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【マッチレビュー】23/24 EPL シェフィールド・ユナイテッド vs アーセナル(4/Mar/2024)Flying high

試合の論点

シェフィールド・ユナイテッド vs アーセナルのトーキングポインツ。

ゴールだらけのハイライト。

スーパーファインフォームを継続。この勢いはどこまでつづく

アーセナルは、アウェイで6ゴールをぶっ込んで快勝。前半だけで5。これは無慈悲。

ボトムチーム相手にあまりにも一方的で、早くに大差がつくような試合は、途中で関心を失って眠くなってしまいがちであるが、いまはタイトル争いの最中だし、とくかくゴールがたくさん観たいしで、最後まで楽しく観た。

試合前はいつものように、ひょっとしたら悪い試合になる可能性もあるのかもなあなんて心の予防線を張って、今回もまったくの杞憂だった。5分で最初のゴールが決まった時点で、勝負は決まったみたいな。危なげな瞬間はほとんどなかった。

これでPL7連勝。2024年にはいってから、ものすごい絶好調。攻撃も守備もベストとしか云えない。なんということでしょう。

わたしたちは、またまた記録をつくっている。

アーセナルは、PL7試合で最多ゴール。31。それまでの記録は17/18シティの28。だいぶ大幅に記録を更新した。

アーセナルは、アウェイで5+ゴールで3連勝した英国リーグ初のチーム。そしてこの間の失点ゼロ。ヤッフー。

 

今回の大量ゴールは、 チャンピオンシップですら苦労しそうなシェフUのクオリティに依るところも大きいとはいえ、アーセナルのチームプレイもますますシャープに見えた。まさに、乗りに乗っている。勝ちがパフォーマンスを向上させ、さらなる勝ちを呼ぶ好循環。自信がみなぎっている。

いつものように精力的なハイプレスはもちろん効いていたし、ボールを持てばパスまわしにはリズムもスピードもあり。今回は深いエリアから相手DFの裏を狙うようなスルーボールもかなり意識されていたように感じた。シェフUの守備ブロックは、勇敢(無謀?)にもかなりコンパクトで、ディフェンシヴラインの後ろにはスペイスがあった。

また、なにより選手たちがかなりポジションをロテイトして、ぐるぐると動き回り、相手にボールを奪うポイントをまったくつくらせないチームプレイが印象的だった。

そして、サカやマルティネリがワイドで勝負すれば、かなりの勝率で勝ってくれる。とくに、サカはスーパーブだった。

いつだったか、アーセナルがほんとうにダメダメだったとき、CLのアヤックス(Ten Hag)を観て、なんて流動的でなんて美しいフットボールなんだと感銘を受けたことがあった。ピッチの選手たちがお互いのプレイに呼応しあって、まるでひとつの生物みたいに観える一体感あるチームプレイ。突出したスター選手がいなくても(あとでスター選手になるんだけど)群れとして全体が11人以上のパワーを発揮するケミストリー。なんでアーセナルはこういうチームになれないんだろうと。そのときは悔しく思ったものだった。

いまのアーセナルには、まさにそういう美しさを感じている。かつてアーセナルに観たフットボールの美。

とくに今回はオーデガードが神出鬼没でピッチのどこにでも顔を出すみたいな役割で、つねにボールに触ってリズムをつくり、周囲の選手たちもそれに合わせてどんどん動き回って、つねにグニャグニャと形を変えるが一体であるのは変わらない、なんだかアメーバ(定まったかたちがない)みたいだった。単細胞ではない。

※これはアメーバです ©NHK

アルテタのアーセナルでは非常にオーガナイズされてパターン化されているがゆえに、攻撃の予測可能性が弊害として言及されることが多いが、この試合のアーセナルの攻撃は相手が予測をしたとしても、それを上回るチームプレイがあったし、上回る個人があった。彼らのDFにサカを止められる選手はいなかった。

いまは、なにをやってもうまくいくような感覚があるから、やるほうも楽しいだろうし、観ているほうも楽しい。「みんな楽しい」から生まれるポジティヴエナジー。4-0になったあと、左サイドの狭いエリアでトレイニングピッチでのようなワンタッチのロンドをやって、イラついた相手に削られたりもしたが、そうしたシーンにもチームの充実感を観た。

