合に敗けるのがふさわしかったとは思わない。しかし、勝つにも十分ではなかった。
(このフォームがつづくんじゃないかと心配?……)
そうじゃないことを願う。あれはあれっきりなのだから。わたしは、チームがあの試合のある時間帯でやったことは観たことがなかった。だから、つづかないことを願う。
(自信には影響はある?……)
われわれにあった勢いには影響している。クリスマスまで、われわれはリーグトップだった。6日後には4位だ。だから、顕微鏡でものごとを観たくなってしまいがちで、望遠鏡でもうちょっと先を観て、もうちょっとパースペクティヴを観るというのもある。
わたしの仕事では、多くの時間を望遠鏡で見通すことで、視野をもち、しっかりとものごとを分析する。そしてひとつのパフォーマンスによって左右されない。結果ではなく、パフォーマンス。
(FAカップについて……)
グレイトなコンペティション。さきほども述べたように、とくにこのクラブにとってはそう。われわれは、誰よりもそれを勝っているのだから、素晴らしい試合といいランを期待する。
(FAカップのどの試合にもVARがあればフェアだった?……)
理想ではイエス。その考えは100%支持する。
(エミレーツステディアムのアトモスフィア……)
それはわれわれだけのものであり、エミレーツで生み出される雰囲気にはとても満足している。ずっと素晴らしく協力的だ。
それを少し調整して、ときにはもっと敵対的になれるか? わたしはそれができると思うし、わたしの意見としてはそれはつぎのステップだ。
われわれは、自分たちのホームグラウンドで受けているもの、つくり出されているものにとても感謝しなければならないし、日曜はまたいい雰囲気になるだろう。
(そのつぎのステップをどう踏んでいく?……)
チームがもっと与えないと。チームが、そのファイト、アグレッション、脅威、支配を伝達しなければならない。今シーズンのある試合、CLの試合などでは、つぎのステップを生み出している。
(FAカップを勝った2020……)
勝利はいつでも信用を与えてくれる。それがみんなに感情的にもたらされる。なぜなら、最後の勝利はとても特別なフィーリングをつくるから。
そうした時間はいつもとても重要。チームと選手と関係性を進化させたい、つながりを持ちたいとき、それが役立つと思う。
(カップで勝ったから仕事を失わなかった?……)
わからない。そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない。われわれが勝ったのには理由がある。われわれはそれを勝つにふさわしかったし、ビッグチームにもあらためて勝った。コミュニティ・シールドでも勝ったのだから、われわれがここにいるのは理由があるのだ。
(あなたにとって極めて重要なときになっている?……)
それが役立っている側面もあるが、云ったように、わたしにはわからない。一ヶ月が過ぎて、何が起きたか観てみよう。2試合に敗けて、これから何が起きる?
6日前はリーグのトップで、それはつまりわたしたちがベストチームだったということ。このリーグでもっとも安定したチームだった。パースペクティヴで観ることだ。
(FAカップの再試合があれば、ミッドシーズンブレイクが中断される……)
ブレイクといっても最小限であり、われわれは両方のシナリオを持っている。フットボールではつねに可能性があるから。われわれは試合に勝ちたい、勝とうと努力する。しかし、それも考慮しておく必要がある。
(来シーズンからFAカップは再試合を止めることを考慮すべき?……)
そう思う。だが、それで何が起きるか。CLも新フォーマットになるからね。試合が増えるので、そこにどうフィットしていくのかわたしにはわからない。
(今回は誰がゴールを守るので?……)
当日観てみよう。いまはラインナップを教えられない。
(パーティはどれほどかかる?……)
数週間だといいのだが。何週かかるかは、彼のトレイニングのつぎのステップにどれだけかかるか。よく回復はしているがね。
(ファビオ・ヴィエラの回復は?……)
彼もよくやっている。しかし、あれはふたつのことを解決するための手術だった。最初の兆候としては良好。もちろん、われわれの要求にはまだ遠いので、彼はワークをつづける必要がある。できれば、このあとの2-3週間で戻ってほしい。
(ESRは夏の移籍にどれほど近づいている?……)
そんな計画はまったくない。
(彼が退団を望んだら邪魔はしない?……)
選手とはつねに2通りの会話がある。わたしは彼らの話を聞くのが好きだ。彼らがどう感じているか、彼らにとりベストなことはなにか、あるいは彼らがなにをしたがっているか。
なぜなら、彼ら、彼らの気持ちには寄り添っていなければならないのであり、彼らにはとても重要だと感じてもらう必要がある。いまも、シーズンの最大の期間であり、われわれは忍耐強くいなければならないし、彼には彼のチャンスがある。
(移籍を希望するどんな選手にも反対する?……)
スクワッドの状況による。われわれは、選手たちが望みをかなえることを助けたいが、同時に彼らにはチームの一部であることを理解してもらう必要がある。そうしてスクワッドは組まれていて、スクワッドのなかで計画されているので、選手がつねにほしいものを得られるわけではない。
彼らは、6ヶ月前には違うものを望んでいたかもしれない。新契約とかそのほかの個人の目標とか。だから、いつも思い通りになるわけではないということだ。
(コーチとしてゴールを決めるということでは教えることが少ない?……)
フィールド上のあらゆる部分の実行でだ。しかし、そうしたスペイスに関しては、タイミングと行動の定義を教えることはトリッキーになる。試合のなかでそのアクションを再現することはとくに。フットボールでは再現がもっとも難しいことかもしれない。
タイミング、相手の振る舞い、選手と相手のあいだの距離、ショットの正確な場所、キーパーのポジション、ゲイムステイト…… それはとてもトリッキー。だが、それはわれわれが改善したいところだ。
とくに最近は、そうしたチャンスをゴールに変換する点において。
(トレイニングでそれをエミュレイトしようとしている?……)
そのとおり。イエス。それはしなければならない。それがわれわれの仕事で、もっともしっかりと彼らにやらせねばならないし、選手たちがもっとうまくやれるよう助けられる、信頼できるシナリオが必要。
(FWたちが昨シーズンよりも生産的でなくなっている理由……)
彼らが去年やったことはふつうじゃなかったのだと思う。ああいう数字を維持することは、極めて難しいとわかっている。あれは一度きりみたいなものだから。われわれだけでなく、このリーグでは一度きりだ。
だから、われわれにはすべてのリソースが必要で、われわれが望むレヴェルを維持するために、あらゆる種類のゴールが必要。
以上
長いと思ったら、さらに後半があったずら……。
さすがにこれを訳す気力はない。HaytersTVの動画備考欄にあるインデックスから、気になるやりとりはこのあたり。
- (この試合でロテイトしない?)ある選手には機会を与える必要がある
- (チームはCLフットボールに適応している?)93%の選手が未経験。それでもよくやっている
- (選手は精神的に消耗している?)昨シーズンはひとりだけプレイタイムが突出していたが、今年は14人いる
- (ティンバーで大打撃?)大きな打撃。パーティも
- (去年から相手のセットアップが変わった?)ゲイムステイトで変わった部分はある。とくに戦術
- (もっと柔軟になることがより重要になった?)イエス。より予想できるようになっているのは、われわれにいいこと。選手とそのレヴェルにもよる