先日2/1をもって英国の移籍市場がクローズしている。遅ればせながら、ここでアーセナルの冬ウィンドウをざっとまとめておこう。
今回のハイライトは云うまでもなく、いろんな意味でアーセナルFCの運営における悩みのタネになっていた、多数の窓際シニア選手たちを放出できたこと。
なかでも、クラブからはほぼ戦力外の扱いを受けているにも関わらず「最後まで契約をまっとうする」と主張してきた、エジルやムスタフィといった高給選手たちをクラブの希望どおり退団させたことで、案件をマネジしていたテクニカルダイレクター、エドゥの豪腕ぷりが称賛されている。半年前なら誰もそんなことができるとは信じていなかった。
エドゥはスーパーエイジェント、キア・ジューラブシアンのクライアントということで、ウィリアン獲得への不満もくすぶっている昨今、アーセナルのファンには懐疑的な目で見られていたフシもあるが、今回の彼の仕事ぶりについて不満に感じるものはいないだろう。近年まれに見る納得感のある移籍ウィンドウとなった。
では獲得した選手から。
アーセナルが2021冬に獲得した選手
アーセナルはふたりのローンと、ひとりのユース選手を獲得。財政難のクラブにおいて、今回もまた散財することなく補強を行った。
先日、今年の冬ヨーロッパではクラブの選手への投資は例年にくらべ激減していたと総括されていたが、アーセナルもまたそんなクラブのひとつである。
Omar Rekik(オマー・レキック 19)CB
ヘルタ・ベルリンから。移籍金は£0.54M。
ぼくのブログで彼の獲得を伝えたニュースから引用。
<レキックのプロファイル>
ネザーランズ生まれの19才。186cmの右足。センターハーフ(CB)として右でも左でもプレイ可能。ホールディングMF(DM)としてもプレイできる。
NTのユースレヴェルではチュニジアとネザーランズでプレイ。
ユースキャリアは、フェイエノールト、マンシティ、PSV、マルセイユで。えらい渡り歩いているな。。
ヘルタ・ベルリンではトップチームでのプレイ経験はなし。
彼はなぜかいまもオフィシャルサイトのアカデミースクワッドのなかに名前がない。TMを見るに、まだU-23でもプレイしていないようだ。
19才といえば、サカやマルティネリ、サリバらと同じで、とても若いという年齢でもない。これからどうなるか見てみよう。
Mat Ryan(マット・ライアン 28)GK *ローン
ようやく獲得したセカンドGK。ブライトンから半年ローン。
BHAで120キャプス、「サッカールーズ」で58キャプスというヴェテラン。
シドニー生まれで「子どものころは朝4時起きでフットボールを観ていた」という、極東のわれらには非常に親近感を覚える彼である。
肝心のGKとしてのクオリティについて、『The Athletic』のこの記事(※要課金)によれば、アレックス・ルナーソン同様、スタティスティクス的にはだいぶプアだということ。そもそも彼はBHAでファーストのポジションを失っていたから移籍を許された。
ちなみにルナーソンは18/19リーグアンでセイヴ成功率がリーグワースト(57.8%)。ライアンは今シーズンのPLでそれをさらに下回る47.1%だそう。
しかしまあベルント・レノだってここに来る前は、その手のスタットは疑問を持たれるようなものだったので、今後どういうプレイをするかが重要だ。
アーセナルにとってセカンドGKの本命は、バルサのネト、ニューカッスルのフレディ・ウッドマン(以前誰かがコメントで教えてくれたような?)あたりで、本来ビッグクラブのセカンドならファーストにチャレンジできるクオリティが理想だった。今回は思い通りのターゲットを獲得できず、若干妥協したところが見え隠れしているような気がしないでもない。セカンドGKの補強は必須だったので、それも致し方ないところではある。
彼のBHAとの契約は2022年夏まで。半年でさよならとなるのか、それとも夏にはパーマネント契約となるのか。
プレイで信頼を勝ち取りたいが、アーセナルにはもうPLとELという本気コンペティションしか残っていないため、レノがケガでもしない限りは、価値を証明するチャンスが訪れるかは微妙かもしれない。
Martin Odegaard(マーティン・オーデガード 22) *ローン
MÖからMØへ。。。
彼の獲得もろもろについては、このブログでもニュースとして伝えている。11番。
アーセナルがマーティン・オーデガードのローン獲得を発表 | ARSENAL CHANGE EVERYTHING
彼が来てから、チームもまだ数試合しかプレイしていないが、まだまともな出番はなく。
