19年ぶりのタイトルを狙うアーセナルに、またどえらいビッグゲイムがやってきた。
アンフィールドのリヴァプール。
PLの試合でアーセナルが最後にそこで勝ったのは2012年なので、つまり10年以上勝っていない場所。
いまのアーセナルは4年前のリヴァプールを彷彿とさせるというジェイミー・キャラガーに云わせると、アーセナルはアンフィールドで勝てれば、アーセナル自身も英国民も今シーズンのPLタイトルを信じられるだろうと。すなわち、この試合はヴェンゲルの黄金時代以降のアーセナルにとって、最大の試合であると云っている。
ほかにも、ついこないだまでアーセナルよりマンUの上位フィニッシュを予想していたギャリー・ネヴィル(笑)も、「ここでアーセナルが勝てばアーセナルのタイトルを信じる」と述べていたりと、多くの識者から、この試合はアーセナルがPLタイトルにふさわしいかどうかの試金石のように観られているところがある。
アーセナルのPL残り9試合のなかでも、とりわけタフであり、とりわけ重要な試合のひとつが今回のアンフィールドのリヴァプールという。
もちろん、アーセナルにはこのあとエティハドのシティも残っているが、試合のタイミング(残り試合の数)からして、タイトル争いにより大きな影響を与えるのは、もしかしたらこちらの試合になるかもしれない。
伝統的にゴールが多く生まれるアーセナルとリヴァプールの試合。今回は、いったいどのようなものになるのか。
日曜の試合をプレヴューしてゆこう。
アルテタの試合前コメント「(アンフィールドは)とてもとても難しい場所ということはわかっている」
昨日行われたアルテタのプリマッチプレスコンファレンス。AFCオフィシャルサイトより。
(チームニュースについて。サリーバは……)
アルテタ:ケガをしている選手のほかは、変更はない。そのうちのひとりにはやや希望がある。彼は明日トレインできるかもしれない。それが誰かは云わないよ!
(終盤戦を楽しんでいる?……)
われわれはすごく楽しんでいる。楽しまねばならんのだよ。全員がそれを喜ばねばならないし、向かっていかねばならない。チームは熱意とポジティヴティに満ちている。
われわれもこれがビッグチャレンジになるとわかっているが、しかしわたしはアンフィールドへ行くのはチャンスだとも思っている。そこで何年にもわたり、われわれがやれなかったことをやる。それが、ここ数日のチームの原動力だ。
(昨シーズンの試合と今回の準備について……)
われわれにとって、それはふつうのことだ。われわれは毎試合で異なる準備をするし、コンセプト、チームメンタリティ、シナリオを用意する。
昨シーズンのあの日、われわれはああすることに決めた(トレイニンググラウンドに“You’ll Never Walk Alone”を流した)。
(昨シーズンはタッチラインでの激しいやりとりもあった……)
それもフットボールでは起きること。あのあと、われわれはお互いにハグし別れた。ユルゲンも、わたしが彼らがリヴァプールでやってきたことに対して、大いに尊敬の念を抱いていることがわかっている。もう済んだこと。
(つぎは違うアプローチをやる?……)
わからない。その状況にならないと。あの日のわたしのリアクションは、われわれの選手たちを守るためのものだった。それだけだ。わたしは自分自身をあのように観るのは好きではない。そうじゃないことを願う。
(選手時代にアンフィールドで勝ったあなたの経験を利用する?……)
わたしたちも、17、18年とか22年とか勝っていないグラウンドへ行った。そして、そこでなんとかした。だから、(アンフィールドで勝つことも)できるのだ。
この試合に勝つためには、最高の自分たちでいなければならないとわかっているし、間違いなく去年よりはよくなっている必要がある。とくにセカンドハーフ、こちらがオープンになってしまい、リヴァプールにやすやすと使えるスペイスを与えてしまった。
(アンフィールドで勝ったときのおもいで……)
グレイト。なぜならあの勝利の前にも、長い時間があったから。われわれは、もう一度それをやった。たしか、ファン・ペルシが95分にゴールした年。だから、いくつかの美しいおもいでがあるよ。プレイするにはすばらしいステディアムであり、どんな選手やマネジャーにとってもユニークな経験になる。
(リヴァプールのシーズンには驚いた?……)