そうそう、あとこれを忘れちゃいけないのは、今回もまたゴールを複数人でシェアしたこと。ゴール6が6人の違うスコアラー。OGが含まれているので、アーセナルのスコアラーは5人だが。『MNF』に出演していたティエリ・アンリ氏も、試合後「夏のストライカー獲得は問題じゃなくなってきた」みたいなことを云っていた。

いつも大量ゴールをみんなでシェア。健全すぎて怖い。

 

今年に入ってからもう3月になってしまったから、なんだかんだわれらファンは2ヶ月以上このファインフォームのチームを観ていることになるが、いったいこれはいつまでつづくのだろうか。

アーセナルのつぎのつぎの相手がマンシティ(A)で、タイトル争いにおいては結果が決定的になりうる超重要試合。そこまでこの勢いが維持されたら、何かが起きてしまうかも。

戻りつつあるフルスクワッドがさらに追い風。いっぽうベンチのチャンスは時間切れ……

ポルトでヴィエラ、ニューカッスルでジェズースが戻り、今回はパーティが戻った。ここ数試合で毎試合のように、ケガで長期に離脱していた選手がチームに戻っている。

ケガ人で残りの懸念は、ジンチェンコとトミヤスとティンバーで、すでにトミヤスの復帰が近いというし、ティンバーもシーズン絶望と云われたケガからフルトレイニングに復帰して、元気そうな姿を観せている。

元々絶好調だったチームにキープレイヤーたちが戻り、これでチームのクオリティはさらに厚みを増すことに。これは残りシーズンに向け、大きな追い風になりそうだ。

去年、シーズンのほとんどの期間を1位で過ごしながら、終盤の失速でPLタイトルを逃した大きな原因と云われていたのが、サリバらキープレイヤーの離脱だったことを考えると、今シーズンはその逆で、このタイミングからキープレイヤーが戻りチームは強化に向かうことになる。そのおかげで、リーグテーブルではまだ3位でありながら、こんなにもポジティヴな気分になれる。

個人的には、この期間の不在から戻ってくる選手でもっともポジティヴな影響が大きいのはトミヤスではないかと思っている。

PLもCLもまだまだタフな相手が残っていて、最近のPL試合のように自分たちのやりたいことがいつもできるわけではないし、重要な試合であればあるほど、守備で耐えねばならない試合があるはず。そんなとき、トミヤスの高い守備力はきっとチームに大きく貢献する。そんな気がする。すこし前、トロサールもインタヴューでドリブルで抜くのは、チーム内ではトミヤスがいちばんタフだと云っていた。

今シーズンのこれからのチームのことを考えると、非常に夢がふくらむ。

いっぽう、チームが完全なものに近づくことで非レギュラーメンには厳しい時期がやってきそうに思える。

たとえば、もし今回のチームにさらにジンチェンコとトミヤスとティンバーがフィットしていたら、ベンチから3人は消えることに。今回はすでにエルネニーがベンチから漏れているが、トミヤスが戻ればおそらくつぎはセドリック。そのつぎは、エディ、ネルソン、ESRのなかの誰か。

彼らはベンチにいたとしても、ペッキングオーダーからして、5人サブのなかに入るかどうかもあやしいところだ。

正直、夏の売却がうわさされる彼らのチャンスは、ここまでだったという気がしないでもない。ケガ人が出て、短い時間ながらチャンスも与えられたが、そのチャンスをまともに掴んだものは実質いなかったと思う。

キープレイヤーが戻ってきてうれしいいっぽう、彼らのチャンスが時間切れになったように思えて、そこは寂しさを禁じえない。

今日のハヴァーツウォッチ

幅ちゃん。あんたすげえよ。

この試合のMOTMは、ほとんどのひとがオーデガードを支持するだろうけど、ハヴァーツと迷うひともけっこういるだろう。観ていて、「サッカー上手やなあ」と思うこともしばしば。

3試合連続ゴール。連続アシスト。

£65mの仕事をしはじめた。

 

この試合については以上。

※コメントくださるかたにお願い
プレヴューエントリでは、試合の結果がわかるようなコメントはお控えください
お互いリスペクトしあって楽しく使いましょう

One Commnet on “【マッチレビュー】23/24 EPL シェフィールド・ユナイテッド vs アーセナル(4/Mar/2024)Flying high

  1. すごすぎました。
    チームにプラスをもたらす選手を獲得する大切さ。
    こんなファインフォームでも3位とゆう魔境。
    レジェンドアンリも納得できるチームになってますね。
    一つ一つ。COYG

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