今後、彼がプレイできるチャンスについて考えるに、やはりPLではESRに何か起きない限りは彼がNo.10でスタートすることは難しいかもしれない。それほどいまのESRはいいパフォーマンスをつづけている。
直近でチャンスが訪れるとしたら、やはりELだろうか。ベンフィカが2週間後。そこで初スタートになる可能性があるか。
ESRとダブルNo.8の4-3-3というのが、いまもっとも観てみたいフォーメイションだが、明らかに実力が劣る相手というような試合でもなければ難しそうにも思える。
去年の年末のように、もっと試行錯誤が必要なときだったらまだしも、いまは4-2-3-1でだいぶうまくいっている。カラバオカップやFAカップのようなコンペティションで敗退してしまったことが悔やまれる。
彼はワイドでもプレイできるはずで、ウィンガー(インサイドFW)起用もあるかもしれないが、いまはサカやぺぺが絶好調で、なんならオバメヤンもマルティネリもポジションを争っているのだから、ワイドプレイヤーズもとても充実していて隙間がない。
こう見ると、アーセナルに来たタイミングとしてはオーデガードにとっては、非常にいいときだったとは云えないかもしれない。ESRがブレイクする前だったら、救世主は彼になっていたのかも。そういう運も大事ですね。
彼には、まずはサブで印象を残すことから始めてもらいたい。ウォルヴズなんか前半に大差をつけていれば格好の試合だったよなあ
アーセナルの冬の補強は以上3人。
つづいて退団した選手。
ラストサムライ。
チームを去ってもなお愛される選手たちとは、やっぱ違いますね。アルテタも最初は使ってましたからね。口には出せないことがあったのでしょう。
そして、これからが大事ですね。
グーナーとしては、ネルソン、ウィロック、エディ、ナイルズを中心としたチームを期待して、アルテタもそうしようとしてるふしはありましたが、結果が出なかった。
そこにさっそうと現れたのが次の世代。
スミスロー、サカ、ガビ、ここにもしかしてバロガンも。ローとサカはすでに絶対的な存在にまでなってますよね。
嬉しいことですが、エディたちもまだあきらめないで、アーセナルでチャンスをつかんでほしいっすね。
わたしはある意味、アーセナルは選手の最終目的地で、一番脂がのっているシーズンをあまねく、ここで過ごしてほしいので、外で実績積んでいるプレイヤーの売却益はそこまで狙わなくてもいいのかな、と思います。まあ、コロナ禍でクラブ運営に支障がきたすようでは本末転倒なんですが・・・。でも、コッシーとか、プレーしているときは銅像あってもいいレベルだと思ったんですが、終わり方とか、晩年の過ごし方、って本当に難しいですね。お金を置いて行ってくれたイウォビとか考えると、アカデミー選手で核になる可能性が低ければ、むしろいいタイミングで外にだしてあげるほうがアカデミーにいい選手が入るサイクルができるし(お金も得れるし)。いまはじっくり、エジルが来てくれた興奮の余韻を楽しもうと思います。サンチェス、エジルが一番脂のっていて、最も輝いていた時代、本当に我ら幸せをくれたように思います。で、ヴィラ戦から、また新たな一章ですね。
ロビンから続いた左のNo.10、次は誰が付けるのか。
そのうち、1回まるまるメスト・エジルについてのエントリを執筆されるかと思ってました。笑
サリバはパスを出す能力が問題なんじゃないかと思う。
自分でボールを運べるけど、運んだ先で手詰まりになるケースも多い。
ホールディングは最近ああいう詰まり方をしないから、違いはそのへんかも。
サリバを獲得した時点ではエメリだったから、評価されるポイントが変わってきてるのも気の毒だ。
速いし強いし守備は満点だと思うんだけど。
ただホールディングだってロングパスの才能があるわけではないし、足元のつなぎもアルテタが満足してベンチに呼ぶまでにずいぶん時間がかかった。
もしホールディングに近いレベルの球出しができれば、ボールを運べる分サリバが有利だと思う。
僕は今でも、サリバはそこまでスタメンから遠くないと思ってる。
アーセナルを買うクラブにするか売るクラブにするかのビジョンがまちまちなように思う。
(それはクラブ関係者だけでなくてファンもね)
バルサもマンUもマンCもPSGもチェルシーだって、買うクラブは売るのはヘタ。
ポルトやアヤックスは売るのも育てるのもうまいけど本当にスーパーな選手はKeepできるクラブじゃない。
ってことはプレミアリーグにいるアーセナルの場合は、売るクラブ路線の場合CL出場権はほぼ諦めつつ、サウサンプトンやレスター位のポジションを目指すことになる。
アヤックスやライプツィヒ、ポルトやセルティックとかとは国のリーグの競争力が違うから、
「育てながら買って、売る」は今のプレミアではムリかも。まじで。