わたしはより尊敬するようになった。なぜなら、それが示しているのは、トップにいることの困難さ、フットボールクラブを変革すること、彼らのアイデンティティ、信念、この6-7年のあいだの競争力のキャパシティがあるから。あのレヴェルを維持することがいかに難しいかを示している。
われわれはみな困難なときがあるものだが、とくに彼らがクラブでやったことについて、それは際立つものだとわたしは思う。
(彼らがマンUに7-0で勝った試合……)
リーグでの彼らの試合を大局的に観れば、彼らはベストだ。彼らにポインツを落としている要素があることも事実。だが、ホームでは違うタイプのチームを使い、われわれもあそこではどのようなプレイになるか知っている。
われわれは、その準備をしている。ベストのリヴァプールを想定し、われわれもベストになる。そうなれば、試合に勝つチャンスが得られる。
(レアンドロ・トロサールが今シーズン、あそこでハットトリックをやっている……)
あのステディアムで、かなりよい経験を持った選手がいるのはグレイト。あの日の彼は極めて重要な選手だった。観ていて美しい試合で、それこそわれわれにも必要なもの。選手たちがピッチのうえで勝てるという信念を持つこと。
(アンフィールドでプレイするのはなぜにそんなにハード?……)
グレイトなチームで、トップマネジャーが率いて、すごい雰囲気をつくる。それが対戦相手をかなり難しくさせる。エミレーツに来た相手のように。
それは非常に非常に難しい。それがわかっている。そして日曜にはわれわれには機会がある。この2-3年でわれわれがやってきたことをやり、かなり長期間やれていなかった勝利を勝ち取る。
(今シーズン、ゴール前のグラニト・ジャカはどこが変わった?……)
メンタリティ(指ぱっちん)。できるんだというフィーリング、正しいタイミングでどういうポジションにいなければならないかの理解があり、毎日トレイニングしている。成長への意志があり、チームを支える。われわれの意見としては、プレイと試合に勝つという点で、彼はさらなる一歩を踏み出す必要性がかなりあった。
(ベン・ホワイトについて……)
わたしは彼には完全に満足している。繰り返すように、彼は非常に安定していて、ポジションにもとてもよく適応している。彼らのフロウ、プレイ、とくに何人かの選手たちとのリンクアップ。グレイトである。
いずれ彼が(イングランドでも)チャンスを得ることになるのは、間違いない。
(U-18がFAユースカップファイナル、女子チームがCLのセミファイナルに進出している……)
クラブにとりグレイトなこと。それが望んでいたこと。どのコンペティションでも優位に立ち、プライズを勝ちとるチャンスがある。女子がやっていることは素晴らしいし、(U-18では)ジャックやコーチングスタッフ、そして選手たちが先日やったことには触発された。最後の最後に起きたあれは、非常にうれしいものだ。なぜなら、クラブにとって非常にポジティヴなことだから。
(ブカヨ・サカは病気は治った……)
イエス。
(ユルゲン・クロップはインスピレイション?……)
間違いない。海外からやってきて彼がやったこと、キーアイデンティティ・価値をインストールし、とても初期に全員をやる気にさせた。彼にもしばらく時間は必要だったし、そのあとは最高のかたちで結果を出した。だから、間違いなくイエスだね。
(もしあそこで勝てば、それはアーセナルの進歩の証になる?……)
イエス。そしてそれこそ、われわれが日曜に証明せねばならないこと。そこへ行き、感情的にパフォームし、(戦術的に)響かせ、ほしい結果を得るためにどの瞬間も正しいことをせねばならない。
(マンシティとの試合のあとにやりたい試合だった?……)
それもよかっただろうが、正直そこは問題ではない。われわれが集中しなければならないのは、自分たちがやっていることだ。まだたくさんの試合が残っているし、長いレイスになる。
(自分もクロップのように長くやっていくと思う?……)
思うに、このようなクラブにいれば、自分でその権利を得る必要がある。彼は、ああしてクラブを変革し、完璧にその権利を得た。とくにパフォーマンスと結果。彼らがどれほど勝ち取ったか。
このレヴェルで自分を維持できるのは、結果を出したときだけだ。
(昨シーズンに起きたことをモチヴェイションとして利用する?……)
類似点はある。もちろん状況が違うし、チームも選手もだいぶ違うものになるだろう。われわれがそれをそのように利用せねばならなくなるのは、ポジティヴなことだ。エナジーと信念をもたらしてくれる。われわれならやれるのだという。そして、それをやるつもりだ。
