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【マッチレビュー】21/22EPL アストン・ヴィラ vs アーセナル(19/Mar/2022)アウェイ5連勝でトップ4へ前進

試合の論点

アストン・ヴィラ vs アーセナルのトーキングポインツ。

厳しいスケジュールで得た大きな3ポインツ

個人的な印象としては、アストン・ヴィラが思ったより全然よくなくて、肩すかし。冬に取ったコウチーニョが好調というので、どんなにいいチームになったのかと思っていたら。

アーセナルがかなりよかったというのもあるだろうが、最近あそこまでイージーにやらせてくれるチームもないと感じた。

こちらがボールを持ってもプレッシャーもなく、プレイの精度もあまりよくないし、オーガナイズがない。なによりグリーリッシュがいたころはあんなに危険だった攻撃が遅攻かつ単調。CBの裏へのランをやるFWに、いわゆるアーリークロスを連発していて、ちょっとワンパターンすぎるように見えた。それでもそういったクロスでは危険なシーンはいくつかあったが、ベンジャミンとガビがかなり集中していて決定的なチャンスを許さず。全体的に、彼らはチームとしてワークしておらず、ヴィラはまるで悪いときのアーセナルみたいだった。

スティーヴン・ジェラードが試合後に振り返っていたように、チームが自信を持っていない。いいクオリティの選手がいるのに持ち腐れ。ぼくの知るかぎり、むしろ彼らはインフォームで、そういう前評判はなかったんだが。

あの内容なら、われらはもっと楽に勝たねばならなかっただろう。

とはいえ、後半になって試合の流れが変わってからは、さすがに厳しかった。いつもどおり、PLでかんたんな試合はない。アーセナルは守備でもがんばった。とくに、ガブリエルとホワイトは称賛されるべきパフォーマンス。

そしてひさしぶりに登場のレノ。仕事をしてくれた。

これはチームの勝利。試合が終わった直後レノがチームのみんなにねぎらわれるシーンを観てそう思ったよね。劇的なショットセイヴだった。

レノは、それまで悪いゴールキックを繰り返していて、さすがにブランクによる錆びつきを感じさせたが、最後の最後にビッグセイヴでチームを救った。3のうち2ポインツは彼のおかげと云っても過言ではない。

よりによってあの場面でFKを与えたぺぺがいちばんホッとしているかも? ちなみにあのときのぺぺの守備に対して、コーチングスタッフがコウチーニョを押すなと叫んでいたとか笑。

今シーズンのレノは、シーズン中にNo.1が変わるという屈辱的な扱いで、チームメイツも彼に同情しただろうし、さぞや気まずかったと思う。だからこそのあの祝福。あのセイヴでレノのスーパープロフェッショナルぶりが証明されたし、彼の苦境を理解していたチーム全体がそれを喜んだ。ラムズデイルとの抱擁は、同じポジションで立場は違えどサポートしあう団結を示していた。ライヴァルであり仲間。なんとうつくしい関係か。Amazon Primeが喜びそうなドラマがあった。

ふだんは裏方の選手が違いになり、シーズン終盤に向けて、チームの結束はさらに強まったはず。

これでアーセナルは、6日間で3試合という厳しい日程ながら、ポッシブル9ポインツのうち6ポインツを得た。そのうちのひとつは、世界最凶のリヴァプールを含んでいるのだから、大いに喜べる結果だ。

われわれは、なんとか難所を乗り切ったのである。

乗り切りかたもよかった。バウンスバックがあった。試合後は、「アルテタボール」みたいに呼ばれている流れるような連携がチーム全体であり、リヴァプールでの敗戦をほとんど引きずらなかった。サカも云っていたように、レジリエンスがあった。

つぎにつながるアウェイ勝利だった。

サカは守られる必要がある

タイロン・ミングスのアレは、レッドカードでもおかしくなかった。

完全に足裏である。もしあれがアクシデンタルなものでも、レッドカードが出るときは出る。そしてアーセナルにはなぜか出ない。

サカは、試合での存在感が高まるにつれ、ますます相手DFの標的になる機会が増えているように感じる。彼が試合のなかで、こうした相手からのアグレッシヴなチャレンジで倒されるのは、もはや珍しくなくなっている。

