PL Week26。アーセナルはキングパウワステイディアムへ。
ミドウィークには苦労しながらもベンフィカ相手に劇的勝利、ELのラウンドオブ16に勝ち抜けに成功した。試合を決めたウィナーは87分だったということで、最後の最後まで諦めない信念が報われたという成功体験は、このチームにとって非常に重要な意義があった。
しかし、同時にあのレヴェルの相手に綱渡り的勝利だったことも事実で、このチームがまだ本物の強さを持ってないことは、誰よりも自分たち自身が感じているだろう。
またPLでは、クリスマス以降の6戦無敗(W5 D1 L0)をやったあと、4試合で3敗もしている(W1 D0 L3)。アクシデントや相手のクオリティなど内容はどうあれ、アルテタがつねづね語っている一貫性は身についていない。
ベンフィカでの勝利が勢いになるかどうかはこの試合にかかっている。リーグ3位チームを相手にポインツを得られるかどうか。
試合をプレヴューしてゆこう。
アルテタの試合前コメント「レスターでも同じインテンシティで戦う」
試合前プレスカンファレンスでのボスコメント。オフィシャルサイトより。雑訳版。
(ベンフィカはチームの進歩のためにどれだけ決定的な勝利だった?)全員にとりとても重要だった。トロフィの可能性があるコンペティションだしCLへの道でもあるから。劇的に改善しなきゃいけないいまのリーグポジションのことも考えれば、当然ELは重要。もしELでうまくやればチャンスが増える。
(ブカヨ・サカはどこまでよくなる?)誰も答えられない質問。彼がどれだけよいか、どれだけよくなりたがっているか。たぶんそこが回答になる。彼はいつも学ぶことに熱心でよくなろうとしている。とても謙虚。ハードワーキンボーイ。ふつうあれだけのタレントなら遠くまで行ける。
(オバメヤンはまたベストフォームに?)イエス。いいポジションに入っていけるようになりリズムもいい。ボールあるなしの動きも。ベンフィカの前の週でもいくつもチャンスがあって外してもいてもわたしは心配していなかった。ちゃんとポジションにいればコンスタントリーにゴールするとわかっていたから。彼もそのことを自分に求めないと。オーバがベストならチームが成功する可能性は高まる。
(レスターではロテイトする?)明日を観る。今日は選手はまだグリースにいて4時間フライトが必要。でもそれをいい訳にはしない。ヨーロピアンコンペティションでプレイしているなら3日ごとにパフォームせねばならぬ。レスターでも同じインテンシティでプレイする準備をする。いつもどおり。
(新しいケガ人?)ノー。いくつかはないこともないがいまは云わない。選手たちもまだ競っているから。
(レスターはキャラクターを示すビッグテスト)彼らはリーグでめっさ安定している。正しいことをやっている。チームの進歩は運でもなんでもない。もちろんいいコーチとスタッフがいてこの数シーズンは多くのいい決断をしてきた。リクルートメントポリシーも完全に彼らのチームビルディングにあっている。チームにすでにある経験とクオリティにヤングタレンツ。とてもいいミクスチャ。いまのポジションは完全にふさわしい。
(ベンフィカでの勝ちかたがムードを変える?)信念が生まれることを願う。予期しないことも起きるし難しいコンペティション。それに反応しなければならない。ヨーロピアンコンペティションの勝者にはマジックモウメントがあり、幸運があり、難しいときを乗り越えることができるもの。それをわれわれは昨晩やった。納得できるやり方でもあった。2点めを失ったときですら選手たちはファイトしたしがっかりを見せたことはまったくなかった。それがわたしに希望を与えた。ともにいい経験になった。未来にこの経験を活かせることを願う。
(ベンフィカは極めて重要な勝利になりうる?)コンペティションを勝ちたいのならああいう勝利が必要。FAカップを取るためにわれわれはシティとチェルシーを倒した。コミュニティシールドではリヴァプールを倒した。ああいうときが必要。誰かがああいうときをつくりだす。そして失点につながりかねない個人エラーズは避ける。そうしたふたつのことができれば、何かを勝ち取る可能性が高い。
(オバメヤンの進歩したフォーム)ときに難しいときを過ごすこともある。そういうときに悲しみモードに入ってしまうことが最悪。なぜなら誰の同情も期待してはいけないから。そういうときにやるべきことは、怒り、ハードワークして、それに直面すること。チャレンジに向き合う。それがモチヴェイションとハンガーを生み出す。この数週間はそれが見られている。たとえば、試合前のトレイニングセッションで彼がペナルティをミスしたとき、彼はとても腹を立てていた。悲しむかわりに怒ったこと。わたしはコーチングスタッフにああいうのが好ましいと話したし、試合では大丈夫だと。あのメンタリティなら、正しいアプローチができると思う。
(ブレンダン・ロジャーズはマネジャーオブザシーズン候補?)そう思う。もちろんいまはシティがすごいのでそれにふさわしいけれど。あれは未曾有だし報われるべき。だが近年のレスターのPLで見せている安定レヴェルはすごい。ブレンダンのそれは検討されるべきだと思う。
以上。
※ブログからのお知らせ。最近このブログでやり始めた会見の「雑訳版」は、これまでの全文をそのまま直訳ではなくて、一度英文を読んで理解したことを自分のあたまのなかで日本語にするという過程で翻訳している部分がある(超訳みたいな)。これで翻訳作業にかかる時間を30-50%短縮できている感じ。いちおう界隈で話題になっているような部分は逃していないつもりだけど、ボスのことばを理解するうえで重要なディーテイルを飛ばしている可能性がないとは云えない。それはすまない。あと、間違えているところがあるかもしれないのは以前と同じではあるが、もしかしたら文章自体はより日本語らしくなっていて逆に読みやすいかもしれない。</お知らせ>
さて、会見のやりとりはほぼベンフィカ、オバメヤン、レスターという感じ。
この試合でロテイションをどうするかがファンの最大の関心事に思える。
この会見をしている時点(金曜午前?)でまだ選手は戻っていなかったということは、
- 木曜夕方に試合
- 金曜午後に4時間かけてアテネからロンドン着
- 土曜
- 日曜昼に試合(※ロンドンからレスターは車で1時間40分。朝移動?)
という、準備には極小の時間しかない厳しい日程。
こんなの選手替えなきゃ無理だろう。。
ちなみに同じくELでプレイするレスターはミドウィークにアーセナルより1日早い水曜、Slavia Prague(H)で戦っている。2-0敗けで敗退していた。PLに集中できていいなあ。
※追記
これを忘れてた。オフィシャルサイトのトランスクリプトから漏れてる。
Here, Mikel Arteta discusses why Gabriel Martinelli’s minutes have dried up and challenged the young forward to take his chances when they come. pic.twitter.com/cA2zRYaIqf
— Mark Mann-Bryans (@MarkyMBryans) February 27, 2021
マルティネリのプレイタイムがない件について。
この質問に対してアルテタは、マルティネリだけじゃなくプレイタイムの少なくなっているラカやぺぺについて、彼らを称賛しつつも、ほかの選手たちと同じように競争があり、それぞれがステップアップしなきゃならないと。