(この週末、FWたちのひとりを使わないのはどれほど難しい?……)
それは状況次第だ。自分たちがやりたいこと、求めているクオリティ、関係性。もちろん、5人の交代ができるし、そうした選手たちで試合を変えることができるのは、グレイトなことだ。
そういう問題があるのはむしろいい。なぜなら、いま彼ら全員がよく見えるから。
(スタートから使わない選手とは話をする?……)
ふつうだと、有力な候補になっている選手とは。なぜわれわれがそうしたか、あるいはなぜそのような決断に至ったかを話す。それが透明性であり、その透明性があれば、選手の感情面ももっとよくなると思うし、クラブとチームのために準備もできる。
(今シーズン、アーセナルがリヴァプールに勝った日、なにかがクリックした?……)
あれはわれわれには大きな日だった。大きな結果であり、とくにわれわれの勝ちかた。とてもいいセカンドハーフのパフォーマンスもあり、最後にはわれわれが勝った。すべてが積み重なっていった。すべてが役立ち、すべてがチームへの自信になり、違うレヴェルへ行った。ああいうタイプのチームに対し勝利できたことは、個人の信念にもなった。
(リヴァプールに対して恐れをいだきながらのプレイは、もう過去のこと?……)
まず第一に、違うグループだ。われわれは違うポジションからやってきて、わたしが観たものは熱意とポジティヴィティ。そして、抱く必要があるものは勇気。プレイする勇気、自分自身を試合にインポーズする勇気。支配的になること。日曜、われわれはそういうチームになろうとトライする。
(日曜に勝利すると、クラブとしてはステイジ5のうちの4に進む?……)
ひとつの結果ではそこには行けない。残念ながら! われわれが期待しているのは、今シーズンにわれわれがたくさんのいろいろなフェイズを経験できたらということ。しかし、それはそれほど簡単ではない。大変に役立つものだけど!
(クロップとの口論がホームの観客に火をつけた?……)
イエスだが、そのあとはわれわれにもベストチャンスがあったよ。こちらが1-0にできた1分後に、彼らがフリーキックからゴールした。誰にわかる?
(日曜に結果を得るために、全員が冷静でいなければならない?……)
イエス。みんなわかっている。経験もしているし、気がついている。自分たちがなにをしなければいけないか。何も違いはない。われわれもタフな経験をしてきた。ホワイトハートレインへ行き、チームはやるべきことをやったが、それ以上はないほど雰囲気はハードだった。
以上
ユルゲン・クロップの試合前コメント「アンフィールドの雰囲気だけに頼るべきじゃない」
(アーセナルについて……)
クロップ:ミケル・アルテタはもう数年ずっと築いてきた。その結果はかなり素晴らしい。いま、キミたちがわれわれについて何を云うのか正確にはわからない。だから、それがいまの状況を示している。
それでもアンフィールドだ。われわれはホームであり、リアクションと進歩を見せる必要がある。
(アンフィールドのちから……)
それだけに頼るべきじゃない。しかし、われわれのコンビネイション、グラウンド、選手たちがかなりいいのは秘密じゃない。それが、われわれが投げ入れるべきものであり、だがそこに頼らない。わたしには、チームがそれをできるというとてもいいフィーリングがある。
(アルテタについて……)
わたしは、長くマネジャーをやってほしいと云われるひとのこともわかるが、ミケルはそれがうまくいかなかったときでも、それにふさわしかったと思う。なぜならいまがあるから。彼らはいい移籍をやり、とても安定していて、超重要な選手たちを連れてきた。それも多すぎず。
多すぎないのはいいこと。選手をたくさん買いすぎるチームもあるしな。
お褒めもいただいている。
クロップ:ぶっちゃけ彼ら(アーセナル)のプレイは観ていて楽しい。めっちゃいきいきしていて、とてもいいプレイをしているし、よい選手とよいマッチプランがある
Mikel Arteta is building Arsenal very IMPRESSIVELY! | Jurgen Klopp | Liverpool vs Arsenal – YouTube https://t.co/HybxbuN8lY
— The AFC-Chenko ???????? (@NewArsenalShirt) April 7, 2023
ホールディング不安だ!がんばれれ!