ぼくは、以前からサカやESR(今回ESRも足を蹴られたり蟹挟みされたりしている。被ファウルはサカよりESRのほうが多い。サカ3に対しESR5)が、そのうちひどいチャレンジで大ケガをしてしまうんじゃないかと心配でならなかったが、レフェリーがこういう危ないチャレンジをシリアスに受け取らないかぎりは、今後も彼らには大ケガのリスクがありつづけるに違いない。そしてそれが起きたときには、どんなにレフェリーに文句を云ってももう遅いのだ。

今回もまた、レフェリーに関しては文句を云いたい試合だった。

「ジャカ税」を止めろ

前半の追加時間でジャカのファウルがカード。こんな不思議なシーンがあった。

レフ「はい、あそことあそことあそこもあったから(イエローカード提示)」。

どれだよ……。ちなみにこの試合を通してのジャカのファウルは「1」、ここだけ。そしてカードが出た。

それまで度重なるファウルをしていたというのなら、そういう合わせ技一本みたいなのはたしかにあるし、レフェリーの仕草としてさほど珍しくはない。でも、彼はここしかファウルしていないのだ。

レフェリーがジャカと誰かほかの選手を間違えていたという指摘もあるが(ヴィラのMatty Cashがファウル4で彼と間違えた?そんなばかな。ギブスとオックスふたたび)、レフェリーがそういう間違いをやっちゃいけない。

先にも書いたように、後半のアーセナルが守勢に回ったのは、カードのことが念頭にあったからという理由が大きいんじゃないかと思う。ジャカとパーティという守備MFのふたりが、あと1枚でセントオフ。今シーズンこれまでの試合で、何度も2枚めのカードで苦い思いをしているわれらゆえに、あそこで不味い記憶が蘇ってもしかたがない。

だから、カードはこの試合に非常に影響を与えたのだ。

その判定に対して「Xhaka Tax」と云っていたひとがいたが、全然笑えなかった(いやすこしウケた)。

税と死からは、誰も逃れられない。

ジャカ税なんてものは、われわれは絶対に受け入れちゃだめなんである。

深まるチームとファンとのきずな

ここしばらくは、ステディアムのファンのサポートがすごいと、ことあるごとにボスも述べているとおり。

今回もアウェイサポーターたちは、現地でチームのパフォーマンスを盛大にプッシュしていたということ。

ジャーナリストのジェイムズ・ベンジによれば、アーセナルでこんなにチームとファンとの深いつながりを観るのはハイベリー後で初めてだという。

興味深いのは、アルテタのチャント。スタンドのファンからアルテタを称えるチャントが発生した。

“♪ We’ve got Super Mik Arteta, he knows exactly what we need, Kieran at the back, Gabi in attack, Arsenal on the way to Champions League!”

試合後のプレス会見では、アルテタがこう述べているのは、たぶんこのチャントのことも訊かれているからだろう。

アルテタ:彼らは、選手たちともわたしともつながりを示してくれた。そのことには非常に感謝をしなければならない。

ファンとチームとが高めあい、お互いをよくしていく好循環。アルテタがつねづね述べているところのtransmit。感じる。

チームが今後もうまくやっていくようなら、この好循環がつづいて、どんどん高みへ行ける。

 

この試合については以上。

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10 Comments on “【マッチレビュー】21/22EPL アストン・ヴィラ vs アーセナル(19/Mar/2022)アウェイ5連勝でトップ4へ前進

  1. 中2日アウェーランチタイムで勝ちきるなんて、ディーニーに玉なし呼ばわりされていた頃が嘘みたいですね笑
    主力に怪我人が出なければ4位はもう確実でしょう。
    それくらいチームは強くなったと信じれます!

  2. こうゆう試合で勝つなんて、まるでビッグクラブですね。おれたちのアーセナルがもうそこまで帰って来てます。
    このプレミア全集中のおかげもあると思いますが、ムダを全てけずったスカッドもすごい。
    ただ、スタメンとそれ以外のモチベーションの差が気になります。
    サブも固定化されてますが、あのロコンガ、タバレス、モーあたりも出してもらいたい。あの二人よりもうまくやれるのではと思ってしまう。
    ジャッジは悔しいですね。特にアンタッチャブルな5,7,8に何かあったらと思うと。
    次の決勝まで2週間。またよろしくお願いいたしますm(__)m
    COYG

  3. ジャカのあれは自陣でもめた時に相手とレフリーに向かってエキサイトしてた件じゃないかと。ファウルのシーンも、ファウルそのものはともかく最後に余計な手が出てる。PLは少しでもボールに関わってれば殺人的なプレーでも平気で流すけど、プレーに関係ないところのファウルはすぐカードを出す気がする。

    それじゃより悪質なファウルがはびこるだけなのでは?とは思う。カスヤヒデキあたりが「PLのレフリーは本当に下手くそ」っていうのはそのへんだと思う。

    ただ思うのは、ジャカがいつまでもあんな無邪気な怒り方をするのは学習能力が足りないんじゃないかという事。明らかに相手は意図してやってる。その証拠に、相手が手荒な事をしてくるのはボールがちょっとでも関わってるプレーだけ。PLのレフリーが何に対してカードを出すのか、よく知った上での悪質な暴力ばかり。その一方でジャカはごく無邪気に怒って相手と「お話」しようとする。

    僕は少なくとも今シーズンが終わるまではジャカの限界について言いたくないんだけど、ああいうのを見せられると時々絶望しかける。もっと悪質な確信犯になるか、一切気にしないで冷静にプレーするか、どっちかにしてくれと思う。

  4. お疲れ様です。
    勝ちきれるチームになってきましたね。

    サカへのタックルですが、足裏でいった場合は先にボール触ってようがレッドカード出る印象でしたが、今回はイエロー止まりでよくわかんないっすね。マジで大怪我する前に厳しくジャッジして欲しい。

    残り日程にチェルシー、ユナイテッド、スパーズ、WHUとキツいマッチがてんこ盛りなのでまだまだ気を抜けないですね…。

  5. レノ。確かにナイスセーブもあったし、準備を怠らないプロフェッショナル精神に感動もした。

    ただ、キックの精度が低すぎる。。
    ロングもショートもラムズデイルとは比べ物にならない。

    あそこがスタメンに戻れない要素だよなぁ。
    IB後もレノっぽいし、そこは不安。。
    早く戻ってきてくれ。

  6. 素晴らしい勝利でした
    結果が全て!内容も良かった、特に前半
    ホールディングが出て来た時の安心感すごい!

    途中からサカがブーイングされるようになったようですが、ミングスに対してアーセナルサポがブーイングし過ぎたから? よくわからないですが足裏タックルや蟹挟みは本当に危ないからカードやVAR介入の基準を考え直してほしいです

    ラムズデイルがIB明けも戻ってこれないとなるとこちらのビルドアップも敵のプレッシングも変わってくるだろうしバタバタしそうで少し怖い
    2ndで出てくるのがレノってのはかなり恵まれてはいますが
    次節までにバックスとの連携やポジショニングが修正されている事を祈ります
    ※暗黒期を支え続けてくれたレノ大好きです

  7.  流石に疲れが見えたけど、それでも強いチームは勝つ、というのはまさに元旦にシティに思い知らされたことで、アーセナルもそういうチームになってきたと思いたい。
     それにしてもンケティアが酷すぎる。攻守において気が効かないのは知っているけど、せめて強度高くプレーしてほしい。まだヘトヘトのラカゼットのほうが効果的な守備をするし、ロナウドのほうがまだ守備で走る。新FWの件で怖いのは、アルテタが一時期ラカよりそんなンケティアを優先して使っていたことがあるから。あんなチームにコミットメントが低い選手を使ってはいけない。レノを見習え。

  8. レノはレーザービームみたいなゴールキックを練習中なのかもしれないですね。それをゲームで試してみたけど、ほぼボールを捨ててたという、、2回ぐらい連続でエミマルまで返してたのは笑えました。笑 昔は山なりのボールばかりだったきがするし、ショートを繋ぐときの判断も怪しかったけど、ラムズデールに劣るところをしっかり改善中なんでしょう!
    最後のシーンは本当に尊かったですね、、レノ神はやっぱりレノ神!

  9. サカがファールを受けたシーンで、
    その後の揉めているところで、マッギンが思いっきりラカを突き飛ばしたのは、
    何故にお咎めなしなんでしょうね。
    ラカ、吹っ飛びましたけど・・・

    絶対に3P取らねばならない試合。内容はともかく勝ち切りましたね。
    レノとラムズデールとのシーンも素晴らしかったです。
    いよいよ終盤戦。
    チームもまとまり、ケガ無く、良い雰囲気のまま戦って欲しいです。
    COYG!

  10. ヴィラ、好感を持ってたチームだったんだけれど。
    いろいろと残念でした。フットボールも、選手も、そして監督も。はあ、こんなもんか、、、

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